2021-01-05

中国のコロナ対策は何故成功したか:人口当たりの感染率、イギリスの1万4千分の1

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人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移【世界・国別】7日間の新規感染者数(人口100万人あたり)2021/01/04現在」を見ると、世界平均が562人に対して、最大がイギリスで5670、アメリカが4555人、非常事態宣言と大騒ぎしている日本は世界の半分以下の196、韓国は122人ですが、さらに中国は少なく0.4となっています。世界平均と比べると1/1405、世界最大のイギリスと比べると1/14,175です。中国のこの圧倒的少なさはどのようにして実現しているのでしょうか。

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理由は極めて単純だそうです。そもそもウイルス自身は動くことができない。それに感染した人が動くから、ウイルスの感染が拡大するのである。感染した人を探し出して厳格に隔離すれば良い。

中国でそれができているのは、スマホを駆使した管理社会と、人権に配慮する必要がない独裁政権だから。ほぼすべての成人の行動がスマホの専用アプリで追跡されている。たとえば、誰かがPCR検査で陽性と確認されたら、少なくとも、1週間以内にこの人と接触した人を割り出すことができる。当局は濃厚接触者を探し出して、強制的にPCR検査を受けさせる。もし感染クラスターが発生した場合、その地域全体がすぐに封鎖される。

中国社会はスマホがないともう暮らせなくなっています。スマホアプリがないと、タクシーも呼べないし、お店で注文も支払いもできない。

新型コロナウイルスの流行を契機に開発された健康コードは、個人の移動履歴や健康状態報告など各種データベースから抽出した情報を基に、QRコードをスマホ画面上に表示する。感染の危険が高ければQRコードの色が赤、安全と思われる場合は緑といった具合に色分けされるため、一目で状態が判別できる。

119日、上海市東部にある浦東国際空港で貨物の搬送作業に当たる50代男性の感染が確認されたというニュースが中国全土を駆け巡った。すぐさま男性が住む浦東新区祝橋鎮の営前村は封鎖され、住民が村の外に出られなくなった。感染した男性の家族や同僚など26人の濃厚接触者は、10日未明までにPCR検査を受け全員の陰性が確認された。中国は現在、感染が判明した人の濃厚接触者と、その濃厚接触者を隔離対象としている。

なかなか説得力がある説明です。一方で、これだけの理由で本当に世界平均と比べると1/1405、世界最大のイギリスと比べると1/14,175に感染を抑えることができるのでしょうか。中国は感染者を1/10程度に過小に報告していると言う指摘もありますが、10倍してもけた違いに低いことに変わりはありません。

世界の感染状況を見ると、明らかに人種による感染状況に違いがあるように思われます。まもなくWHOの調査団が中国の武漢で調査を開始します。トランプ大統領は、新型コロナは中国がばらまいたと指摘していますが、中国人に感染しにくくアメリカ人に感染しやすいウイルスを開発することは、そんなに難しくなさそうな気もします。中国がその犯人かどうかは別にして、欧米中心の世界秩序を破壊したい勢力が今回のコロナ騒動を仕掛けた可能性も良く検討するべきでしょう。

 

■武漢を蔑む日本人は「中国人の本質」を知らない20201110

コロナ禍を最初に体験した中国・武漢から、女性作家・方方(ファンファン)が発信し続けた60日間の記録『武漢日記』。訳者の1人である飯塚容さん、ライターの武田砂鉄さんが、いまこの記録を読む意味について、語り合いました。

庶民が、いろいろな形、いろいろなレベルで協力しながら、困難な状況を乗り越えようとしている。頼りになるのは血縁であったり、地縁であったり、そういう姿には日本人も見習うべき部分があると思います。

そこで関連してくるのが、SNSなどのインターネットの威力です。日本よりもずっと発達していて、中国社会はスマホがないともう暮らせなくなっています。スマホアプリがないと、タクシーも呼べないし、お店で注文も支払いもできない。そういう管理された社会に溶け込んでしまうと、本当に幸せに暮らせるようです。今回のコロナ禍でも、中国のほか、台湾とか韓国もスマホのアプリで健康チェックができたり、そういうことが感染拡大を防ぐのに役立ったと言われています。それは当然すばらしいことで、こういう災難を克服するときにはすごく役立つわけです。ただし、その反面、個人情報がすべて握られてしまうという危険が当然あるわけですが。中国は監視社会だとよく言われますし、それは事実だと思います。いまの中国社会はそれが完成形に近づいていて、実際に暮らしている人からは本当に便利な社会になっていると聞きます。

多くの人はそうして幸せに暮らしているけれど、その裏側に恐ろしさもある。日本もいまデジタル化を進めて同じような社会にしようとしていますが、それには恐ろしい面がある、ということもやはり考えないといけないでしょう。

習近平体制になってから登場した言葉に『正能量(ポジティブ・エネルギー)』というものがあります。ネットにネガティブな言葉を流通させるのではなく、ポジティブな言葉を流通させて、社会を肯定的に捉えるという雰囲気を保とうという意味です。中国の場合は、その「プラスのエネルギー」が国家の力を増大させるために整備されている。

4カ月ぶり上海で感染者、危機対応で見えた中国コロナ対策のすごみ20201126

「健康コードへの複数国の参加を望む」。中国の習近平国家主席は1121日に開かれたG20サミットでこう呼びかけた。新型コロナウイルスの流行を契機に開発された健康コードは、個人の移動履歴や健康状態報告など各種データベースから抽出した情報を基に、QRコードをスマホ画面上に表示する。感染の危険が高ければQRコードの色が赤、安全と思われる場合は緑といった具合に色分けされるため、一目で状態が判別できる。

国家が網羅的に個人情報を把握できる中国だからこそ、一気に普及させることができたデジタル管理の仕組みだ。自由と人権を重視する西側諸国が、その呼びかけに安易に応じることは考えにくい。

中国の202079月の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前年同期比4.9%増。他国に先駆けて回復していることが鮮明だ。

119日、上海市東部にある浦東国際空港で貨物の搬送作業に当たる50代男性の感染が確認されたというニュースが中国全土を駆け巡った。すぐさま男性が住む浦東新区祝橋鎮の営前村は封鎖され、住民が村の外に出られなくなった。感染した男性の家族や同僚など26人の濃厚接触者は、10日未明までにPCR検査を受け全員の陰性が確認された。中国は現在、感染が判明した人の濃厚接触者と、その濃厚接触者を隔離対象としている。

■「第3波」の今こそ再考 なぜ中国は感染拡大を抑制できているのか20201223

世界で最初に新型コロナ感染が確認された中国は、すでにその抑制に成功したと見られている。日本のみならず欧米諸国でも感染が拡大しているにもかかわらず、なぜ中国はそれを抑制できたのだろうか。理由はきわめて単純明快である。そもそもウイルス自身は動くことができない。それに感染した人が動くから、ウイルスの感染が拡大するのである。特効薬と完全なワクチンができていない現状において、新型コロナの感染を抑制するというのは、感染した人を探し出して厳格に隔離するしかない。

中国では、コロナの感染が発生してから、マスクの着用は義務化されている。ただし、手の消毒は徹底されていない。その代わりに、ほぼすべての成人の行動がスマホの専用アプリで追跡されている。たとえば、誰かがPCR検査で陽性と確認されたら、少なくとも、1週間以内にこの人と接触した人を割り出すことができる。当局は濃厚接触者を探し出して、強制的にPCR検査を受けさせる。もし感染クラスターが発生した場合、その地域全体がすぐに封鎖される。

民主主義の国では、人々の自由と基本的人権が憲法によって保障されている。政府はロックダウン(都市封鎖)など人々の行動を制限することが簡単にはできない。それに対して、中国は独裁政治であり、いかなる強制措置を取るときもその必要性さえ認められれば、法的な根拠は基本的に必要がない。これは、感染症に立ち向かう独裁政治の強みともいえる。

■中国、コロナ対策で「圧倒的成果」と自画自賛 WHO調査控え20201226

中国は新型ウイルスの感染拡大をおおむね抑え込んでおり、大国のうちで唯一、今年の経済成長率はプラスになると発表しているが、政府は、武漢で昨年12月に初めて新型ウイルスが確認された際に報告せず、ウイルスが世界中に拡散される事態を招いたとして国内外で批判を受けてきた。10人の専門家で構成されるWHO調査団は来年1月、武漢を訪問。新型ウイルスの動物起源と、動物からヒトへの感染について調査する。 調査団の専門家の一人は今週AFPに、調査の目的は「国や当局の犯人捜しではない」として、「今後同じような事態を防ぐため、起きたことを理解することにある」と述べた。

■武漢のコロナ感染者数、公式発表の10倍の可能性 中国調査20201230

新型コロナウイルスの感染拡大が最初に確認された中国中部・武漢(Wuhan)における同ウイルスへの感染者数が、公式発表の約10倍に上る可能性があることが、中国保健当局の調査で明らかになった。

中国疾病対策予防センター(CCDC)の調査報告書によると、武漢住民1100万人の約4.4%が、4月までに同ウイルスに対する抗体を保有していたという。これは4月までに感染者が約48万人いたことを示唆しており、これまでに公式発表されている累計感染者の5万人の約10となる。

国家衛生健康委員会(NHC)の30日の発表によると、国内の累計感染者数は87027人、死者数は4634人。同国では経済活動や国内の移動制限が解除されており、主要経済国の中で唯一、今年の経済成長率がプラスとなっている。

List    投稿者 dairinin | 2021-01-05 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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