道徳と民族を破壊する4人の洗脳者 新自由主義の嘘
金貸しの思想がいかに狂っているか、「世界を操る支配者の正体」(馬渕睦夫著、講談社)より紹介します。著者は道徳と民族を破壊する4人の洗脳者を挙げていますが、先ず、その前段として、マネタリズムを推進してきた中心人物を紹介し、新自由主義の嘘について考えてみます。
●ボルカーは正しかったか
>アメリカでは80年代になっていわゆる新自由主義と呼ばれる経済政策がとられるようになりました。
>この新自由主義経済政策の理論的支柱になったのは、フリードリッヒ・ハイエク(1899年~1992年)でした。
>ハイエクの主張を一言で言えば、「経済への国家の介入は有害であり、市場を信頼すべきである。経済活動を市場に任せれば、自由と秩序が形成される」というものです。>ハイエクの後を継いだのがシカゴ大学のミルトン・フリードマン(1912年~2006年)で、政府の行動を縛ること、自由な個人の活動を保障することによって、素晴らしい未来が約束されると強調しました。
>フリードマンの学説はマネタリズムと呼ばれていますが、マネタリズムとは要するに経済の自由化のことなのです。>アメリカの中央銀行たる連邦準備銀行(FRB)は(中略)ロンドンのシティやウォール街の国際銀行家が株主である民間の中央銀行です。通貨供給に関し、アメリカ政府は何の権限も持っていないのです。
>アメリカ政府が経済活動を市場に任せるということは、政府が通貨問題に一切介入しなにということを確認することでもあったわけです。
>ここにフリードマンのマネタリズムと新自由主義経済政策が結びつくのです。>以後アメリカではシカゴ学派の主張通りの政策が行われるようになりました。注目すべきは1979年から1987年の期間、FRB議長を務めたポール・ボルカーです。
>ボルカーの後任になるアラン・グリーンスパン(1926年~)は、(中略)ロナルド・レーガン大統領(1911年~2004年)にFRBの決定に干渉しないように忠告したことを明らかにしています。
●新自由主義は貧富の格差を拡大する
>ボルカー議長の政策はフリードマンの学説通り、通過供給量の調整に重点を置くことでした。
>レーガノミックスは、通貨供給量による経済コントロールを実践しやすくするため、経済活動に対する政府の規制を可能な限り撤廃して、市場の調整に経済運営を任せる狙いを持ったものでした。
>負の側面があったにもかかわらず、政府の経済活動に対する規制は悪いことだという刷り込みがはじまりました。(中略)その結果何が起こったか、貧富の格差が拡大したことを私たちは記憶しています。>私益を追求している人たちが支配している市場で、経済の効率的運営や、資源の最適配分ができるはずがありません。現在の私たちは、市場という言葉の魔力に無感覚になっています。膨大な大衆が無感覚になっているからこそ、市場経済を通じて貧富の格差が拡大したのです。
<「世界を操る支配者の正体」(馬渕睦夫著、講談社)より引用>
●新自由主義の嘘
筆者は新自由主義の嘘について、鋭い問題点を指摘しています。私益を追求している私人に、経済全体の配慮ができるわけがない。新自由主義=マネタリズムという名のもとに、市場を支配する金貸し=私人の好きなようにさせればさせるほど、金貸しの私益が優先され、貧富の格差が拡大するというわけです。新自由主義は、あたかも経済全体に恩恵があるかのように人々を騙し、その実は、金貸しの私益追求を正当化するための理論でしかありません。
この構造は、現在のアメリカ経済、そしてアメリカの言いなりになっている日本経済に、そっくりそのまま当てはまります。政府が宣伝しているアベノミクスも、経済理論的には新自由主義=マネタリズムを根拠にしたものであり、その結果、貧富の格差拡大と社会秩序崩壊の危機が進行中です。
自分の私益追求しか考えない連中が社会を支配してしまえば、この社会は崩壊してしまいます。我々庶民は、金貸し及びその手下である官僚、マスコミ、御用学者の嘘に騙されないよう、その正当化理論の本質を見抜いておく必要があります。
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