2009-03-17

FRB資産状況090311:いよいよ禁断のドル大量発行か?

barnanki.jpgNYダウは3月9日に終値6547ドルという約12年ぶりの安値をつけた後、現在は7400ドル台まで戻している。しかし、米国内はAIG幹部への巨額ボーナス問題で紛糾、各州にはテント村が増加中というありさまで、金融危機が底を打ったとは到底言えない。昨日の上げは、FRBの新たな景気対策の発表を好感して、というが・・・・。前回2月18日の記事はこちら

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■FRBのバランスシートは横ばい
前回、FRBの対策は口先だけ、と書いたが、その状況は変わらず。3月11日時点のバランスシートは、1ヶ月間ほぼ横ばいの資産総額約1.9兆ドルで推移している(下図。左が08年4月以降の資産の推移。右が負債+資本。クリックで大きくなります)。金融危機以降の大きな動きはこちらで。


■そして登場した、3千億ドルの直接国債購入
昨日、NYダウの上昇を呼んだのは、FRBが発表した次のニュースだ。

FRB、長期国債30兆円買い入れ決定 03/19 10:06
 アメリカの中央銀行にあたるFRBは18日、定例の政策決定会合を開き、政策金利のフェデラルファンドレートを「0から0.25%とする」という現在のゼロ金利政策の維持を確認しました。
 その上で、金融市場への資金供給量をさらに増やすため、今後、半年にわたり最大3000億ドルの長期国債を買い入れるという、異例の措置に踏み切ることを決めました。
 また、すでに行っている政府系住宅金融機関からの住宅ローン担保証券の買い入れを、さらにおよそ75兆円追加して総額125兆円にまで拡大することも決定しました。
 FRBは、声明で「経済の回復に向け、あらゆる可能な手段を使う」と改めて決意を示しました。この決定を受け、ニューヨーク株式市場は前日より90ドル88セント高い7486ドル58セントで取引を終えています。(19日09:20)

FRBが直接、米国債を引き受けるという。これもとりあえずの口先対策の可能性もあるが、本来、株価が上がるような話ではない。これは米国当局が国債消化に行き詰ったことを意味するからだ。
■日中以外の海外勢は既に米国債離れ
以下は前回も書いた米国債発行残高の推移で、最新の2月末を追加した。

2008年11月末・・・・・・10兆6612億ドル(約1013兆円)
2008年12月末・・・・・・10兆6998億ドル(約1016兆円) 対前月比3兆円増
2009年 1月末・・・・・・10兆6321億ドル(約1010兆円) 対前月比6兆円減
2009年 2月末・・・・・・10兆8771億ドル(約1033兆円) 対前月比23兆円増

2月末の米国債発行残高は、前月比2450億ドル(約23兆円)増加。史上最高額の入札が立て続けにあった先月の状況を反映している。
1ヶ月のタイムラグがあるが、1月末時点での米国債の海外保有残高も見てみる。
中国は122億ドル(約1.2兆円)増加の7396億ドル(約70兆円)。日本も88億ドル(約8千億円)増加の6348億ドル(約60兆円)と、年が明けて米国債の買い支えに入った。おそらく、2月の入札を支えたのもこの勢力だろう。一方、海外保有残高全体は前月比47億ドル減の3兆722億ドルと、少なくとも1年ぶりに減少に転じた(※海外政府全体(上記リンク下部のfor Official)は増加)。
つまり、日中など一部を除き、海外勢は民間を中心に米国債を手放し始めた可能性がある(カリブのオフショアバンクの減少も気になる)。この状況を見て、国内・海外の米国債の他力消化が限界に達したと判断され、今回のFRB自身による買取宣言が発せられたのではないだろうか。
■本当のドルの垂れ流しが始まる
では、FRBはどのようにして3千億ドルもの米国債を買い受けるのか?方法は3つ考えられる。
1つは、金融機関や企業から買い取ったMBSやCPなど手持ちの証券資産で買う方法。しかし、これは不良債権で国債を購入するようなものだ。なおかつ、政府がこれを国内で使うためには改めて市場で売却してドルを手に入れなければならず、ほぼ不可能と考えて良いだろう。
2つめは、世界金融危機勃発以来、海外の中央銀行とのドル交換で手に入れた外貨担保資産(上の資産グラフの「中央銀行流動性スワップ」)で買う方法。これは不良資産ではないが、預った担保が米国債に置き換わるという問題と、やはりFRBか政府が市場でドルに換えなければならず、他国通貨の下落を呼ぶという問題が生じる。いずれも海外の承諾と全面協力がないと実現は難しい。
残るは、伝家の宝刀である通貨発行権の行使、即ち『連邦準備券の発行』しかない。
FRBは今回の金融危機の間も目立ったドル発行は控えており、バランスシート上での連邦準備券発行残高は8千億ドル(約80兆円)前後で推移してきた(それでも1年間で約1割の800億ドルほど発行残高を増やしてきた)。しかしここに来て、基軸通貨を暴落へ導くドル大量増発という禁断の領域に、いよいよ足を踏み入れつつあるのではないだろうか?
次回:FRB資産状況090415

List    投稿者 s.tanaka | 2009-03-17 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨4 Comments » 

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コメント4件

 コスモス | 2009.08.30 11:50

FRBに対する風当たりが強くなっていますが、最近オバマがバーナンキを再任することを決めたこともあり、(個人的に)実態のパワーバランスに注目しています。
「改革」を謳うオバマですが、ブッシュが選んだ(実際はロックフェラーが選んだ)バーナンキを再任したということが、何を意味するのか・・・・

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