2019-04-11

習近平国家主席、最高権力を手に入れたが内外に問題山積

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前回の投稿http://www.kanekashi.com/blog/2018/09/5875.htmlで、習近平主席の独裁体制に揺らぎが見られそれが、大衆だけの問題ではなく、中国共産党内部の権力闘争がその背景にあることを紹介しました。習近平政権は権力闘争を抑え込むことが出来たのでしょうか、その後の状況を調べてみました。

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結論から言うと、共産党内部の権力闘争は相変わらず続いており、政権批判は大衆から大学へと拡大し、習近平国家主席の母校でもある清華大学法学部の教授が習氏を独裁体制だと批判する論文を発表したことで停職処分となり、北京大学の名誉教授が今年1月習氏に暗に即時引退を促す論文をネット上で発表した。さらには、北京大では昨年、習氏批判の壁新聞が公になるなど、中国の学術界を中心に習氏批判が後を絶たないという異常事態となっている、そうです。

党内でも批判は続いているようで、2月末に公布された「党の政治建設強化に関する意見」は、習近平が激しい党内部批判にあったため、それに対する党員および両会メンバーに対する警告の意味もあるらしい、と報道されています。

アメリカとの貿易交渉は打開の目途が立たず、ヨーロッパ訪問で外交成果を上げようとし、イタリアでは「一帯一路」に賛同をもらい成果を上げることが出来ましたが、フランスでは総額約400億ユーロ(約5兆円)の商談をお土産として渡したにもかかわらず、マクロン仏大統領は「一帯一路」をけん制する立場を示しており、1勝1敗という所です。

半年後の10月1日が中華人民共和国建国70周年記念日であり、それまでに様々な問題を解決できなければ、習近平政権はさらに危うくなる可能性もあります。

 

■「元」中国人が暴露。もしもSNSに習政権批判を書いたら2019年2月12日

中国当局による国民に対する言論弾圧の動きが更に広がりつつあります。インターネット上の書き込みはもちろんのこと、2億台以上のAI内蔵監視カメラが14億人を常に見張り続けているという、ある意味「異常」な世界が綴られている一冊を、無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さんがレビューしています。

ある若者が、夜に自分の微博(ソーシャルメディア)で、「僕がこの程度のことを言って捕まっていたら、国民に言論の自由がないことが証明され、この国は終わりだ」と書いた。翌日には当局により拘束の身となっている。言論監視の厳密さと弾圧の迅速さは、まさに驚嘆すべきものだ。

現在、中国全土に2億台以上のAI内蔵・監視カメラが設置され、24時間、人々の動きを監視している。内蔵AIはGPSや顔認証システムを通して、当局がまとめた「犯罪者」のデータベースとリンクしている。警察官は顔認証システムが搭載された特殊ゴーグルを装備しており、これもデータベースとリンクしている。監視対象は、一般的意味の犯罪者だけではなく、共産党や政府に対して反抗する人や、反政府的デモや抗議活動を行う人は、このシステムによって身元が割り出され、簡単に逮捕されてしまう。

■最重要の年を迎えた習近平主席<上> しかし国内外に問題山積2019年2月10日

中国の習近平(シーチンピン)国家主席が昨年3月に人民大会堂の檀上に登った時、中国の将来を方向付けるのはこの人物だと思われた。その数カ月前、習氏は中国の最高位である共産党中央委員会総書記に再選された。習近平政権の2期目がスタートし、さらに国家主席の任期制限が撤廃され、事実上、習氏が恒久的に主席の座にとどまることが可能になった。しかし、それから9カ月が経過した今、習政権の前途に暗雲が垂れ込めている。

中国経済はトランプ米大統領が中国に仕掛けた貿易戦争により勢いを失いつつあり、米中間の緊張も経済だけでなく、政治や軍事問題にまで広がっている。2019年は習氏にとって、これまでで最も重要な年になりそうだが、不幸なことに、その最重要の年を迎える前に米中貿易戦争が勃発してしまった。19年は、中華人民共和国建国70周年など、中国にとって重要かつ論議を呼ぶ日が目白押しで、習氏はその難しい年のかじ取りを担っている。習氏と共産党にとって、10月1日の中華人民共和国建国70周年記念日は、将来に影響を及ぼす極めて重要な日となる。

■習近平がピンチ、中国「全人代」に流れる不穏な空気2019年3月7日

年に一度の中国の国会に相当する両会(「全国政治協商会議」と「全国人民代表大会(全人代)」)が今週から始まった。今年の両会の雰囲気はかなり異常である。どういうふうに異常なのか。まず秋の中央委員会総会をスキップしている。

「習近平は2期目に入って、その政策方針を中央委員会で可決する中央委員会総会(四中全会)を秋に開かねばならなかったが、開けなかったのは、総会で対米政策や経済政策、個人崇拝路線に対する非難の集中砲火を浴びるのではないかと恐れたからだ」という人もいる。

またフランス国際放送(RFI)によれば、2月末に公布された「党の政治建設強化に関する意見」は、習近平が激しい党内部批判にあったため、それに対する党員および両会メンバーに対する警告の意味もある、と上海政法学院国際事務・公共管理学部副教授の陳道銀が指摘しているらしい。

■台湾留学の中国人学生、習近平批判で帰国命令「暗黒政治だ」2019年3月17日

台湾の清華大学に留学している中国山東省出身の21歳の男子学生、李家宝氏が帰国命令を中国政府機関から受けた。李氏は「習近平中国国家主席は言論を弾圧しており、大陸には自由がない。私はそのような習近平の独裁体制に反対だ」などと語っている様子をツィッター上でライブ動画を配信した。これにより、中国政府傘下の中台留学生交換手続きをしている政府系機関から「7月の卒業を待たずに、すぐに帰国せよ」との命令を受けたのだ。

■中伊に東西文明の新たな可能性=習主席外遊2019年3月23日

イタリアを公式訪問している習近平国家主席は、イタリアのマッタレッラ大統領と会談したほか、メディアや企業界、文化界の面々とも会見、長い歴史を有するこの二大文明国家は、対話と交流を通じて、新たな可能性を育んでいます。

習主席が、「イタリアも中国も輝かしい文明を有する歴史ある国家であり、深い歴史の蓄積を持っている」と述べたのに対し、マッタレッラ大統領は「千年以上の文明を持つ両国は、今日人類社会が直面する課題に対応する知恵を十分に蓄積している」と前向きな姿勢を示しました。

習主席は、共同記者会見に臨み、「二千年前、両国はすでにシルクロードで結ばれていたが、今日は再度手を携えて、『一帯一路』構想の枠組み内で共に発展を図り、シルクロードが再び輝きを放ち、各国の人々が成果を共有できるよう努力していきたい」と述べました。これに対し、マッタレッラ大統領は「一帯一路」提唱を支持する意向を示しました。

■パリで中国主席の訪問に抗議デモ、在仏チベット人やウイグル人ら2019年3月25日

フランス・パリ中心部のトロカデロ広場で24日、中国の習近平国家主席の公式訪問に抗議するチベット人やウイグル人らがデモを行った。デモ隊はエッフェル塔を背景に、チベットの旗や、ウイグル民族がかつて独立を宣言した「東トルキスタン共和国」の旗を掲げて広場を行進。

■習近平、フランス訪問で約5兆円規模の商談成立 マクロンは「一帯一路」をけん制2019年3月26日

フランスと中国は25日、習近平国家主席のフランス訪問に合わせ、総額約400億ユーロ(約5兆円)の商談をまとめた。マクロン仏大統領は一方で、中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」をけん制する立場を示した。今回まとまった15件の商談には、欧州航空機大手エアバスの航空機300機を購入する推定300億ユーロの契約が含まれた。他には、再生可能エネルギーや海運、銀行部門で契約が締結された。マクロン氏によると、中国側はフランス産鶏肉の輸入解禁に合意した。

マクロン大統領は貿易やハイテク産業で存在感を強める中国に対抗するため、欧州の結束を促す考えも示した。

■習派、最高裁トップの粛清失敗? 異例の合同調査で非主流派が巻き返し2019年3月29日

3月5~15日に開かれた中国全国人民代表大会(全人代=国会)で国家指導者の人事異動はなく、一時失脚説が流れた最高人民法院の周強院長(最高裁長官に相当)は続投となった。政権主流派の習近平国家主席派が裁判の不正疑惑を口実に粛清を画策したが、周氏が属する共産主義青年団(共青団)派などの非主流派が巻き返して、首がつながった可能性がある。

■中国の名門大学で習近平体制批判が後を絶たず、処分続々2019年3月31日

習近平国家主席の母校でもある清華大学法学部の教授が習氏を独裁体制だと批判する論文を発表したことで、停職処分となり、中国当局の取り調べを受けていることが明らかになった。また、清華大と並ぶ名門の北京大学の名誉教授が今年1月、習氏に暗に即時引退を促す論文をネット上で発表した。さらには、北京大では昨年、習氏批判の壁新聞が公になるなど、中国の学術界を中心に習氏批判が後を絶たないという異常事態となっている。

習氏について、「毛沢東主席と同じく、個人崇拝を大々的に行い、自分の名前を憲法や中国共産党の党章に書き加えて、自らを美化するとともに、憲法の規定を修正して国家主席の任期を廃止するなど、権力を私物化している」などと激しく批判

List    投稿者 dairinin | 2019-04-11 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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