2008-01-18

金を基準とすると、ドル価格は、壊滅的な下落である

「基軸通貨について 金・基軸通貨体制の変遷・その2」で、ポンドからドルへの転換を扱う予定であったが、その歴史はネット上でも沢山あるので、一気に、現在への流れをおってみた。 
 
1.ブレトンウッズ体制によるドル通貨体制 
 
1944年のブレトンウッズ体制により、米国ドルを基軸通貨とする。
世界の保有金の大半を米国が保有していたので、金兌換に裏づけされた米国ドルを基軸通貨とした。 
 
米国ドルと金の兌換レートは、1トロイオンス=35米ドル。
そして、各国通貨はドルとの交換レートを固定する(例えば、1ドル=360円)。そして、各国通貨は、ドルを介して、金との兌換を擬似的に保証する。 
 
各国の外貨準備は、「米国ドルおよび金」とする運用。
各国は、国際取引の決済を米国ドルで実行する体制である。
また、IMF(国際通貨基金)を設立し、各国が外貨不足に陥った時は、IMFを介して、外貨貸付(ドル貸付)を行うこととした。 
 
この体制では、世界中の誰でもが、米国ドルをもっていけば、米国連邦銀行で、金に兌換できたのである。<金を重視する国は、外貨準備の金比率を高くしていった。> 
 
2.米国の貿易赤字によるドル流出・金兌換圧力の上昇 
 
米国は、ベトナム戦争等により、大幅な貿易赤字、経常収支赤字に陥り、海外保有ドル(海外居住者の保有ドル)が加速度的に増加した。
海外居住者の保有ドルの一部は、ドルを信用せず、金との兌換要求を強め、米国保有金が2割、3割と海外に流失していった。
フランスのドゴール大統領は、公然と金選好を表明し、金兌換要求を行った。 
 
3.1971年、ニクソン・ショック(ドルの金兌換停止) 
 
世界中からの金兌換要求により、米国保有の金が底をつく危機となり、1971年、米国は一方的にドルの金兌換を停止する。 
 
米国の金保有高は、1955年の世界シェア58%が15年後の70年には27%へ半減した。もはやドルの金との交換を約束できなくなった米国は1971年8月15日、金・ドル交換停止を含む新経済政策を発表した。世に言うニクソン・ショックである。 
 
4.スミソニアン合意 
 
71年12月18日、ワシントンのスミソニアン博物館で開かれた先進10カ国蔵相会議においてドルの対金平価の切下げ(35ドル→38ドル)、円の16.88%,西ドイツ・マルクの13.58%の対ドルレート切上げを含む多国間通貨調整が成立した。このとにより、8月のアメリカの新経済政策に端を発した通貨危機は一応の解決をみた。 
 
これ以降、各国通貨は、ドルを中心とした交換レートを定めることとなるが、この交換レートは、常に変動リスクにさらされることとなる。 
 
一方、金兌換は停止したままであり、世界中の通貨が、ドルを介した金兌換が不可能となり、ペーパーマネーとなってしまったのである。 
 
世界の通貨体制が、金本位制(金兌換制)を放棄したのである。 
 
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5.金本位の視点からみると、米国ドルは壊滅的に下落 
 
世界中の通貨が、金兌換を停止し、通貨間の交換レートを変動させるシステムがその後40年近く続く。
各国通貨は、現在でも、「円−ドル」為替レート、「ドル−ユーロ」レート、「ドル−人民元」レートというように扱われ、あたかもドルが中心に位置している印象を与える。
そして、ドルの下落は、例えば、「ユーロに対して○○%下落した」という相対的な言い方に止まっている。 
 
ドル価値の下落を、もっとスッキリと示すことができるのが、金と米国ドルとの関係推移である。 
 
ロンドンの金価格取引における、金価格(平均)の推移をおってみる。そして、金価格の逆数(1000ドルでどれだけの金が買えるかの指標)を同時に表示してあります。 
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逆数(1000ドルで買える金)は、以下のように、推移した。
ブレトンウッズ体制時 : 35ドル=1オンス → 1000ドルで買える金は、28.57オンス
スミソニアン合意    : 38ドル=1オンス → 1000ドルで買える金は、26.32オンス 
 
それが、第一次オイルショックの1973年には、10.29オンスでしかなくなる。
(ドル価格は、スミソニアン合意の4割にまで下落。) 
 
第二次オイルショックの1980年では、1.63オンスとなる。(ドル価格は、スミソニアン合意に対し、6%でしかない。) 
 
1980年代、1990年代は、ややドル価格が上昇し、2001年には、1000ドルで3.69オンスの金が買える水準に戻る。 
 
しかし、2002年から、またもやドル価格の下落が始まり、1000ドルで買える金の量は、2007年で1.66オンス、2008年初頭(1月17日)では、1.44オンスでしかなくなった。 
 
逆数推移をみると、世界中で、ドル不信、ドル離れが起こっている必然が理解できます。

List    投稿者 leonrosa | 2008-01-18 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨8 Comments » 

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コメント8件

 30代会社員 | 2008.05.10 14:10

米サブプライムローンが破綻した後は、ロシアに飛び火。
なるほど。

 unkei | 2008.05.15 21:50

コメントありがとうございました。
ルーブルはドルに替わる新基軸通貨になりうるか?
国家統制民主主義における消費拡大のゆくえは?
メドベージェフ新体制での国際金融力増大とプーチンの思惑と不安?・・・などなど
ロシアは今色んな意味において興味満載です。また面白い記事がありましたら紹介したいと思います。
是非、また感想をお聞かせください。

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