2023-04-15
単独覇権構造から多極型覇権体制への移行~資源国優位の経済協定へ~
前記事(リンク) では各国の取引関係が移行期にあり、制覇力はどうなっていくのかという論点に突入してきた。
そのなかで中心にあたるテーマは、資源国とアメリカとの関係。
ウクライナ戦争もアメリカ側がきっかけをつくったのだが、世論ではロシアが国際関係の輪を乱しているように捉えている。また、アメリカは基軸通貨を守っていくためにも金利上昇を進めたりする(日本は円安になる)ほか、ロシアをドル決済圏(SWIFT)から追放していく動きも出てきた。
つまり、アメリカは主導権を渡さないためにロシアを孤立させようと躍起になっているのだ。
その一方でロシアも黙ってみているわけではない。
他方で、インフラ設備の中心を着々と進める中国は、(コスト高で儲からないのは知っているので)表立って単独覇権の一極支配をせず、裏で支配する「孫氏の兵法」で多極型覇権体制の基盤整備にとりかかっている。
そのため、ドルの代わりに元を基軸通貨に据え、元の市場価値をあげ、取引を増やしていくことで軍事同盟ではなく、(自国の軍事力・技術力・諜報力は前提に)国家間の経済協定体制を築き上げようとしている。
その結果として、非資源国の経済活動も国家の主体性を尊重するというスタンスのなか(逆についていけない国は淘汰され)、国々を安定させていく手法を固めているのだ。
このように中国は多極型覇権体制への移行を目指しているようにしか思えない。次回では多極型覇権体制の移行で日本はどう動き出すべきなのかをおっていく。
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