2019-08-08

反グローバリズムの潮流(ドイツのメルケル政権は、年内にも崩壊か)

img_0b168b4ee0f73fd2678f9cb171a5ffb397008ドイツのメルケル政権は、連立政権を組むSPD党首が辞任し、崩壊の危機がうわさされていましたが、まだ何とか持っているようです。どんな状況なのか調べてみました。

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まず、連立を組んでいるSPDですが、6月3日に党首が辞任して以降、党首は不在となっており、今年の10月に行われる党員投票で党首が選出されます。ここで連立に反対する人物が選ばれると、政権は崩壊する可能性が高くなります。正式に選出されるのは12月だそうですから年内にはメルケル政権が崩壊する可能性もあります。

それ以前に、メルケル政権は崩壊する可能性があります。一つ目が健康問題、メルケル首相は6月に3度も痙攣の発作を起こしており、健康問題が指摘されています。

二つ目がドイツ経済の状況。ドイツ企業の景況見通しは過去10年で最悪に落ち込んでおり、ドイツ連邦銀行(中央銀行)は4-6月(第2四半期)の経済成長が恐らくマイナスだったと予測しています。さらにヨーロッパ最大のドイツ銀行は負債総額260兆円とも言われ、破綻の危機に瀕しています。ドイツ銀行の経営破たんが、メルケル政権崩壊の引き金を引く可能性もあります。

EU委員長にドイツ人でメルケルの後継者の一人である、フォン・デア・ライエンが選ばれ、EUではメルケルの力も残っているのかと思っていましたが、これも、メルケルが推薦していた候補は拒否され、フランスのマクロン大統領が推薦した候補が選ばれたのです。EUでもメルケル首相の影響は大きく低下しており、年内に政権崩壊する可能性が高そうです。

 

■独社民党の党首 2人体制を採用 10月党員投票2019年6月25日

ドイツのメルケル大連立政権を支える中道左派、社会民主党(SPD)は二十四日、辞任したナーレス前党首の後任を選ぶ党首選の概要を発表した。男女による二人党首制を採用し、十月に約四十万人の党員投票を実施する。大連立継続の是非が最大の争点となる。十月二十六日に結果を発表。過半数を得る候補がいなければ、決選投票を行う。新党首は党員投票の結果を踏まえ、十二月の党大会で正式に選出される。

SPDは二〇一七年の総選挙で大敗後に再び大連立を組んだが、党勢は低迷し続けており、党内では離脱を求める声がくすぶる。新党首に離脱派が選ばれ、仮にSPDが離脱すれば、メルケル政権の崩壊につながる可能性もある。

■ドイツ大政党を揺るがすユーチューバーの乱2019年7月5日

長年ドイツ政界を支配してきた中道右派のCDUは、特に若い有権者の間で支持の低下が目立つ。レゾの動画は同党のコミュニケーション能力の低さを浮き彫りにした。動画では3つのポイントを挙げてCDU糾弾する。まず、CDUの政策は所得格差の拡大と社会的流動性の減少の原因になっていると、レゾは主張する。第2に、ドイツ南西部のラムシュタイン空軍基地を中東での戦争の中継地にするアメリカに抵抗しなかったCDUと、連立を組む中道左派の社会民主党(SPD)は、どちらも戦争犯罪の共犯だと非難する。そして何より、保守的で無能で腐敗した政治が地球温暖化対策の障害になっているという第3の主張だ。

アンネグレート・クランプカレンバウアー党首は投票日後にツイッターで、選挙期間中はネット上で強い影響力を持つ人物の言論に一定のルールを導入すべきだと示唆した。この声明は嘲笑の的になった。保守派の政治誌キケロの編集者は、CDU指導部はレゾがネット広告大手のシュトレアー・グループと提携している事実に言及するだけでよかったと指摘する。

■独CDUで首相交代前倒し議論が活発化、メルケル氏の健康不安で2019年7月12日

ドイツのメルケル首相(64)が公の場で体を震わせる症状にたびたび見舞われたことを受け、与党CDU内では同氏が計画する2021年の首相交代を前倒しすべきかどうかを巡る議論が活発化している。

2005年から首相を務めるメルケル氏は、21年までの現任期終了後に再選を目指さない意向を表明しており、昨年12月には、CDU党首の座をクランプカレンバウアー氏に譲り、同氏が次期首相の有力候補と目されている。

関係者らによると、メルケル、クランプカレンバウアー両氏とも、首相交代の計画変更を望んでいない。メルケル氏が早期に退任した場合、総選挙につながる見通しだが、21年の首相交代に伴う実際のリスクは、社会民主党(SPD)が連立政権から外れる可能性のみという。

■メルケル首相の震え、ドイツ人の6割は「個人の問題」と認識 世論調査2019年7月14日

メルケル氏は体が小刻みに震える症状を直近の1か月間に3回、公の場で発症しているが、独紙アウグスブルガー・アルゲマイネが13日に掲載した世論調査結果によると、これについて59%が「メルケル氏個人の問題」と回答。「公共の利益に関わる問題」との回答は34%だった。

この1か月間に全身が震える発作に3度も見舞われながらも、メルケル氏は健康状態は「非常に良い」と主張。ドイツ首相を務めて14年になるメルケル氏は、17日に65歳の誕生日を迎える。

■メルケル独首相「21年まで任務全う」、健康不安説を否定2019年7月20日

ドイツのメルケル首相は19日、新たに国防相に就任し、次期首相の最有力候補であるクランプカレンバウアー氏を支持した上で、2021年までの任期を全うすることができる状態だと主張した。メルケル首相はここ数週間、公の場で身体が震える発作を幾度か起こしており、健康不安説が広がっている。メルケル氏は体調は良好と主張している。

昨年発足したCDUとドイツ社会民主党(SPD)との大連立政権は、幾度と崩壊の危機に直面している。党勢低迷でSPDのナーレス前党首は辞任。メルケル氏は、SPDの暫定トップと「非常に信頼性のある」関係を持っていると述べ、政権崩壊への不安を和らげるような発言をした。

■「EU委員長」決定で見えた「メルケル敗北」と「マクロン勝利」2019年7月22日

7月2日の欧州理事会で、EU加盟国首脳が委員長候補としてフォン・デア・ライエンを指名したことは、欧州の政界、言論界にとって青天の霹靂だった。このダークホースの突然の推挙は、EUでドイツが主導権を握る時代が過ぎ去り、マクロンの影響力が急拡大したことをはっきりと示した。メルケルは首脳会議の席上、自分が推していた候補マンフレート・ヴェーバー(CSU)を、居並ぶ各国首脳の前でみじめにも拒絶された。

交渉が紛糾する中、7月2日にEU加盟国の首脳は、筆頭候補ではなかったフォン・デア・ライエン国防大臣を委員長候補として欧州議会に推薦することで合意。しかも欧州理事会の席上でフォン・デア・ライエンを推挙したのは、マクロンだった。

マクロンが筆頭候補モデルを事実上破壊したことに、ドイツ国内でSPDが強く抗議したため、メルケルがフォン・デア・ライエン指名に関する欧州理事会での採決で棄権するという異常な事態となった。

さらにマクロンはもう1つの大きな「果実」を手にした。彼はEU委員長の座をドイツ人に与えることの引き換えとして、欧州中央銀行(ECB)の総裁にフランス人を据えることに成功した。

■“欧州最強”ドイツ銀行、苦肉のリストラ 破綻すれば「リーマン・ショック」以上の衝撃2019年7月22日

「欧州最強銀行」と呼ばれ、来年創立150周年を迎えるドイツ銀行が危機に瀕している。7日には世界規模で投資銀行業務からほぼ撤退し、グループ全体で1万8000人を削減すると発表した。総資産額で世界15位のドイツ銀行だが、急激な拡大は歪みを生んだ。

16年にアメリカで住宅ローン担保証券の不正販売で72億ドルの罰金を科され、昨年にはマネーロンダリングへ関与した疑惑が浮上し、信用が失墜した。「人件費が高い投資銀行部門の経費率は95%にも達している」という。直近4年間のうち3年が赤字で、株価は20年前の10分の1に沈んでいる。

ドイツ銀行の負債総額は260兆円とも言われています。破綻したら、08年のリーマン・ショック以上の衝撃が世界経済を襲う」という最悪のシナリオも囁かれている。

■ドイツIfo期待指数、7月は10年ぶり低水準-深刻な製造業不振2019年7月25日

ドイツ企業の景況見通しは過去10年で最悪に落ち込んだ。欧州最大の経済大国であるドイツがリセッション(景気後退)に近づきつつあるとの恐れは一段と高まっている。

通商対立が輸出の重しとなっているほか、自動車メーカーが業界を取り巻く変革の波への対応に苦戦するなど、ドイツ製造業の厳しさは増すばかりだ。さらに水運の要であるライン川の水位が危険なほど低下。国内主力企業の一部はすでに業績予想の下方修正を発表した。ドイツ連邦銀行(中央銀行)は4-6月(第2四半期)の経済成長が恐らくマイナスだったと予測している。

■ドイツ、債務抑制やめ投資拡大すべき=有力エコノミスト2019年8月6日

ドイツの借り入れコストが過去最低となる中、同国の公的債務を抑制する財政規律はばかげており、国益を損ねると有力エコノミスト2人が5日、指摘した。メルケル首相率いる連立政権に対し、新たな債務を抑制する公約の再考を求める圧力が強まりそうだ。

フラッシャー氏は「債務抑制はばかげており、ドイツに害を及ぼしている」と指摘。「厳しい経済状況の中、連邦政府に黒字を維持することを義務付け、経済安定化や雇用維持に向けた投資拡大を阻んでいる」と述べた。

List    投稿者 dairinin | 2019-08-08 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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