トランプ大統領、外交政策でグローバリズムとの戦いの挽回なるか?
ロシアンゲート事件で、官僚から情報のリークが相次ぎ、グローバリズムとの戦いで窮地に立たされたトランプ大統領ですが、大統領就任後、初の外遊である中東、ヨーロッパ訪問で、アメリカ(トランプ大統領)の主張を臆することなく表明し、かなり頑張ったようです。ロシアンゲート事件の劣勢を挽回しようと必死だったと思われます。中東訪問、G7サミットなどで、トランプ大統領はどのような成果を上げたのでしょうか。
まず、中東ですが、サウジアラビアとはミサイル防衛システム12兆円の契約に加え、22兆円の対米投資計画を獲得。イスラム過激派掃討に向けてイスラムスンニ派諸国54か国の首脳級会合で演説し、イスラム排除からスンニ派諸国などと部分的に連携する方針に軌道修正しました。
次にNATOですが、各国に対して、防衛費をGDPの2%以上にすることを求め、各国が具体的な計画を策定し、進捗状況を毎年、報告することで合意しました。さらに、過激派組織ISに対する軍事作戦を行うアメリカ主導の有志連合にNATOが正式なメンバーとして参加することでも合意しました。
そしてG7ですが、首脳宣言に「保護主義と闘う」という文言は盛り込まれたものの、トランプ大統領はそれを逆手にとって、各国に対して、アメリカと同じ水準に関税を引き下げるよう要求しました。そして、「パリ協定」からの脱退検討も表明します。
明日には、トランプ大統領が「パリ協定」に関する方針を発表するようですが、この勢いだと脱退になる可能性が高そうです。
トランプ大統領は、ロシアンゲート問題で急激に落ち込んだ支持率を挽回するために、国内のマスコミと不毛な言い合いをするのではなく、外交でアメリカの主張を明確に示し、アメリカファーストを実現することで、支持率の回復を狙っているようです。
ロシアンゲート問題が盛り上がった結果、トランプ大統領が外交の場で反グローバリズム政策を推進しだしたとすれば、ロシアンゲート問題を煽っているマスコミの背後には、グローバリストではなく、反グローバリストがいるのかもしれません。ひょっとするとロシアが、アメリカとEUの対立をあおるために仕組んだのかもしれません。
■米がサウジに最新兵器供与、12兆円契約に署名2017年05月21日
サルマン国王と会談し、米国がサウジアラビアにミサイル防衛システムなどの最新兵器を供与する約1100億ドル(約12兆円)の大型契約に署名した。
サウジ政府は2000億ドル(約22兆円)の対米投資計画も発表する見通しだ。トランプ氏は記者団に「米国への巨大な投資だ。米国に何千億ドルもが投資される。雇用、雇用、雇用だ」と合意を歓迎した。
■トランプ氏、スンニ派諸国と対過激派共闘訴え2017年05月22日
サウジアラビアを訪問中のトランプ米大統領は21日、サウジなどイスラム教スンニ派諸国を中心とする54か国との首脳級会合「米アラブ・イスラム・サミット」で演説し、イスラム過激派掃討への「共闘」を訴えた。
昨年の大統領選ではイスラム排除を主張したが、テロ根絶に向け、スンニ派諸国などと部分的に連携する方針に軌道修正した。
■米大統領、イスラエル首相に対テロ連携呼びかけ2017年05月23日
トランプ氏は会談後の共同記者発表で、「テロの害悪を打ち破り、地域を脅かすイランに立ち向かわなければならない」と述べ、イスラエルに対し、イスラム過激派組織「イスラム国」とイスラム教シーア派の大国イランの脅威に対抗するための連携強化を呼びかけた。
■前CIA長官「ロシアとトランプ陣営接触の情報入手」2017年5月24日
CIA=中央情報局のトップを務めたブレナン前長官は23日、アメリカ議会下院の委員会が開いた公聴会で、「ロシアの政府当局者とトランプ陣営の関係者との接触を裏付ける情報を手にしていた」と証言しました。
ただブレナン前長官は、ロシアの政府当局者が接触したトランプ陣営の関係者などから実際に協力を得ることができたのかどうかについては、すでにCIAを退任したことを理由に「今も解明できない疑問として残っている」と述べるにとどまりました。
■トランプ大統領 ローマ法王と会談 去年の選挙であつれき2017年5月24日
法王とは、去年の選挙中にあつれきも生じましたが、会談後、トランプ大統領は「これまで以上に世界の平和を追い求める気持ちが強まった」とツイッターに投稿しました。
ホワイトハウスによりますと、両者は、どのようにしてテロを撲滅していくかについて話し合ったとしています。そして、過激派組織IS=イスラミックステートが支配する地域などで続く人道危機に対してどのように対処するかについても意見を交わしたとしています。
一方、ティラーソン国務長官によりますと、一連の会談では、地球温暖化問題についても話し合われたということですが、大統領と法王側の立場の隔たりは埋まらなかったもようです。
■入国制限の大統領令 連邦控訴裁も執行停止を支持2017年5月26日
アメリカのトランプ大統領が署名した、中東とアフリカの6か国の人の入国を制限する大統領令について、連邦地方裁判所が全米で執行の停止を命じる仮処分の決定を出したのに続き、高等裁判所にあたる連邦控訴裁判所も地方裁判所の決定を支持しました。トランプ政権は連邦最高裁判所まで争う姿勢を示しています。
■米大統領 NATO首脳会議で成果もEUと立場の違い鮮明2017年5月26日
NATOの首脳会議に初めて出席したトランプ大統領は、アメリカの防衛費の負担が大きすぎるのは不公平だとして強い不満を示し、各国に対して、防衛費をGDP=国内総生産の2%以上にするという目標を達成するよう強く求めました。その結果、防衛費引き上げに向けた具体的な計画を各国が策定し、進捗(しんちょく)状況を毎年、報告することで合意しました。
さらに、過激派組織IS=イスラミックステートに対する軍事作戦を行うアメリカ主導の有志連合にNATOが正式なメンバーとして参加することでも合意し、トランプ大統領は初めての会議で自分の主張に沿った成果を得ました。
■トランプ大統領の娘婿 ロシアに秘密の連絡ルート提案か2017年5月27日
アメリカの有力紙「ワシントン・ポスト」や「ニューヨーク・タイムズ」は26日、政府の当局者などの話として、現在ホワイトハウスの大統領上級顧問を務めるクシュナー氏が、トランプ政権発足前の去年12月、政権移行チームとロシアの間に秘密の連絡ルートの設置を、ロシアの駐米大使に提案していたと伝えました。
■G7サミット 移民・難民問題でも米と各国に隔たりか2017年5月27日
トランプ大統領は、ドイツやフランスが移民や難民の受け入れに寛容な姿勢をとっているのに対しアメリカでは中東などからの人の入国を制限する大統領令を出したことやメキシコとの国境沿いに壁の建設を計画していることを踏まえ、厳格な入国制限が必要だと主張したものと見られます。
■G7 トランプ政権との経済関係構築 課題に2017年5月28日
G7サミット=主要7か国首脳会議は、経済分野で最大の焦点となっていた貿易について首脳宣言に「保護主義と闘う」という文言を盛り込んでG7の協調を示しました。しかし討議の中で、トランプ大統領は各国に対して、アメリカと同じ水準に関税を引き下げるよう要求するなど、自国の利益を優先するアメリカ第一主義も鮮明にしました。
地球温暖化対策では、アメリカが国際的な新たな枠組み「パリ協定」からの脱退を検討する中、アメリカを除く6か国で、パリ協定を迅速に実施するとしてG7での結束を示すことはできませんでした。
■トランプ大統領 「リークの多くはメディアがねつ造」と投稿2017年5月29日
トランプ大統領は、去年のアメリカ大統領選挙のトランプ陣営の幹部や側近とロシアとの関係をめぐって相次ぐ疑惑報道について、「ホワイトハウスからのリークの多くは、にせのニュースを流すメディアがねつ造したうそだ」と訴えました。
さらに、「メディアがいう匿名の情報源というのは、記者が作り上げたもので、存在していない可能性がとても高い」として、多くが作り話だと主張し、強いいらだちを示しました。
■トランプ大統領 「独は防衛費への支出少ない」2017年5月30日
トランプ大統領は30日、ツイッターに「われわれはドイツとの間に極めて多額の貿易赤字を抱えている。一方で、ドイツはNATO=北大西洋条約機構や軍に対して行うべき支出を行っていない」と書き込み、ドイツを批判しました。そのうえで、「アメリカにとってとても悪いことだ。変えなければならない」と書き込み、現状を変更しなければならないと強調しました。
■海洋進出強める中国をけん制 米・ベトナム首脳会談2017年6月1日
トランプ政権がTPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱したあとも、経済協力を強化していくことを確認しました。また、北朝鮮の核や弾道ミサイル開発への懸念を示し、国連安保理の決議に基づき厳格に制裁を履行していくことをすべての関係国に促していくことで一致しました。
中国が海洋進出を強める南シナ海については、声明で「領有権を争う地域を軍事拠点化するなどの緊張を高める行動は抑制することが重要だ。アメリカは、国際法で認められているすべての場所で、今後も航行を続けていくとトランプ大統領は強調した
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