2018-08-16

プーチン大統領の世界戦略

00338110HDK今年3月18日の大統領選挙で圧勝したプーチン大統領、大統領選挙直前の年次教書演説では、ロシア版「力による平和」を宣言していました。就任後のプーチン大統領の世界戦略はどうなっているのか、動きを追ってみました。

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プーチン大統領と言えば、日本のマスコミでは強烈な独裁者と言うイメージで、力による平和宣言はそのイメージにぴったりですが、就任後の行動を見ると以外に柔軟と言うか、相手に合わせられるところは合わせようと言う意識も感じら、無茶なことを言っているのはアメリカやEUではないかと思いました。

プーチン大統領は、アメリカやEUとも上手く付き合おうと言う気持ちはあるものの、一方でアメリカやEUの傲慢な姿勢は簡単には変わらないと冷静に判断し、外交の主軸は中国やインドなどのBRICS諸国や途上国に置いているようです。目先の経済的な繁栄を考えるとアメリカ、EUとの関係は重要ですが、長い目で見ればBRICS諸国や途上国にこそ発展の可能性があると判断し、特に中国との関係を重視しているようです。

一方で、ロシアとアメリカ・EUの関係は今のところ非常に悪い状態ですが、トランプ大統領はロシアとの関係改善に向かって、アメリカ国内の抵抗勢力と戦っており、ロシアゲート疑惑が解決すれば、米ロ関係は大きく進展しそうです。

■プーチン大統領が目指す米国との戦略的関係2018年3月29日
ロシア大統領選挙直前の2018年3月1日、プーチン大統領が毎年恒例の年次教書演説を行った。その中で、プーチン大統領は次のように語っている。「ロシアの軍事力により世界の平和は維持される。これにより世界の戦略的均衡は維持され、また将来的にも維持されるからだ。この戦略的均衡こそ第2次世界大戦後、今日まで国際安全保障の最重要ファクターの1つである」今回のプーチン演説は「ロシアも力には力で対抗する」とのロシア版「力による平和」宣言ということができる。

米国は欧州諸国も巻き込んで本格的な対ロシア経済制裁を発動するなど、米ロ関係は劇的に悪化していった。大統領選挙に勝利したトランプ陣営が、そんなプーチン政権との関係改善を志向していたのは間違いない。当初は米ロ間で「ビック・ディール」が成立するのではとの観測も浮上していた。この場合の「ビック・ディール」とは、ロシアがシリアでの対テロ戦争や対中国強硬路線などで米国に協力することと引き換えに、米国はウクライナ問題をめぐる対ロシア経済制裁を解除又は緩和する。また、より中長期的にウクライナなどでのロシアの特別な地位を認めるというものである。そんな中、民主党やFBIなどが主導する形で浮上したのがロシア・ゲートだった。

2017年7月8日、G20サミット開催中のドイツ・ハンブルグで、ついにプーチン氏とトランプ氏による初の米ロ首脳会談が行われた。米ロ両国は関係改善に向け、確かな一歩を踏み出したかに思われた。ところが、この米ロ首脳会談でのトランプ大統領の言動に強い懸念を抱いた米国の連邦議会が、トランプ大統領の対ロシア制裁解除の権限に制限を掛けるべく動き出す。その結果、2017年7月27日、上院がほぼ全会一致で可決したのが対ロシア制裁強化法案だった。同年8月2日、トランプ大統領は同法案への署名を余儀なくされた。これ以降、米ロ関係は徐々に対立モードに突入していく。

第4期プーチン政権の対米政策は、「ロシアも力には力で対抗する」とのロシア版「力による平和」宣言がその基調になる。ただし、やみくもに米国との対立を望んでいるわけでもない。米国にロシアを大国として認めさせたうえで、利害の一致しないところでは対立も辞さないが、利害の一致するところでは協力できるような、安定的な戦略関係を米国との間で構築することにある。

■逆襲のプーチン。元スパイ襲撃で外交官追放…欧州は戦争状態へ2018年4月3日
3月4日にイギリスで起きた、ロシア人元スパイ襲撃事件。これをロシア政府による凶行とする英国はじめ欧米各国が即座にロシア外交官を追放、対するプーチン大統領もロシアに駐在する外交官を国外退去処分とするなど、対立が激化しています。アメリカ、EU諸国、カナダ、オーストラリアなど、なんと25か国が「ロシア外交官追放」に同意した。

ロシアは30日、英国で起きたロシア人元二重スパイ毒殺未遂事件をめぐり、欧米諸国が実施したロシア外交官追放措置への報復として、ロシアに駐在する23か国の外交官を国外退去処分とした。

■プーチン露大統領、「国際法違反の行動」 米英仏を最大限に非難2018年4月14日
声明は化学兵器による攻撃があったとされるシリアで、誰も攻撃を現認していないと主張。化学兵器禁止機関(OPCW)の専門家が現場に派遣されたにもかかわらず、米英仏は調査結果も待たずに攻撃に踏み切ったと批判した。また、米国の行動はシリアの住民に苦しみをもたらしているとして「米国とその同盟国の攻撃的な行動」を討議する国連安全保障理事会の緊急会合開催を呼び掛けた。

■ドルとの「決別」訴えるプーチン大統領、ロシア中銀の行動と矛盾2018年5月11日
大統領として4期目の就任式を終えたプーチン氏は8日、ロシアの「経済的な主権」を強化するためにはドルとの「決別」が必要だと議会で主張。とりわけ最近の制裁と、政治的な動機に基づくと同氏が指摘する貿易の制限を理由に挙げた。「ドルが独占する現状は多くにとって不安定で危険だということは、世界中で明らかだ」と述べ、「ロシアは金や外貨準備を多様化させつつある。これをさらに進める」と続けた。

ロシア中銀が発表した最近のデータは、全く別の現実を示す。外貨準備に占めるドルの割合は2017年に約46%で、前年の40%強から上昇。一方、ユーロの割合は約22%と、前年の32%余りから低下。ユーロは09年に43.8%だった。

■プーチン大統領とモディ首相の非公式会談2018年5月22日
両首脳は、インドとロシアの間の特別および特権的戦略的パートナーシップが世界の平和と安定にとって重要な要素であることに同意した。両首脳は、主要な国際問題について深く議論した。多極世界秩序を構築することの重要性に合意した。インド洋太平洋地域を含む互いに協議と調整を強化することを決めた。また、国連、上海協力機構、BRICS、G-20などの多国間機関を通じて協力を継続することで合意した。

両首脳はまた、軍事、安全保障、原子力分野における長年のパートナーシップの重要性を再確認し、これらの分野における継続的な協力を歓迎した。語られなかった事項とは、冷戦期からインドはロシア製武器の良い顧客でした。しかし、ここにきて、インドは自国での軍事産業に乗り出していますので、論題にならなかったとみられます。

ロシアにしてみれば、クリミア侵攻以来、西ヨーロッパ諸国、それにアメリカとは、数度にわたる経済制裁により、関係が冷え込んでいます。ですから、今回のモディ首相のソチ訪問は、プーチンにとっては有益なものであったはずです。

■ロシア大統領、2024年の任期切れに伴い退任する意向表明2018年5月26日
プーチン大統領はロシア第2位の都市サンクトペテルブルクで開かれている国際経済フォーラムで記者団に対し、「ロシア連邦の憲法をこれまでも厳格に順守してきた」とし、「憲法には3選を禁止すると明記されており、これに従う」と述べた。

■日露首脳会談48分遅れ…北方領土進展なく会談後もトラブル続き2018年5月28日
安倍晋三首相は26日午後(日本時間同日夜)、ロシアのプーチン大統領とモスクワのクレムリン(大統領府)で会談した。しかし、今回も北方領土返還に向けた平和条約締結交渉を含め、具体的な進展はなかったもよう。会談はロシア側の都合で48分間も遅れ、会談後の共同記者会見も質問ができなくなるなど、トラブルが続いた。

■金正恩氏にロシア訪問を提案 プーチン大統領2018年6月4日
メリニコフ氏によると、訪ロの提案はロシアのラブロフ外相が5月31日に訪朝した際に金正恩氏に手渡したプーチン氏からの親書に盛り込んでいた。9月11~13日にウラジオストクで開かれる国際会議「東方経済フォーラム」に合わせた賓客として迎えたい考えだ。

9月の東方経済フォーラムには安倍晋三首相が出席する方針。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席も参加を検討している。プーチン氏には北朝鮮問題の関係国首脳を一堂に集めることで影響力を示し、米国に対する外交的立場を強める思惑がある。

■プーチン露大統領「ロシアはEUを分断しようとしていない」2018年6月5日
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はオーストリア訪問に先駆け、ロシアは欧州連合(EU)を分断しようとはしていないと発言した。プーチン氏はオーストリアの公共放送ORFに対し、EUはロシアにとって最も重要な商業・経済的パートナーであり、「一致と繁栄」を望んでいると話した。同大統領はまた、たびたび取りざたされているロシアの与党・統一ロシアとオーストリアの極右・自由党とのつながりを否定した。

■プーチン大統領、オーストリア訪問2018年6月6日
ロシアのプーチン大統領は5日、オーストリアの首都ウィーンを訪問し、同国のクルツ首相らと会談した。4期目の大統領就任後初めての外遊先として欧州連合(EU)内でロシアとの対話を主張するオーストリアを選び、欧州との関係改善に意欲を示した。オーストリアは7月からEU議長国に就任する。

今回の訪問は旧ソ連がオーストリアと天然ガス輸出に合意してから50周年となるのに合わせた。プーチン氏はファンデアベレン大統領との共同記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻に対して欧米が発動した経済制裁について「制裁は発動した側と対象国すべての不利益になる」「我々を含め皆が制裁解除に関心があることは明らかだ」などと述べた。

■プーチン「欧州諸国、対米貿易問題で私の忠告無視した報いに直面」2018年6月9日
プーチン氏は、米国が先週欧州連合(EU)とカナダ、メキシコに適用した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限と、経済制裁を同列視した上で「われわれのパートナーは、輸入制限と制裁という逆効果を生む政策が自分たちに決して降りかかってこないと思っていたようだ。だが現在、現実化しつつあることが分かる」と語った。

プーチン氏は、2007年のミュンヘンにおける演説で、米国が例外扱いを要求する姿勢の高まりと、他国に自らのルール受け入れを強いるリスクを警告していたと説明。それがまさに足元で起こりつつある現象であり、当時はだれも聞く耳を持たず、こうした動きを止めようとしなかったと嘆いた。

■習近平国家主席がロシアのプーチン大統領と会談2018年06月09日
プーチン大統領は、「ロシアと中国の全面的戦略的パートナーシップを深化させていくことはロシアの外交にとって優先的な方向となっている。両国の関係はこれまでの歴史の中で最も優れたレベルに達しており、国際平和と安全、安定を維持していく上で、重要な役割を発揮している。ロシア側は中国との経済貿易、投資、エネルギー、インフラ建設における協力を強化することを望んでいる。また、ロシアは中国が上海協力機構の議長国として加盟国の協力を推し進めている努力を賞賛するとともに、中国が青島サミットを成功させることを支持する。さらに国際地域における事務や国連、新興5ヶ国(BRICS)、G20サミットといった多国間の枠組みにおける両国の協調と協力を望んでいる」とした。

両国首脳は中ロの各分野における協力委員会責任者と両国外相の報告を聞いたほか、朝鮮半島情勢やイラン核問題といった共通の関心を抱く問題に関して踏み込んだ意見の交換を行った。

■モンゴル・ロシア・中国首脳会談でロシア、プーチン大統領の演説2018年6月10日
上海協力機構の第18回首脳総会中、開催された「モンゴル・ロシア・中国首脳会談」でロシアのプーチン大統領が下記のとおりスピーチを行った。

•3カ国は輸送インフラ開発で協力しており、去年、中国→モンゴル→ロシア→ヨーロッパ方面のコンテナ輸送量は2.7倍増量、2018年第1四半期に4倍増量となった。
•モンゴル横断鉄道及び関連鉄道についても更新する予定。2030年までの鉄道更新案件を作成中。2018~2020年に260百万USDを融資する。2016年、輸送業における政府間条約を調印。ロシア側が去年、承認済み。皆様も近々承認すると期待している。
•モンゴル側からロシア・中国間の石油輸送パイプライン、ガス輸送パイプラインをモンゴル領土経由で建設する要請を表明。基本的に我々が賛成している。ただし、詳細なFSを作成すべき。

■プーチン大統領 モスクワで文在寅大統領と会談2018年6月23日
会談で、プーチン大統領は「北朝鮮の非核化を目指す両国の姿勢は大部分で一致している」と述べ、韓国と協力する姿勢をアピールしました。これに対し、文大統領も「新たな対北朝鮮政策を掲げる韓国と極東の発展を目指すロシアの利益は一致する」と応じました。米朝の首脳会談が実現したことから、ロシアは朝鮮半島を巡る交渉から排除されることに危機感を抱いていて、韓国との親密さを演出してその存在感を維持したい考えです。

■イスラエルのネタニヤフ首相はロシアのプーチン大統領との会談でゴラン高原に隣接する地域のシリア政府の支配回復に柔軟な姿勢を示す2018年7月11日
プーチン大統領は会談冒頭、両国の政治軍事分野での協力関係の維持強化の必要を強調した。
ネタニヤフ首相は、イスラエルの領空・領土侵犯を徹底阻止するとして、イランの脅威に対抗する姿勢を示す一方、占領下のゴラン高原に隣接するダルアー県、クナイトラ県のシリア政府による支配回復に対して柔軟な姿勢を示した。

これに対して、ロシア側は、「イスラエルがシリア領内の拠点を爆撃することを黙認する一方で、イランに対してシリアからの撤退は、シリア政府に関わる問題であるために要求はできない」との姿勢で応じているという。

■プーチン氏が独演会 トランプ氏は米情報機関よりロシアを信頼? 融和姿勢は危険な賭け2018年7月17日
トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が首脳会談後に臨んだ16日の共同記者会見は、プーチン氏が自らの主張を一方的に主張する独演会の様相を呈した。トランプ氏はロシアの米大統領選干渉にも「理由がない」とし、あったとする自国の情報機関よりもプーチン氏を信頼するような発言でロシアの存在感を高める結果となった。

核問題でもプーチン氏に主導権を握られた。プーチン氏は、かつてトランプ氏が「一方的な合意」と呼んで批判した新戦略兵器削減条約(新START)について、2021年の期限切れ後の延長を主張した。

■プーチン大統領が爆弾発言 アメリカ・マスコミは報道せず2018年7月17日
ヘルシンキで行われた米ロ首脳会談で最も注目されたのは、プーチン大統領の記者会見での次の発言ではなかったか。

「この問題に関しては、ブラウダー氏の例を取り上げることができます。ブラウダー氏の仲間は15億ドル(約1680億円)をロシア国内で稼ぎました。しかし彼らはロシアでも米国でも税金を払わず、その金は米国へ送金されました。その内の4億ドル(約448億円)という巨額の金をヒラリー・クリントンの選挙運動に寄付したのです。これは彼らの個人的行為で寄付そのものは合法的なのかもしれませんが、その金は不法に得たものなのです。さらにこの金の受け渡しには米国の情報部員が関わっていたと信ずる確証を私たちは得ています」

この発言を無視して、今回の首脳会談のトランプ大統領を「ロシアにすり寄った」と批判するだけの米国の大半のマスコミは、はたして報道の公平性を貫いているか首をかしげざるを得ない思いだ。

■プーチン大統領、今秋訪米で調整 トランプ氏が招待2018年7月20日
米ホワイトハウスのサンダース報道官は19日、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領を今秋にワシントンに招待して会談する方向で調整していることを明らかにした。トランプ氏は19日、「ロシアとの首脳会談は大きな成功だった」とツイートし、「成功」と報じないメディアに「真の国民の敵であるフェイク(偽)ニュースのメディア」と矛先を向けた。その上で「2回目の会談を楽しみにしている」として、核拡散問題やサイバー攻撃、ウクライナ、中東和平などを議題にあげた。

■トランプ米大統領、プーチン氏との再会談を来年に先送り2018年7月26日
トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領との2回目の会談を、ロシアの米大統領選挙介入疑惑を巡る調査が終了した後の来年まで先送りする。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が25日、明らかにした。

トランプ大統領は前週、プーチン大統領を今秋にワシントンに招く意向を示していた。ただ、今月16日にフィンランドのヘルシンキで行われた初めての米ロ首脳会談でトランプ大統領が、米大統領選介入疑惑を否定するプーチン氏の見解に同調するような発言をしたことに米与野党から批判が噴出しており、プーチン氏への訪米要請を受けて再び非難の声が上がっていた。

■エルドアン大統領、プーチン露大統領と会談2018年7月27日
エルドアン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、南アフリカ共和国で開催された第10回BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)首脳会議の一環として二者会談を行った。

エルドアン大統領は、トルコとロシアは政治、軍事、経済、文化、貿易面すべてで非常に目覚しい上昇をつかんだと語った。

プーチン大統領も、両国間の関係発展に満足していると述べた。さまざまな危機を乗り越えることに関して両国は関係を常に継続し、経済面においても関係は発展すると述べたプーチン大統領は、「会談できて非常に光栄である。共同で取り組みを行っていることにも満足している」と話した。

■習近平主席、プーチン大統領と会談2018年7月27日
中国の習近平国家主席は26日、南アフリカのヨハネスブルクでロシアのプーチン大統領と会談を行い、夕食を共にした。

List    投稿者 dairinin | 2018-08-16 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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