2008-03-01

多国籍企業はなんで多国籍なのか?

禅問答のようなタイトルですね。
というわけで、今日は多国籍企業について突っ込んでみたいと思います。
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いつもありがとうございます
多国籍企業とは、活動拠点を一国におかず複数の国に渡り世界的に活動している営利企業ですね。
初歩的な切り出しですみません
で、これを読んでる人がすぐに思い浮かべるであろう、石油メジャーや穀物メジャーはもちろん、日本の自動車メーカーや電機メーカーはすべてリストに入ってます。
というより、一定規模以上の企業はすべて多国籍化していると言っていいようです。
では、なんで彼らは複数の国で事業を行なうのか?
ビジネスチャンスを増やすため?(ベタですみません
しかし、これだけ多数の「多国籍企業」が国境を超えて商売すれば、すぐに市場飽和してしまうのでは?
う〜ん、どういうことだ???
ここを追究するために、多国籍企業をとりまく状況を押さえてみましょう。
「ほっとけない、世界のまずしさ」さんが、よくまとめられているので引用させていただきます。

多国籍企業といわれている大企業は、世界で6万社を超えてありますが、そのうち90%が先進国の企業です。
総売上は18兆5千億ドルで、世界の総生産のおおよそ半分を占め、最も規模の大きい100社の企業だけで4分の1を占めています(※1)。
それがどの程度の規模かと言えば、多くの多国籍企業の年間売上高は、一国のGDP(国内総生産)をはるかに超えるまでになっているのです。
例えば、従業員10万人ほどのエクソンモービル社の年間売上高は6,700万人の人口を抱えるトルコのGDPより大きく、ウォルマート社はオーストリアより大きく、ゼネラル・モータース社はペルーおよびアルジェリアよりも大きいのです。

わかりやすいですね。
これらの巨大規模の企業が、どのように成立=利潤を上げているのでしょう?

 さて、貿易と多国籍企業の関係に話を移しますと、世界の貿易の3分の1は多国籍企業の系列会社どうしの貿易です。つまり、松下電器(日本)は松下電器(中国)と貿易し、IBM(日本)はIBM(アメリカ)と貿易しているというように。これは本来の意味での貿易とは言い切れませんが、上記松下電器の例で言えば、日本と中国との貿易として統計上は処理されるのです(実際、税関を通しますので)。
 世界貿易のもう3分の1は、多国籍企業どうしの貿易となっています。例えば、松下電器(中国)とIBM(日本)というように。あとの3分の1だけが、その国にしかない企業とか国営企業が参加する本来の意味での国家間の貿易です(※2)。
 このように世界貿易の3分の2が多国籍企業によって担われているのです。

え。世界貿易ってこういうことになってるの?
おどろきです
じゃあ、この たらい回し のような貿易のメリットとは???

系列会社どうしの貿易とは、例えばM社のテレビを生産するのに、A国では液晶パネルだけを生産し、B国では電子回路だけを生産し、C国ではケースを生産し、そしてD国で最終組み立て行う、というように国をまたがって生産しようとするものです。
つまり、高度な技術を要する部門、中程度の技術を要する部門、技術より労働力を要する(労働集約)部門等々、その国の技術力、資源力、商慣習(関税率ほか)などを総合的に判断し、もっとも効率的に生産するために行うのです。

なるほど、「新興国に生産拠点を移しました」ってやつですね。
ものづくりを生業とする企業ではその過程ごとに最も適した条件の場所で事業を展開する、納得です。
しかし、調べていくと、どうもそれだけではないことが分かってきました。
ほかに効率化するやり方があるようなんです。
そのやりかたのひとつに「移転価格」というのがあります。
こちらに載っているように、関連企業間で利益を他国に移転させ、移転させた国の緩やかな税制などを活用しよう(つまり脱税しよう)というものです。
先進国においては、移転価格にかかる税制が整備されているようですが、実際には機能していないことが「タックスヘイブン〜グローバル経済を動かす闇のシステム」には書かれています。

つまり多国籍企業は、税金の高い国に設立した子会社に、高い価格を押し付けて、そこの国で上げた利益を削減しているのである。
・・・中略・・・
たとえば、チェコからアメリカに輸入されたプラスティックのバケツが1個/972.98ドルという天文学的な価格であるのをはじめ、中国からの化粧用手袋(袋状タオル)が1キロ/4121.81ドル、あるいはフランスからの差し錠が1キロ/3067.17ドルといった調子である。
その一方、アメリカのミサイル発射装置がイスラエルに1機52.03ドルという価格で輸出されており、
・・・中略・・・
「移転価格」によって、2001年のアメリカの税収は531億ドルの損失を被り、その損失額はますます増大している(1998年には357億ドルであった)と、この2人の研究者は推計している。

 
う〜む、そういうことだったのか。。。多国籍化は必須だな、こりゃ。
でも、これだけやりたい放題なら、ルールを作って規制するとかされるんじゃ?
という疑問に答えてくれたのが、再び「ほっとけない、世界のまずしさ」さんです。

世界の貿易ルールを決めるのが世界貿易機関(WTO)ですが、当然各国交渉の背後には自分たちに都合のよいルールを決めさせようとする多国籍企業の存在があります。
世界各国すべてのセクターの企業を代表しているといわれる国際商工会議所(ICC)、大西洋をはさむ地域の多国籍企業の150人ほどの社長を結集している大西洋ビジネス対話(TABD)などがグローバルな形での多国籍企業側の結集体で、これらがWTOに、そして米国やEUに大きな影響を与えています。
日本では日本経団連が日本の多国籍企業の結集体で、これも日本政府に大きな影響を与えています。
 

経団連、そうだったとは。。。
「市場は、云わば国家というモチに生えたカビ」
つまり、そういうことですね。

List    投稿者 ohmori | 2008-03-01 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨9 Comments » 

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コメント9件

 通りすがり人 | 2008.06.23 16:36

ジョゼフ・ドッジが来日したのは、第3次吉田内閣の時だと思います。
ドッジ氏と握手しているのが、当時の大蔵大臣池田勇人、後に首相となり、所得倍増計画を打ち上げる。
戦前、薩摩・海軍・外務省を拠点とした親米派の中心人物が、牧野伸顕と吉田茂。このラインは、昭和天皇の信任が厚かったといわれる。
大久保利通⇒牧野伸顕(利通の次男)⇒吉田茂(伸顕の娘婿)。
戦前、戦後直後の日米関係は、以下のサイトに詳しいです。
薩長因縁の昭和平成史(1) 園田義明さん記事
http://www.yorozubp.com/0609/060923.htm
萬晩報の06年コラムの上位シリーズ
http://www.yorozubp.com/060000.htm
萬晩報の04年コラムには、ビッグ・リンカー達の宴2−最新日本政財界地図のシリーズがあります。
http://www.yorozubp.com/040000.htm
例えば(5)は、ロックフェラー家と盛田家
http://www.yorozubp.com/0406/040625.htm

 goqu | 2008.06.23 21:27

>通りすがり人さん
コメントありがとうございます。
今後の展開の参考にさせていただきます★

 偶然、こちらを見つけました | 2008.06.23 22:41

戦後の処理の件で、未だに、秘密にされていることはある。それは、皇室財産と旧日本軍の隠し資産のことで、驚くなかれ、その総額は、現在の価格で1000兆円をはるかに超えるらしい。
それらは、プラチナ、ゴールド、銀、レアメタルとして、皇居の中とスイス銀行の金庫の中に厳重に保管されているらしい。
これらの資産の一部は米国政府と軍の高官たちの手に渡り、彼らは、その資産で、世界各国を支配しているという。詳しくは、最近、出版された、「天皇の金塊」という本、学習研究社版を読んでください。

 leonrosa | 2008.06.23 23:46

戦後、皇室隠し財産の話が、アンダーグランドで定期的に流れますね。
1000兆円の隠し財産って凄過ぎます。
一寸、金塊で数量換算してみました。
1000兆円は、約43万トンになります。
米国の公的保有金塊が、約8,000トン。IMFが、3,202トンですから、43万トンがどれ程凄いかが分かります。
戦前の皇室財産及び陸軍の蓄積で、本当に、金塊換算43万トンの隠し財産があるのでしょうか。
金の延べ棒(12.5Kg)だと、322万本。この金塊を保管するとなると、3,000平方メートルの大金庫に7メートルの高さに、延べ棒をびっしり積み込んいる。
やはり、謎のママですね。

 ななし | 2008.06.25 2:30

コメントを入力してください
ドッジと言えば、有名なドッジデフレですね。
そして池田勇人と言えば「貧乏人は麦を食え」と「高利貸しのせいで自殺者が相次ぐのも仕方がない」発言ですね。
もっとも当時の政界は今よりマトモで、この発言が元で辞任をしたんじゃ無かったかな?
当時も現在と同様緊縮財政によるデフレ不況でしたね。
後に所得倍増計画や例の日本人は優秀だからの発言の前は小泉・竹中も顔負けの人物だったようですw
それから皆さんご存じだと思いますが、連合国=米国の対日方針は終戦直後は二度と刃向かえないように1930年代の経済水準に抑え込むというものでした。
それが中国の赤化で180度変わった訳ですね。
いわゆる冷戦の激化によって反共の防波堤、西側のショーウインドウの役目を仰せつかった訳です。
そして冷戦構造が崩壊した今、米英の対日方針は再び日本の抑え込みに戻ったんじゃないでしょうか。
日本の相対的実力は高度成長期より遥かに高いですがこの体たらくです。
完全に信用創造機能が停止した状態ですね。
国内の資金は彼ら米英が握ったも同然ですし。

 goqu | 2008.06.25 22:02

>偶然こちらを見つけましたさん
>leonrosaさん
コメントありがとうございます。
これはM資金とはまた別の話なのでしょうか?
いずれにせよ、なかなか興味深いです。フムフム。
とはいえ、まずは金貸しが日本にもどのように関係していたかを構造的に解明することに注力したいと思います。

 goqu | 2008.06.25 22:17

>ななしさん
コメントありがとうございます。
政治と経済が激動する時代をできれば俯瞰できるようにしてきたいと思っています。

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