2021-04-08

文大統領が日韓関係改善に方針転換、背景は中国・北朝鮮と対立を深めるアメリカの圧力

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新年早々の投稿では、韓国が反日姿勢を過激化させており、その原因は内政の失敗による支持率の低下と分析しました。しかし、その直後に文大統領は、慰安婦問題は合意済み、徴用工問題で日本企業の資産を差し押さえるのは望ましくないと述べるなど、態度を一転させました。一体何があり、日韓関係はどうなるのでしょうか。

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まず、韓国の国内情勢を見ると、文政権に対する評価は全く変わっておらず、支持率は下がる一方です。にもかかわらず、文大統領が対日強硬姿勢を変えて、慰安婦問題は合意済みと発言したのは何故でしょうか。

これは、明らかにアメリカから、日韓関係を改善しろとの圧力が韓国にかかった結果です。文大統領が国民の支持を得ようとすれば、支持率が下がっている今こそ、対日強硬姿勢を打ち出すことで挽回を図りたいタイミングです。にもかかわらず、韓国の裁判所の判断に困惑しているという、これまでからすれば考えられないほどの日本よりの発言をしており、アメリカからの圧力の強さが伺い知れます。

その背景には、中国、北朝鮮に対するアメリカの姿勢が大きく変わったことがあると思われます。これまでは、アメリカも中国、北朝鮮との関係を改善しようとする意志が見受けられましたが、今後はかなり強硬な姿勢に出ることが予想されます。

そうなると、韓国大統領に期待される役割も変わってきます。中国、北朝鮮との関係を改善しようと言う意思があるときには、文大統領のような左派=中国、北朝鮮寄りの政治家が韓国のトップにいたほうがよかったのでしょう。しかし、中国、北朝鮮に対して強硬姿勢をとるとなれば、韓国大統領も右派の人物に変えたいのだと思われます。

さらに文大統領は土地の不正取得疑惑も持ち上がり支持率は過去最低を更新、来年の大統領選挙を占うソウル市、釜山市の市長選挙で与党は惨敗しました。明らかにアメリカは韓国の大統領を交代させようとしており、それは、今後、中国・北朝鮮とアメリカとの対立がどんどん激しくなっていくことを意味していると思われます。

 

■日韓関係の修復に意欲を見せるバイデン その仲介に必要な4つの心得202115

バイデンは、同盟国である日韓の関係修復に貢献する気満々のようだ。だが従前の賠償条約・協定が抱える根本的な欠陥、すなわち被害者ではなく国益を優先する道は回避しなければならない。アメリカは冷戦中の1965年、アジアの同盟国を団結させるべく、日韓基本条約の締結を促した。この条約をもって、戦後補償に関する問題は全て解決済みだというのが日本政府の立場だ。

2015年には慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決を確認する日韓合意が結ばれた。中国の経済的圧力と北朝鮮の核実験を受け、韓国が対日融和を急いだ時期だ。対中・対北朝鮮共同戦線を必須としたアメリカは、日韓の話し合いを仲介。両国は2016年、北朝鮮に関する情報共有などを目的とする秘密情報保護協定(GSOMIA)の締結にこぎ着けた。つまり日韓合意は日韓基本条約と同様、国家の都合によるものだった。

最後に、被害者中心の解決策は強い日米韓同盟の構築に向けた長期的投資だと、バイデンは日韓双方に強調しなければならない。両国の指導者を納得させるには個人外交が不可欠だ。従来の仲介は長期的視野に欠け、被害者を置き去りにした結果が日米韓の取り組みにもたらすダメージを過小評価していた。同じ過ちを繰り返していては和解の試みに成功はない。

■文在寅大統領の対日姿勢が柔軟路線に変わった理由2021124

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は118日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)春秋館で開かれた新年記者会見で、「日韓の間には解決すべき懸案がある。輸出規制問題があり、徴用工訴訟問題もある。このような問題を外交的に解決するために両国は多様なチャネルで対話をしている。日韓が懸案について外交的努力をしている最中に慰安婦判決が加わり、率直に言って少し困惑していることが事実である」と述べた。

文大統領はこう続けた。「慰安婦判決の場合は、2015年に日韓政府の間で慰安府問題に対する合意があった。韓国政府はその合意が両国政府間の公式的合意であった事実を認める。このような背景の上で今回(202118日)判決が出た。被害者のおばあさんらが同意できる解決策を見いだせるよう、日本と協議していく」と立場を表明した。これまでの強硬な発言とは対照的である。

さらに、徴用工訴訟問題については、裁判所が韓国内にある日本企業の資産を差し押さえ、売却して原告らの賠償に充てる「現金化」について、「強制執行の方式で現金化されることや判決が実現されることは日韓両国間の関係に望ましくないと思う」と話した。

文大統領は今回の発言により既存の支持層が政権離れすることを予想しなかったのだろうか? 文大統領の支持率は、価格高騰が続く不動産問題、新型コロナウイルスの感染者増加、ワクチン確保の遅れの問題など、あらゆる悪材料によって、昨年11月下旬から下降局面に入り、121週目には40%を割込み、今年の11週目には「35.5%」と就任後最も低くなった。にもかかわらず、既存の支持層を失うような発言をしたのはなぜだろうか?

1)アメリカのバイデン新政権を意識、2)南北関係改善のためのカード、3)日韓関係を改善し、経済の不確実性を最小化する、4)日韓関係を外交的に解決したい。

■文大統領の支持率再び下落 北支援案の発覚が要因か202124

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が、政権運営で危険水域とされる40%を再び割り込みました。韓国の世論調査会社「リアルメーター」によりますと、文大統領の最新の支持率は39.0%で、前回の調査から3.5ポイント下がりました。一方、支持しないとした人は56.6%でした。また、政党別の支持率も野党「国民の力」が与党「共に民主党」を上回っています。

2018年に現政権が北朝鮮への原発建設支援案を作っていたことが発覚し、野党が追及を強めていることが支持率下落の大きな要因とみられています。

■文氏がバイデン氏と初の米韓首脳電話会談 日韓関係改善の重要性確認202124

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日、バイデン米大統領と電話会談した。両首脳は、日韓関係の改善と日米韓の協力が地域の平和と繁栄にとって重要であるとの認識を確認し、朝鮮半島の非核化に向けて緊密に協力していく方針で一致した。米韓両政府が発表した。

文氏は、慰安婦問題で日本政府に賠償を命じた韓国裁判所の判決に「困惑」を表明し、日韓関係の改善に意欲を示している。日米韓協力を重視してきたバイデン氏が、文氏との間で公式に日韓関係改善の必要性を共有したことで、文氏がさらに日本との関係改善に本腰を入れる可能性がある。

■文大統領「過去離れ」促す異例発言 嫌韓の高まりを認識か202131

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日の「三・一独立運動」の式典演説で、関係改善に向けて日本に対話を呼びかける一方、「過去と未来の問題を分離できないこと」を「われわれが乗り越えねばならない」と訴えた。韓国国民に“過去離れ”を促したこの発言は、文氏としては異例のものだ。

文氏は1月の記者会見で、元徴用工訴訟で原告らが差し押さえた日本企業の資産売却を「望ましくない」とし、慰安婦問題での日韓合意を「公式合意と認める」と明言した。“過去離れ”を呼びかけた1日の演説はこれに続き、日本への歩み寄りを示唆するものとなった。

背景には、韓国が直面する経済低迷の長期化といった問題の深刻さを文氏が認識していることがありそうだ。

 文氏は日韓を「あらゆる分野で互いに重要な隣国」とし「過去数十年間、両国は分業構造を土台に共に競争力を高め、韓国の成長は日本の、日本の成長は韓国の発展への助けとなった。今後もそうだろう」と強調。日本政府による19年の輸出管理厳格化の措置以降、悪化した経済関係の改善に期待感を示した。

■韓国で土地投機疑惑に国民の怒り爆発、文大統領は自身の疑惑に「みみっちくて恥ずかしい」と反論2021316

韓国・文在寅政権を超ド級の不正疑惑が直撃している。韓国土地住宅公社の職員らが新都市計画の未発表情報を悪用し、事前に土地を購入して暴利を得ていた疑惑が提起されたのだ。購入したのは大部分が農地だが、新都市計画では一帯に7万戸の住宅が建てられる予定で、開発に入れば多額の補償金や代替地取得による莫大な利益が当て込める。韓国では農地の購入には農業を営んでいることが条件となるが、公社職員らは農民だと偽装して農地を購入した疑いが持たれている。

文政権発足後の2017年以来、ソウルの住宅価格は50%以上も上昇したとされる。世界一のスピードで地価が高騰し、ソウル市内のマンションの平均価格は92000万ウォン(約8800万円)に達した。庶民、特に若い世代にとっては、マイホームは夢のまた夢と言わざるを得ない状況で、不動産格差が深刻化している。

こうした中、文大統領が退任後の私邸用に購入した土地についても疑惑が提起された。文氏は20204月に釜山近郊の農地約1144坪(約3780平方メートル)を、計10億ウォン(約1億円)あまりで購入した。前述のように農地購入には農業を営んでいるという条件があり、文氏も農業営業計画書を提出した。そこに記された農業歴は「家庭菜園11年」だった。しかし、この土地は購入から9カ月で宅地への変更が認められたことがわかった。文氏は「全ての手続きは法に従っている」と主張しているが、説得力に欠けるのは否めない。文氏の娘や親族による土地投機疑惑もくすぶっている。国民に対し、再三「不動産投機によってこれ以上、カネ儲けできないようにする」と表明してきた文大統領だが、その言葉がむなしく響く。

47日に控えるソウル・釜山両市長選挙で与党の苦戦が続く中、2022年の次期大統領選挙にも影響が出そうだ。

■文大統領「日韓関係の改善のために努力を」2021318

文大統領は午後、韓国を訪問中のブリンケン国務長官、オースティン国防長官とおよそ50分間会談しました。韓国大統領府によりますと、会談の中で文大統領は日韓関係について「北東アジアの平和と安定に大変重要で、日米韓協力の土台になる」とした上で、「両国関係の改善のために引き続き努力する」と伝えました。アメリカ側は関係改善に対する意志と努力を評価し、進展に期待すると述べたということです。

米が人権報告書で“韓国糾弾” 文政権の「親中・従北・離米」に我慢の限界か 韓国外相の訪中で危うい「綱渡り外交」202141

ジョー・バイデン米政権が、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権に警告を発したのか-。米国務省が3月30日に公表した2020年版の国別人権報告書では、中国当局によるウイグル族への人権弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と糾弾して注目されたが、韓国の政治腐敗やセクハラ、北朝鮮への融和姿勢も列挙していた。米国は韓国の同盟国だが、文政権の「親中・従北・離米」姿勢に堪忍袋の緒が切れそうなようだ。こうしたなか、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相は2日から訪中して、王毅国務委員兼外相と会談する。韓国メディアも「誤解を招く」「綱渡り外交」と警鐘を鳴らしている。

■日韓局長協議、慰安婦・徴用工問題など平行線202141

外務省の船越健裕アジア大洋州局長と韓国外務省の李相烈(イ・サンリョル)アジア太平洋局長は1日、東京都内で会談し、慰安婦問題やいわゆる徴用工問題について協議した。日本側は問題解決のための具体策を求めたが、韓国側は従来の主張を繰り返し、平行線に終わった。日本政府に元慰安婦への賠償を命じた1月の韓国地裁判決をめぐり、船越氏は「国際法違反」として速やかな是正措置を要請。日本企業に賠償を命じた徴用工訴訟についても、日本が受け入れ可能な解決策を示すよう求めた。これに対し、韓国側は「日本の誠意ある姿勢」を促すなど、進展はなかった。

■文大統領の支持率32%で最低更新202142

世論調査会社の韓国ギャラップが2日に発表した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は前週より2ポイント下落の32%となり、同社の調査で2017年の就任後最低を更新した。不支持率は1ポイント下がった58%だった。不支持の理由としては「不動産政策」(40%)が最多となり、ほかに「経済・国民生活問題の解決が不十分」(7%)、「公正でない」(4%)などが挙がった。

■ソウル・釜山市長選、与党惨敗 大統領、レームダック加速へ―韓国202148

来年3月の韓国大統領選に影響する首都ソウルと第2の都市釜山の市長選が7日行われ、いずれの市長選でも「文在寅政権の審判」を訴えた野党候補が圧勝、与党は惨敗した。

与党は不動産価格の高騰や公社職員らの不正土地投機疑惑などで逆風下の選挙戦となった。文政権下の大型選挙で与党が敗北するのは初めてで、任期終盤にさしかかる大統領のレームダック(死に体)化加速は不可避。「被害者中心主義」を掲げる文政権が、徴用工問題などで原告や世論の反発を押し切って日本に譲歩するのは一層難しくなりそうだ。

ソウル市長選は保守系最大野党「国民の力」の呉世勲・元市長(60)が革新系与党「共に民主党」の朴映宣・前中小ベンチャー企業相(61)に勝利。釜山市長選は李明博政権元高官で国民の力の朴亨※(土ヘンに俊のツクリ)氏(61)が与党の金栄春・前海洋水産相(59)を破った。いずれも与党候補が3~4割程度の得票にとどまったのに対し、野党候補は6割前後の票を獲得した。

List    投稿者 dairinin | 2021-04-08 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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