2015-04-21

道徳と民族を破壊する4人の洗脳者③ ジャック・アタリ

<ジャック・アタリ>

<ジャック・アタリ>

金貸しの思想がいかに狂っているか、引き続き「世界を操る支配者の正体」(馬渕睦夫著、講談社)より紹介します。著者は道徳と民族を破壊する4人の洗脳者を挙げていますが、3人目として、世界政府樹立を提唱するジャック・アタリを紹介します。

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●マネーが全ての思想

>フランスにジャック・アタリ(1943年~)という人物がいます。アルジェリア生まれのユダヤ系フランス人アタリは、サルコジ元大統領の下で、21世紀に向けてフランスを変革するための政策提言を行った「アタリ政策委員会」の委員長を務めたことで、一躍日本でも有名になりました。

>現状はいたってシンプルである。つまり、市場の力が世界を覆っている。マネーの威力が強まったことは、個人主義が勝利した究極の証であり、これは近代史における激変の核心部分である。すなわち、さらなる金銭欲の台頭、金銭の否定、金銭の支配が、歴史を揺り動かしてきたのである。行き着く先は、国家も含め、障害となるすべてのものに対し、マネーで決着をつけることになる。
>この記述は、グローバリズムとは市場が全権を持つ世界であり、マネーを操る個人(私人)が市場の支配者であることを鮮明にしています。

 

●世界政府樹立のために市場万能主義の恐怖を刷り込む

>アタリは市場万能社会は人類を滅ぼす危険性があるとして、このような悲観的な未来を避ける方法を提言しています。(中略)アタリの言う「人類の残された選択肢」とは、民主的世界政府の樹立です。民主的世界政府は「超民主主義」に基づくものであり、「超民主主義」とは、現在の世界のあらゆる悪を超越する新たな人類の境地であるとするのです。

>まずは市場の力が既存の国家を凌ぐことを示し、そのような世界が来ると市場の欲望をコントロールできなくなって人類が滅ぶ危険があると脅し、人類の滅亡を防ぐ方法は世界政府しかないと人々に信じ込ませようとしているのです。

 

●国家の歴史とは国家に金を貸す者の歴史

>アタリは「国家の歴史とは債務とその危機の歴史」と書きますが、その意味は、国家は自ら通貨を発給できず、通貨を必要とするときには民間の中央銀行から借金をするシステムになっていることです。

>この間違ったシステムを廃止すれば、国家の債務問題は解決するのです。(中略)解決策はただ一つ、民間の中央銀行を公的な中央銀行に改編して、政府自ら通貨を発給することです。いままで隠されてきた真実を一般の国民が知ることによって、国家の経済運営は正しい方向に進むことが可能になるでしょう。
<「世界を操る支配者の正体」(馬渕睦夫著、講談社)より引用>

 

●欧州貴族(ロスチャイルド)を代弁する思想か?

キッシンジャーがロックフェラーなどアメリカのエスタブリッシュメントの意向を受けて、歴代のアメリカ大統領に絶大な影響を及ぼしたのと同様に、アタリもヨーロッパのエスタブリッシュの意向を受けて、ヨーロッパ首脳に影響力を及ぼしていたと言われています。

彼の思想が、どこまで欧州貴族(ロスチャイルド)を代弁する思想かは分かりませんが、ブログ界で噂されているロスチャイルドの世界政府樹立構想の理論的プロパガンダを担っている一人であるという見方はできるでしょう。

しかし、果たして世界政府樹立は実現可能なのでしょうか?

著者のアタリ分析を読む限り、アタリ自身はその理論的な根拠は何も明らかにしていません。世界政府樹立のために市場万能主義の恐怖を刷り込むことしか言っていません。

言うまでもなく、世界各国の国々は、その民族固有の歴史や宗教によって、その国固有の社会や文化を築いています。アタリの言うように、近代の欧米、日本はマネーを操る個人(金貸し)が市場の支配者となり、金貸しに支配される社会となって行きましたが、それが歴史的かつ世界的に普遍的なものであるという根拠は何もありません。人類500万年の歴史から見れば、近代固有の現象とも言えるわけで、これも金貸しに都合のいいドグマでしかありません。

筆者はそのようなドグマに囚われず、金貸し支配から脱却する解決策として、金貸しが支配する中央銀行の廃止⇒政府紙幣の発行に言及していますが、これは注目されます。人々がマネーに「支配」されるのではなく、人々がマネーを「使う」という当たり前の姿に戻すには、人々の信任を得た国家がマネーをコントロールすることが必要です。

List    投稿者 yukitake | 2015-04-21 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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