2015-05-08

米国覇権は終わっている① アジア投資銀行(AIIB)設立の意味

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日本のマスコミしか見ていないと、未だに米国が世界の覇権国家だと思わされてしまいますが、客観的に世界情勢を分析すれば、もう米国覇権は終わっています。背景には、ロックフェラーの敗北、ロスチャイルドの勝利ということがあり、金貸し分析の視点を踏まえて言えば、もはや世界の常識と言ってもいいでしょう。

おそらく、世界の中でも未だに米国に追従することしかできないのは日本ぐらいのものではないでしょうか。マスコミが伝えない事実という観点から、世界の覇権移行を示すトピックスをいくつか紹介します。

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●アジア投資銀行(AIIB)に参加しない日米は世界の少数派

>3月12日、全世界に衝撃が走った。英国はこの日、米国の制止を振り切り、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)への参加を表明したのだ。米国は、「もっとも緊密な同盟国」の「裏切り」に動揺した。しかし、それは「始まり」に過ぎなかった。
パワーシフト~欧州が米国を捨て、中国についた日(1)>より引用

>中国主導のアジア投資銀行(AIIB)についてすでに取り上げています。2015年4月16日現在、世界57ヶ国が参加表明しているようです。ここまで来ると、日米以外の主要国はすべて、日米と逆方向に向いていると観てよいでしょう。

>米国オバマ政権は、親中主義であるにもかかわらず、AIIBに参加しないのは、米議会の多数派を占める共和党の反対が強いため
>今の米国はアンチ米戦争屋のオバマ政権系勢力と米戦争屋勢力が厳しく対立していますが、今の日本は、米戦争屋の方に牛耳られていますので、AIIBに参加できないのです。
安倍首相も日本政府官僚も欧州寡頭勢力の動きを読めていない:2015年のビルダーバーグ会議にて、日本をG7から除外する決定がなされる予感あり>より引用

 

●結局アジア投資銀行(AIIB)を主導するのは欧州か?

欧州主要国の加入は、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)のように、西側のルールに則って運営すると厳しく要求する。したがって、中共の努力は水の泡となる。そもそも中共がAIIBを設立したのは、国際ルールに従いたくないからだ。計略は失敗し、損失を招くだろう。
世銀やIMFに対抗し肥大化するAIIB 中共の思惑はずれ、支配への努力は無駄に>より引用

 

●米国覇権の終焉⇒ドル基軸通貨体制からの転換

アジア投資銀行(AIIB)はなぜ中国主導なのでしょうか?背景には米国ドル暴落の危機があるわけですが、もはや秒読み段階に入ったと見るべきでしょう。世界情勢はドル基軸通貨体制からの離脱を加速させています。かねてから、欧州ユーロに加えて、北米アメロ、アラブ共通通貨、元やルーブルの台頭等、ドルに替わる通貨の構想がありましたが、ここへ来て、中国が主導権を握り始めたのは、アジアを世界経済の成長センターとする構想を具現化し、元を中心とする通貨体制を構築することを実行し始めたからだと思われます。

しかし、このまま中国の思惑どおりに中国主導で事が進むかというと、話はそう単純ではありません。欧州各国の参加の背景には、中国に設立させておきながら、その実は欧州ルールで干渉し、実質的な主導権を握ろうとする戦略があります。

果たして、中国が主導して行けるのか、それとも欧州が実質的な主導権を握るのかは予断を許しませんが、いずれにせよ、アジア投資銀行(AIIB)に世界各国が参加するのは、もう米国覇権は終わっていることを世界中が認識しているからだと見るべきです。もはや世界各国の関心は米国には向いておらず、BRICSに向いています。BRICSの中心として、中露は連携を強めており、中露が覇権の中心になって行くと予測されます。当然、そのパラダイムシフトを裏で画策し、主導権を握ろうとしているのは、ロスチャイルドです。

世界情勢をマクロに見るなら、もはや米国は張子の虎です。国家の栄枯盛衰の世界史が示すように、米国はやがて衰退し、たそがれて行く運命にあります。マクロな視点からの国家戦略を欠如させて、ひたすら米国追従を続ける日本は、まさしく井の中の蛙と言わざるを得ません。今こそ、客観的な状況認識に基づく国家戦略が必要です。

List    投稿者 yukitake | 2015-05-08 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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