2019-07-26

反グローバリズムの潮流(イギリス首相選挙ボリス氏が勝利、安定よりわくわくする未来を選択?)

6bc18210イギリスのメイ首相の後任に、前の外相のボリス・ジョンソン氏が選ばれました。ジェレミー・ハント氏が4万6656票、ボリス・ジョンソン氏が9万2153票で大差の勝利です。離脱の進め方をめぐってはEUとの合意がまとまらなくても10月末の期限には離脱することも辞さない強硬な姿勢を打ち出しています。メイ首相が出来なかった離脱合意をボリス氏はどのように実現しようとしているのでしょうか。

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まず、ボリスさんがどんな人かですが、1964年6月生まれの55歳。出生地はアメリカのニューヨーク。父方の祖父はオスマン帝国のアリ・ケマル内相の子孫。母親の先祖はユダヤ系ロシア人だ。ボリス氏は自身の出自について多国籍(キリスト教徒、ユダヤ教徒、ムスリム)にわたる先祖に触れて「民族のるつぼから生まれた男」と自嘲的に語ったという。(Wikipediaによるとイギリス王の血を引くが庶子の子孫で王位継承権は無い)

名門イートン校を経てオックスフォード大学に入学。卒業後はデイリー・テレグラフ紙の記者を経て、週刊誌「スペクテイター」で編集長を務めた。(Wikipediaによると、大学卒業後、固い勤めになじめず転職を繰り返した時代もあった様子)

2001年からは下院議員を2期、2008年にはロンドン市長に就任しロンドンオリンピック成功の立役者となった。2016年6月の国民投票では、公式の離脱運動「Vote Leave(離脱に投票を)」の主導者として活動した。ボリスはジャーナリスト時代から欧州懐疑派の代表的な人物として知られるようになり、国民投票前、「EUの統合プロセスはナポレオン、ヒトラーなどが試みたものであり、それら全ては最終的には悲劇的な終わりを迎えた、EUはヒトラーと同じ目標を追求している。超大国だ」と述べている。

メイ政権のもとで外相を務めたが、去年夏、メイ首相が打ち出したEUとの協調を重視する離脱方針に反発して辞任。

この経歴を見る限り、みんなのことや社会の未来を考えてEUに反対していると言うよりも、人から指図されることが嫌いな性格で、権力にはともかく逆らうという性格からEUに反対しているような気もしますが、旧勢力とは距離を置いているようです。

肝心の、EU離脱の方針ですが、一言でいえば合意なき離脱などを人質に取った脅しです。

ボリスはブリュッセルから何らかの譲歩がない限り、離脱に伴う打ち切り金の支払いを拒否する意向さえ匂わせているだけに、ブリュッセルは対応で苦慮するかもしれない。

離脱の進め方をめぐってはEUとの合意がまとまらなくても10月末の期限には離脱することも辞さない強硬な姿勢を打ち出しています。

そのためには、政府の権限で(10月末に)議会を強制的に閉会する(議論をできなくする)ことも考慮していると伝えられています。

かなり、強引な人物ですが彼が選ばれた理由は、『どのような「転がり方」をするにせよ、「国民を納得させ、幸せにしてくれるのではないか?」と、そんな期待を持たせる政治家です。外野が何と言っても、保守党員は「希望」と「夢」を彼に託したのだと思います。』と報道されており、イギリス国民は経済的安定よりも、自分たちの手で、自分たちの未来を切り開く、わくわくするような未来を選択したと思われます。

 

■英保守党 新党首にボリス・ジョンソン氏 EU離脱に強硬姿勢2019年7月23日

イギリスのメイ首相の後任に、前の外相のボリス・ジョンソン氏が選ばれました。投票の結果が23日発表され、ジェレミー・ハント氏が4万6656票、ボリス・ジョンソン氏が9万2153票で大差をつけて新たな党首に選ばれました。

ジョンソン氏は55歳。ロンドン市長を経て、メイ政権のもとで外相を務めましたが、去年夏、メイ首相が打ち出したEUとの協調を重視する離脱方針に反発して辞任しました。離脱の進め方をめぐってはEUとの合意がまとまらなくても10月末の期限には離脱することも辞さない強硬な姿勢を打ち出しています。

アメリカのトランプ大統領はツイッターに即座に投稿し、「イギリスの新たな首相になるボリス・ジョンソンにおめでとう。すばらしい首相になるだろう!」と述べました。

フランスのマクロン大統領は「EU離脱に関わる交渉といったヨーロッパの問題だけでなく、イギリスとドイツと連携を密にしているイランなどの国際的な問題でできるだけ早く一緒に仕事をしたい」と述べて、ジョンソン氏と連携を深めていくことに意欲を示しました。

EUの委員長、フォンデアライエン氏は「多くの立場の異なる難しい問題を一緒に話し合う必要がある。われわれにはヨーロッパとイギリスの人々によい結果をもたらす義務があり、そのためにも確固たる協力関係を築くことが重要だ」と述べました。

■ボリス・ジョンソン氏はどんな人?イギリスの次期首相は、EU離脱の強硬派2019年7月24日

「イギリスのトランプ」とも評され、破天荒なキャラクターで知られるジョンソン氏は、どんな人物なのか。ジョンソン氏は、1964年6月生まれの55歳。出生地はアメリカのニューヨーク。家族とイギリスに戻ったのち、名門イートン校を経てオックスフォード大学に入学。卒業後はデイリー・テレグラフ紙の記者を経て、週刊誌「スペクテイター」で編集長を務めた。2001年からは下院議員を2期、2008年にはロンドン市長に就任しロンドンオリンピック成功の立役者となった。

外交では、ロシアへの強硬姿勢を支持。イギリスの元スパイのロシア人男性とその娘に神経剤が使用されたとする事件では、ロシア外交官の国外追放を発表した。

EU離脱の急先鋒。2016年6月の国民投票では、公式の離脱運動「Vote Leave(離脱に投票を)」の主導者として活動した。投票で勝利すると、離脱に不安を訴える国民に、「さらに安全で豊かな未来を保証するもの」だと語っていた。

外相時代の2018年、EUと協調しながら離脱を目指すメイ首相の方針に反発して辞任している。今回の首相就任にあたっては、期限となる10月末には離脱を辞さない強硬な姿勢を打ち出しており、離脱の進め方をEUとの合意ができなくても実行に移す考えだ。

■イギリス保守党は、なぜお騒がせ者を次の首相に選んだのか。2019年7月24日

ジョンソン氏は、協定案と一体化した巨額の清算金(EUへの供出金)の支払いを覆すと言っています。また、いわゆる「バックストップ」も取り除きたいと述べてきました。議会が合意する協定案をまとめなければ、時間切れ(10月31日)で否応なしに「合意なき離脱」になってしまいます。ジョンソン氏は、これも辞さないことを明言しています。そのためには、政府の権限で(10月末に)議会を強制的に閉会する(議論をできなくする)ことも考慮していると伝えられています。

ブレグジットの進展が遅くなることで、ジョンソン氏が総選挙に打って出る可能性は捨てきれません。また、「合意なき離脱」に突き進んだ場合、議会が内閣不信任決議を提出し、総選挙となる可能性もあります。イギリスの世論調査会社「YouGov」は7月16〜17日に、次の総選挙での投票先を調査した。結果は保守党25%、労働党21%、自由民主党20%、ブレグジット党19%、緑の党8%だった。

保守党の党首選(投票率:87.4%)では、ジョンソン氏は9万2153票、対立候補のジェレミー・ハント外相が4万6656票。ジョンソン氏が6割以上の票を獲得しました。しかし、保守党内は一枚岩ではありません。ハモンド財務相は、すでにジョンソン新政権には参加しないと明言しています。他にも現閣僚のうち、数人が新政権には入らないと表明。すでに辞任した人もいます。

労働党のコービン党首は、「イギリス全体の支持を得ているわけではない」と指摘しています。「合理なき離脱」について、「雇用削減、物価上昇、国民医療サービスがアメリカに売却されることにつながる」と批判。「イギリス国民が次の首相を総選挙で決めるべき」と訴えています。

ブレグジット強硬派である、ブレグジット党のファラージ党首は「ジョンソン氏が約束したように10月31日までに離脱するべき」「保守党の命運がこれにかかっている」とコメントしています。

国を一つにまとめ、ブレグジットを実現することが目標としつつ、自分には「活性化する(エネジャイズ)」の仕事もあると言っています。どのような「転がり方」をするにせよ、「国民を納得させ、幸せにしてくれるのではないか?」と、そんな期待を持たせる政治家です。外野が何と言っても、保守党員は「希望」と「夢」を彼に託したのだと思います。

■ボリス・ジョンソンで大丈夫か?2019年7月25日

ボリスは国民投票前、「EUの統合プロセスはナポレオン、ヒトラーなどが試みたものであり、それら全ては最終的には悲劇的な終わりを迎えた、EUはヒトラーと同じ目標を追求している。超大国だ」と述べている。

難問は、英国領の北アイルランドとEU加盟国のアイルランドとの国境問題に関するバックストップ(安全策)だ。ボリス氏はブリュッセルに強硬姿勢を見せてくるだろう。ボリスはブリュッセルから何らかの譲歩がない限り、離脱に伴う打ち切り金の支払いを拒否する意向さえ匂わせているだけに、ブリュッセルは対応で苦慮するかもしれない。

フォンデアライエン次期委員長は英国との離脱交渉の合意の見直しに応じる可能性を示唆しているが、EUの基本方針は明確だ。EUのミシェル・バルニエ主席交渉官は「ブリュッセルは英国と新たな交渉をする考えはない」と、はっきりと警告している。

ボリスの父方の祖父はオスマン帝国のアリ・ケマル内相の子孫だ。第一次世界大戦中、名前を母方のジョンソンに改名している。母親の先祖はユダヤ系ロシア人だ。ボリス氏は自身の出自について「民族のるつぼから生まれた男」と自嘲的に語ったという。

ボリスは英国をEUから離脱させた政治家としてその名を歴史に残すだろうか。それとも、英国を離脱させた後、英国をEUに再び加盟させた稀有な政治家として歴史に記されるだろうか。後者のシナリオは案外現実味がある。換言すれば、ボリスならばあり得るシナリオだということだ。

■EU、ジョンソン首相の要求を一蹴 離脱案修正に応じず2019年7年26月

EU側の首席交渉官であるミシェル・バルニエ氏はEU加盟国の大使に対して送付した電子メールで、ジョンソン首相の要求は「受け入れられない」と表明。同首相は有害な「合意なき離脱」の恐れを高めることで、EUを分断しようとしていると警告した。

また、ジャンクロード・ユンケル欧州委員長はジョンソン首相と電話会談を行い、EUは各加盟国の首脳から再交渉の権限を与えられていないと伝えた。

List    投稿者 dairinin | 2019-07-26 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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