2022-10-06

ロシアの「対世界」戦争 ~資源・経済・認識闘争~

ウクライナ開戦から半年が過ぎ、膠着状態が続くのかと思ったら
9月中旬のウクライナの攻勢?とロシアの動きから状況が大きく変わってきた。

同時にロシアから世界のアメリカ従属国へ向けての強いメッセージが繰り返し発せられている。

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●プーチンの演説
9月21日
・予備役の部分動員、戦争格上げ。
・ロシアが脅威にさらされる場合、すべての手段を利用すると宣言(すべての手段とは?)。
9月30日
・ウクライナ南部4州の一方的な併合を宣言。

●ロシアの陽動作戦?
ロシアの部分撤退、そこへウクライナの進撃・攻勢と見えるような情勢が作り出され、その上での上記プーチンの宣言。
・欧州は、冬が来る前に和解の道を探っていた。
・しかしロシアは(追い詰められたと見せながら)、戦争へ格上げ、併合も強行。
欧米マスコミの報道に任せて、ウクライナ優勢情報を拡散、かつロシア敵視をさらに強化して、和解の道を塞いでいる。

●ロシアの狙い
以下の発言が分かりやすい
>親露的なセルビアのブチッチ大統領が
「われわれ(ロシアやセルビア)は特殊作戦の時期を終え、もっと大きな戦争の
構図の中に入りつつある」と国連総会で述べている。
→狙いは、和解の空気を封じて、世界的な戦争・対立構造(敵はNATO・欧米)を明確にする。そしてまず、ロシアの首元にある欧州を落とし、数年かけて?ロシア側・新勢力に組み替える。
※6月のサンクトペテルブルグ経済フォーラムと第14回BRICSサミット・・・ロシア主導の新経済圏を構築中。リンク

●周辺状況
・資源価格は暴落、ウクライナ侵攻前のレベルに下がったと思ったら、また上がってきた。CRBコモディティ指数
・ガスパイプライン、ノルドストリームへのテロ攻撃(これは米ネオコン)。
・ロシアが英国経由で金塊(5.7トン)をスイスへ運んだという情報(何のため?)。
・中国は、ドル・米国債の売却スピードを上げ始めている。ドル暴落が早まるか?
・イギリスの国債市場下落・英ポンド危機・・・金融市場の破綻開始。

●ロシアの世界戦争
・第一段階は、中東囲い込み・エネルギー価格上昇 →西側のインフレ。
・これからの第二段階は、インフレと利上げから、欧米のバブル崩壊→自滅へ。
これから本格的にバブル崩壊と金融危機が始まる。英ポンドから始まり、ドル基軸の裾野から崩されている。これからバブル崩壊・金融危機に向かうのは確実。
※孫子の兵法のような、ウクライナという局地戦だけで(あまり戦わずに)、世界戦争をやっているような感じ。西側マスコミの虚実報道織り交ぜながら、確実に金融危機・西側の崩壊とロシア側の新経済圏構築に進んでいる。

●ロシアの認識闘争
ロシアは日本に対しても覚醒を呼び掛けている。
>アメリカは世界で唯一、核兵器を2回使用し、日本の広島と長崎を壊滅させた国である。
>今日に至るまで、ドイツ、日本、大韓民国などを占領し、対等な同盟国だと皮肉っている。
>ロシアは日米共同訓練を自国の安全保障上の脅威とみなし、日本側に責任をもって取り組むよう求めた=露外務省

これらの動きは、金貸し支配打倒・新経済圏創出の一本の意図上にある。しかし、金貸しと欧米の反撃・中国の勢力と思惑、インド等の非同盟諸国の考え、それぞれが相まって流動的・複雑系な動きになってきているようにも見える。中銀やBISなど金貸しの力の源泉を探りつつ、この動きを解いていく。

by タロウ

List    投稿者 inoue-hi | 2022-10-06 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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