2018-11-08

反グローバリズムの潮流(米中間選挙の結果、トランプ大統領が予想以上に善戦)

img_ae922ad0739d826e118086d33dc2a30489776トランプ大統領に対する信任投票と位置付けられ、注目を集めたアメリカの中間選挙でしたが、結果として上院は共和党が勝利、下院は民主党が勝利と言う結果に終わりました。トランプ大統領は勝ったのか、負けたのか。どんな分析がされているか調べてみました。

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まず、民意はどうだったのかと言う点ですが、国民の投票数に比較的近いのが下院の議席数で、これは共和党が47%、民主党が53%で民主党が若干上回りました。しかし、あれだけマスコミがトランプ批判を繰り広げ、投票率も過去最高と言われる中で、民主党と僅差の戦いをしたと言う面では、予想以上に善戦したと言えます。トランプは予想以上に強かった。

また、過去の大統領との比較では、歴代大統領が中間選挙では得票を落としており、具体的な数字は分かりませんが、かなり好成績だと評価されています。

実際の大統領権限に対する影響と言う意味では、下院には法案・予算承認権があり、この部分はトランプ大統領が苦労しそうですが、人事や貿易協定の承認権は上院にあり、外交は大統領の専権事項ですので、権力はトランプ大統領の方が優位です。

ロシアゲート疑惑は、下院に「弾劾の訴追」を行う権限はあるものの、罷免するには上院の3分の2以上の賛成が必要で、実質上不可能です。

そして、次の大統領選挙ですが、10年ごとに行われる選挙区の区割りを決める権限を持っている、州知事選は共和党が民主党を超える議席を確保し、トランプ氏再選の可能性が高まったようです。

結論から言うと、今回の中間選挙は、マスコミの批判は一方的で、国民の半数近くがトランプ大統領を支持しているという事実を浮き彫りにしたと思われます。

 

■中間選挙

アメリカ大統領選挙の中間の年、4年に一度実施される上下両院議員の選挙。定数435名の下院は日本の衆議院に近く、「国民の代表」と言われる。議席は各州の人口比によって割り当てられ、その数は10年ごとの国勢調査の結果によって見直されるが、人口の少ない州でも1名は配分される。

定数100名の上院は、任期が6年で、2年ごとに3分の1ずつ改選される。上院は「州の代表」と言われるように、50の州から2名ずつ選出される。

■民主が下院過半数 米中間選挙、上院は共和多数派トランプ政権に打撃 4年ぶり「ねじれ議会」に2018年11月7日

複数の米メディアによると、米東部時間7日午前8時半(日本時間同日午後10時半)時点で下院の当選確実は共和が199、民主が222。民主が過半数の218を上回った。上院での当選確実は共和が9、民主が22。非改選議席とあわせると、共和51、民主が45。

■米中間選挙はトランプの事実上の勝利 大統領再選の可能性が現実味を帯びた2018年11月7日

マスコミは一斉に、民主党が8年ぶりに下院を奪還し、議会の勢力図が塗り替えられたことに注目。一方のトランプ大統領は、ツイッターで「今宵は、すばらしい成功だった。みんなありがとう!」と投稿した。トランプ氏の選挙戦略は、最初から「上院と州知事の重視」で、下院はあまり重視していなかった。

上院にあって下院にはない権限に注目すれば、その理由が分かる。上院は、最高裁判事や政府官僚などの「人事」を承認する権限を持っている。また上院は、現在各国と交渉している自由貿易協定を承認」する権限を有している。

そして州知事は、10年ごとに行われる選挙区の区割りを決める権限を持っている。つまり州知事選は、2020年の大統領選に直結する重要選挙だった。この選挙において、共和党は民主党を超える議席を確保し、トランプ氏再選の可能性を高めることができた。

【米中間選挙】 民主党が下院を奪還、政権に打撃 トランプ氏は上院勝利を強調2018年11月7日

米中間選挙で、ドナルド・トランプ大統領率いる共和党が上院の多数を維持する一方、下院では野党・民主党が8年ぶりに多数党に返り咲いた。トランプ政権の今後の政権運営に大きな打撃となったが、トランプ氏は上院での議席増を強調して勝利を喜ぶツイートを連投した。

民主党が下院で多数党になったことで、トランプ政権が推進する政策や法案、予算措置の成立を阻止できるようになる。トランプ氏が大統領選の最中から目玉政策として公約してきた、メキシコ国境での壁建設などは実現が非常に困難になった。下院を奪還した民主党はさらに、大統領の納税申告書や、公務と事業との利益相反問題などに関する書類など、トランプ政権が公表しない様々な資料の開示も、これまでより強力に要求できるようになる。

■米中間選挙 上下院「ねじれ」の影響は?2018年11月7日

「ロシア疑惑」をめぐってはこれまでは上下両院で多数派を占める共和党が野党・民主党が求めるさまざまな調査の要求を突き返していましたが、今後はトランプ大統領の側近の公聴会への召喚が可能となり、トランプ大統領にとって不利な情報が明らかになる可能性もあります。また、議会下院には「弾劾の訴追」を行う権限があるため、トランプ大統領の弾劾に向けた手続きが進む可能性もあります。ただ、大統領を罷免するには上院の3分の2以上の賛成が必要なため、実際に罷免に至る可能性は低いとみられます。

人事案を承認する権限を持つ上院で多数派を維持したことで、トランプ大統領としてはこれからの2年間で、連邦最高裁判所にさらに保守派の判事を指名するなどしてキリスト教福音派など、みずからの支持層にアピールする可能性もあります。

トランプ大統領が成果を強調する減税をもう一段、進めるためには、下院で多数派となる民主党から協力が得られるかどうかが、鍵になります。選挙戦の終盤で、これまでの減税が大企業や富裕層優遇だという批判にこたえて、トランプ大統領は、中間所得層を対象に10%の減税を行う考えを示しました。しかし、追加の減税に踏み切れば、財政赤字がさらに拡大するのは避けられず、議会にも懸念する声があるため実現には高いハードルがありそうです。

安全保障面では軍事力の増強を目指すトランプ大統領の政策に影響が出る可能性もあります。トランプ大統領はオバマ前政権のもとで縮小されたアメリカ軍の再建を掲げて国防予算を大幅に増額しています。一方で、民主党は今回の選挙で医療保険制度など社会保障の充実を訴えて支持を拡大しました。アメリカでは予算の編成や歳出法案の取りまとめに議会下院が大きな権限を持っており、この下院の多数派を民主党が握ったことで、トランプ政権による国防予算の拡大が難しくなる可能性があります。

議会の「ねじれ」で、予算案や法案の成立などが難しくなった場合、トランプ大統領は、大統領の権限で実行できる貿易政策などに集中するとみられていて、公約の貿易赤字の削減に向け、各国への姿勢はさらに厳しくなる可能性があります

■米国の分断を鮮明にした中間選挙2018年11月8日

大統領選の合間の年にある中間選挙への米国民の注目度は、さほど高くないのがふつうだ。投票率も大統領選より20ポイント程度低いことが多い。ところが、今回は期日前の投票者数が過去最多となるなど有権者が高い関心を示した。異形ともいえる大統領を生んだ2年前の民意は本心だったのか、それとも単なる弾みだったのか。それを米国民が今度こそ明確にしようとしたからだ。米メディアの世論調査では、争点として「医療保険」と並んで「トランプ」を挙げる人が多かった。

その選挙結果をどう読むか。下院の主導権を失ったのは、トランプ大統領にとって、たしかに痛手だ。とはいえ、歴代大統領の多くがバラ色の公約をあまり実現できず、最初の中間選挙で大敗したことを考えると、負けをかなり食い止めたといってよい。全体としてみると、共和党地盤におけるトランプ人気の根強さを印象付けたといってよい。本人はツイッターで「今夜は大成功だ」とつぶやいたが、本音だろう。2年後の大統領選でトランプ再選が実現するかどうかを現時点で判断するのは難しいが、少なくとも「トランプ的な民意」が米国でかなり中長期的に続くことを世界は覚悟せざるを得ない。

■トランプ氏、再選の可能性は 久保文明・東大教授に聞く2018年11月8日

民主党が下院で勝利したとはいえ「トランプ路線に待ったがかかった」とは言えない。共和党が上院で多数を維持し、トランプ大統領を支持する勢力が弱まってはいないためだ。支持率が40%台で停滞しているトランプ氏だが、共和党内に限ると90%弱に跳ね上がる。今回の選挙でも「ミニ・トランプ」と呼べる議員が誕生し、共和党の「トランプ化」はますます進んでいくだろう。

共和党は高齢層に強いが若者には弱く、2年後の大統領選に向けた課題は多い。だが、中間選挙で大敗しながらも大統領に再選したケースもあり、好景気が続けばトランプ氏が再び選ばれる可能性はある

■アメリカ中間選挙の結果受け、NYダウ急騰!「ねじれ議会」が持つ意味とは2018年11月8日

中間選挙で、上院下院とも共和党支配の状況が終わり、下院は野党、上院は与党が支配する「ねじれ議会」に変わりました。これには株式市場から見て、プラスとマイナスがあります。

プラス面は、トランプ大統領の暴走に、一定の抑止力がかかること。イランや中国に対する強硬策に、一定の歯止めがかかる可能性があります。イランからの原油輸入禁止が緩和されれば、イラン産原油の供給減少に対する不安が低下し、原油価格の高騰を抑える要因となります。これは、世界経済および株式市場にプラス材料です。

株式市場へのマイナス面としては、トランプ大統領がさらにやろうとしていた景気刺激策が、やりにくくなることが挙げられます。トランプ大統領は、米中間層への減税や、公共投資の積み増しを示唆していました。これは、下院を押さえた民主党が、財源がないことを理由に認めない可能性が高いと考えられます。ただ、それで人為的に米景気を過熱させることなく、ゆるやかな景気拡大が続くとの見方もあります。

もう一つ想定されるマイナス材料は、米ロ関係の悪化です。下院を押さえた民主党は、トランプ大統領のロシア疑惑追及を強めるでしょう。ロシア国内からは、民主党の勝利を不安視する声が出ています。

■米議会ねじれにドイツ安堵 内政干渉を意識し中国は論評せず 米中間選で各国反応2018年11月8日

露外交専門家の一人は国営ロシア通信に「民主党は米議会で、ロシアによる諜報活動や国際問題を扱う重要な委員会を手中にする」と指摘。露上院のコサチョフ国際問題委員長は「米政治の混迷がいっそう深まる」と懸念を示した。

韓国の聯合ニュースは、米国の対北朝鮮政策に大きな変化はないとみている。北朝鮮の核問題については、民主党も対話による解決を主張し、「非核化後に制裁を緩和する」との原則で一致しているためだ。

中国外務省の華春瑩報道官は7日の記者会見で「米国の内政については論評しないし、できない。さもなければ干渉行為と解釈される」と述べた。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報の胡錫進編集長はSNSで、「私の知る多くの学者や官僚は、トランプ氏が国際分野でさらに過激になり、中国にも影響するかもしれないと心配している」と記した。

ドイツの公共放送ARDは7日、共和党が上下両院を掌握する事態が解消されたのを受け、「ドイツのほとんどの政党が安堵(あんど)している」と伝えた。ドイツは安全保障や貿易問題でトランプ政権の厳しい批判を受けてきたためだ。

フランス紙ルモンド(電子版)は「米国はさらに分裂を深めた」と評価した。上院と下院の二極化が進み、「2020年の大統領選まで政局はマヒ状態になる」と予測した。

List    投稿者 dairinin | 2018-11-08 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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