2008-02-03

世界金融の半分以上が流入!? 〜 タックスヘイブンとは何か?【歴史編】

オオモリです。
先回もちょこっと触れましたが、今、「タックスヘイブン〜グローバル経済を動かす闇のシステム」という本を読んでます。
帯に書いてある内容がなかなか興味を引きます。
いわく、
「現在、世界金融の半分以上、海外投資の3分の1以上が流れ込み、そして世界総生産の2〜5%が資金洗浄されている」
そうです。
これが本当なら、ほってはおけませんね、タックスヘイブン。
何回かに分けて、この本を読んでの気付きなどをまとめてみたいと思います。
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タックスヘイブンとは?
直訳すると「租税回避地」。もっとはっきり言えば、脱税がおおっぴらにできる地域。
外国資本もしくは外貨獲得の為に、意図的に無税かそれに近い税率にして、多国籍企業などの資産を誘致している国や地域のことです。
現在、どこがそうかと言うと、
ヨーロッパではモナコ公国マン島
カリブ海地域のバミューダ諸島、バハマ、バージン諸島、ケイマン諸島、
中近東ではドバイ(アラブ首長国連邦)やバーレーン、
アジア地域の香港やマカオ、シンガポール
などが該当するようです。
OECD(経済協力開発機構)では、非協力的タックス・ヘイブン・リストの公表を行ない、規制を行なっています。改心した国・地域はこのリストから外されていくそうです。
タックスヘイブンの歴史
日向清人のビジネス英語雑記帳 さんにはこう書いてあります。

歴史的事情もあります。例えば旧英領のバルバドス(地図で見ると、南米のベネズエラの北に位置するカリブ海の小国です)などは、規制のないオフショア金融センターに自活の道を見いだしなさいよと旧宗主国のイギリスに勧められ、既にこの分野が政府の歳入の1/3にのぼっていますから、今さら、タックスヘイブンだからやめろと言うのはなんだという思いがあるのです。

なるほど、過去に植民地だった小国では、支配国の意志でタックスヘイブンをはじめた例は多そうですね。その構造上、税収は期待できないが、企業の登記料がコンスタントに入り、収入が安定するそうです。
では、そのおおもと=支配国ではどうだったのでしょうか?
「タックスヘイブン〜グローバル経済を動かす闇のシステム」から引用します。

タックスヘイブンの起源は、もちろん古代ギリシャやローマ帝国にまでさかのぼることができる。それは租税を逃れるための金融資産の隠匿である。
中世の金貸したちが発明した隠匿方法は、利子の支払いを認めていない宗教界のなかで利子を払わせるという、巧妙なものだった。
また、オランダやイギリスで行なわれており、フランスでは1673年にコルベールが模倣した「保税倉庫」を利用するやりかたも思い起こすことができる。これはある特定の場所には、商人が地方市場や全国市場向けの商品を顧客の手に実際に届けるまでには、税金を払わずに保管しておくことができる制度である。
そしてアメリカの財務大臣アレクサンドル・ハミルトンは、1791年、『マニュファクチャーについてのレポート』なるものを著し、産業の発展を支援するための公共政策を定義しているが、そのなかで税の優遇措置を提案することによって外国の投資家をひきつけるという政策を挙げている。

「租税を逃れるための金融資産の隠匿」これに集約されているのではないでしょうか?
「働いて得た収入の一部を所属する集団=国家の運営資金にするべく納入する」という税金の概念をないがしろにする資産の隠匿、
すなわち国家統合より己の儲けを優先するという邪心 の芽生えがタックスヘイブンの原型だと言えそうです。

List    投稿者 ohmori | 2008-02-03 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨2 Comments » 

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コメント2件

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