中国は30年ほど前に市場社会に参画してトップランナーとなったが、このまま走り続けるのか?
中華人民共和国は、1949年の設立以降は40年以上も世界市場と背を向けていきていた。
中国を世界市場に引き込んだのも「奥の院」の戦略。その「奥の院」は今度は中国を切り始めたのか?
これまでの流れを追ってみる。
1978年に文化大革命によって中国の経済は破綻寸前に。鄧小平は「改革開放」を宣言して市場社会に門戸を開いき経済立て直しを図った。
当然にアメリカが訪中するなど市場社会側との話が付いていた。
世界市場をコントロールしている「奥の院」も、既に供給過多で閉塞していた世界市場を継続する為に、13億人の中国市場が欲しかったのだろ。
1993 年以降、改革開放と社会主義市場経済という方針で本格的に疾走する。
・中国経済は「世界の工場」と呼ばれるまでに成長。
・製造大国としてだけではなく、巨大な市場としても期待された。
・2001年には、悲願だったWTO加盟を果たす。
・2008年には北京オリンピック、2010年には上海万博開催。
・2013年に習近平が党総書記・国家主席に就任して、所得格差や腐敗等の問題も抱えつつも、経済成長率を維持してさらなる経済力の拡大を目指している。
■1993年から30年弱で中国は急激に経済大国に発展。
世界市場経済を左右する生産力、GMPはアメリカに次いで世界2位(そのうちに1位になる)となった。さらに一帯一路等で世界中を中国経済圏に飲みこむ戦略だ。
しかし
■アメリカはトランプ大統領(2016年~)に成って反中国にかじを切った。
■EUもアメリカの反中国に追従(2021年~)し始めた。
25年前は、市場経済の延命のために14億の中国市場は重要だった。
しかし今や、「奥の院」は必要以上の物資を生産・消費して公害を撒き散らすこれまでの市場経済に見切りをつけて、コロナで世界の市場経済を一旦崩壊させる方針のようだ。
その上で新社会システムでの再生を図ろうとしている「奥の院」から見ると、中国は最も市場社会で暴走している制御不能な国家に見えているのかもしれない。
今後、中国へのパッシング、中国非難の世界世論がどのように作られていくのかは注目だ。
by猪飼野
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