英国のEU離脱の背景には金貸しの支配力低下がある
6月23日、英国のEU離脱が可決された。背景には、EU加盟国間での経済格差の拡大、貧困国からの移民の流入等に対する反発があると言われているが、金貸し分析の観点から、この問題を掘り下げたい。
大きく見れば、金貸しの支配力が低下している表れなのではないだろうか?
>これはEUが空中分解をしていく過程の最初のドミノに過ぎない。既に、オランダやハンガリー、フランス、ギリシャ …などの国々でも 「EU離脱」 に向けた猛烈な呼び掛けが始まっている。
>EUが空中分解するということは、これまで国際ハザールマフィア(金貸し)らが管理してきた欧米経済圏の倒産、ひいては彼ら自身の失脚を意味している
>そもそも、このような事態に陥ったのはハザールマフィア(金貸し)らが管理する欧米経済圏が、アジア諸国などに対して「債務の不払い」を長期的に続けてきたことが原因である。ロスチャイルド一族の人間によると、ヨーロッパ最大の投資銀行を営むドイツ銀行(Deutsche Bank)も既に中国資本の手に渡った模様だ。近い将来、欧米の他の大手銀行もそうせざるを得なくなるという。そのため、この事態をめぐってロスチャイルド一族の中でも大分裂が生じていると情報源らは伝えている。
<イギリスの離脱で始まるEUの空中分解①>より引用>最近の英国国民によるブロックを離れる投票を含む欧州連合における目下のトラブルの本当の理由は、欧州連合が破産していることである。
>我々は英国が欧州連合における崩壊の最初のドミノであることを予測できる。
国防総省アナリストが解説するように、新しく興った一致した見解は「フランス離脱、銀行崩壊、ポピュリズム、国家主義と反グローバル主義につながる可能性がある」
<イギリスの離脱で始まるEUの空中分解③~フルフォードレポートより1~>より引用>中露連合が今世界政治を動かしている。英の国民投票に与えた影響も間違いなくある。今やEUも米欧同盟も世界政治において絶対的ではない。中露連合の台頭がこれらを相対化した事で、英国民初め各国国民への経済権力の支配力が落ちた。各国民は蓄積した憤懣のエネルギーを爆発させる事が可能になった。
>前駐露米大使は今回の国民投票の結果をプーチンの勝利と言った。全くその通りである。
<英EU離脱は、トランプとプーチンの勝利である! >より引用
英国のEU離脱の背景は、直接的には国家主義と反グローバル主義につながる英国国民の意識潮流があると思われるが、その背景には、金貸しが推し進めてきたグローバリズムの行き詰まりがある。
欧州連合は破産しており、今後ドミノ倒し的にEU離脱が進んでいくと予想されているが、そもそも豊かさが実現された先進国では市場拡大の余地はほとんどない。それを無理矢理に拡大させようとして域内の経済を自由化させたのがEUだったわけだが、物的な市場はほぼ飽和しているので、金融市場を拡大させる他ない。国家に金を貸して金融市場を拡大させるのが金貸しの戦略だが、EU域内の相対的に貧しい国は借金を返せる力はなく、自ずと英国やドイツ等の相対的に豊かな国が借金の穴埋めをしてあげなくてはならない。豊かな国も借金が帰ってこなければ、いずれ破産するしかない。グローバリズムは永続しない。それが英国国民の不満という形で噴出してきた。
欧米に代わって、中露が台頭してきた背景には、経済権力を握ってきた金貸しの支配力低下があり、その反面での自国の利益優先の国家主義への回帰の潮流がある。英国のEU離脱はプーチンの勝利であるという意味は、プーチンの方がそのような世界情勢の構造変化の可能性に乗っているということであろう。
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