2019-07-11

反グローバリズムの潮流(イギリスのEU離脱、その後。合意なき離脱に向けて突き進む?)

_107814688_leadercompイギリスのEU離脱は延長期限を3月29日から4月12日に一度延期されましたが、それまでにイギリス国会で離脱協定案の合意が得られず10月31日まで再延長されることになりました。しかし、ここまでEUとの交渉を重ねてきたメイ首相は5月24日に辞意を表明、イギリスでは党首=首相選挙が始まり、EU離脱の論議はストップしたままです。今後、イギリスのEU離脱はどうなるのでしょうか。

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まず、イギリス国民の意識ですが、EU議会選挙のブレグジット党の躍進や、次期首相を決める選挙でEU離脱強硬派のジョンソン前外相が圧倒的に強いことから、相変わらずEU離脱の方が国民の支持を受けていると思われます。イギリスの首相選挙もこのまま進めば、ジョンソン氏が勝利すると思われ、そうなれば、メイ首相の時代よりもイギリスは強硬な要望をEUにぶつけることになります。メイ首相のブレグジット方針を批判して外相を辞任したジョンソン氏にはその選択肢しかない。

しかし、EUも崩壊の危機を前に、これ以上の譲歩を行いイギリスにとって有利な条件で離脱が成功すれば、イタリアなど他にもEUを離脱すると言い出す国が現れかねない。従って、EUもこれ以上の譲歩は出来ない。そうなれば、合意なき離脱に至ることは、ほぼ確定的になって来たと思われます。

唯一、残されている別の道は、イギリス国会で内閣不信任案が可決し、総選挙になること。そして、グローバリズム勢力は総選挙でEU残留派が勝利して国民投票をやり直す未来を思い描いているようです。

しかし、EU議会選挙の結果を見る限り、イギリスが総選挙になだれ込んだ場合でも、ブレグジット党をはじめとするEU離脱強硬派が勢力を伸ばす可能性の方が高く、かなり高い確率でイギリスは合意なき離脱に突き進む可能性が高そうです。

 

■EU離脱再延期、イギリスは「6か月」で答えを出せるのか?2019年4月14日

イギリスのEU離脱期限の延長をめぐって協議したEU加盟国の首脳は11日、2度目となる離脱期限の延長を認め、新たなデッドラインを最長で10月31日に設定することで合意した。イギリスでは議会内で政治的な結論が見いだせない状態が現在も続いている。トゥスクEU大統領は11日未明に行った記者会見で、イギリスに対し「時間を無駄にしてほしくはない」と発言。オランダのルッテ首相も同日、「これが最後の延期だ」とコメントしてイギリスを牽制した。離脱期限が6か月延長されたものの、イギリスが期限内にどのような回答を出すのかは不透明だ。

■メイ首相の辞任―イギリスを凋落させる有権者の「有力感」とは2019年5月27日

メイ首相が昨年11月にEUと交わした離脱条件は、イギリスが今の立場で望める最大限の利益を確保するという意味で、現実的だったといえる。しかし、それぞれの主張を全く譲ろうとしない離脱派と残留派の挟撃は、メイ首相を辞任に追いやった。党派的イデオロギーが合理的な妥協をはねつける状況は、民主主義の模範とみなされてきたイギリスの凋落を物語る。

■反エリートの“英国のトランプ”がイギリスで人気を集める理由2019年5月29日

5月23日から投票が始まった欧州議会選。メイ首相の保守党を尻目に、EUから離脱できないことに憤る有権者の支持を集めたのが、英国の新党「ブレグジット党」だ。その原動力が、ナイジェル・ファラージ党首(55)である。

典型的な英国のアッパーミドルの家庭に生まれたファラージ氏。5歳の時、アルコール中毒だった株式仲買人の父が家を出て行く。それでも私立男子校でクリケット、ラグビー、さらには政治討論に夢中になり、18歳で金融街シティーの商品市場に飛び込む。天性の雄弁と人心掌握術でアッという間にトレーダー仲間と顧客の人気者になった。

EUと貿易戦争を繰り広げるトランプ米大統領とは「反EU」で利害が一致。「反エリート」「白人の復権」という政治信条も重なり、トランプ氏と一番気が合う英国の政治家でもある。

■英保守党党首選、第1回投票はジョンソン氏が1位2019年6月14日

イギリスの与党・保守党は13日、党首選の1回目の議員投票を行い、ボリス・ジョンソン前外相が114票で第1位となった。2位のジェレミー・ハント外相(43票)、3位のマイケル・ゴーヴ環境相(37票)と大きく差をつけている。

■ジョンソン前英外相、「合意なしブレグジットにもEUの協力必要」2019年6月25日

ジョンソン氏の賭けでは、10月末までにEU幹部と新たな通商協定を再交渉できるらしい。さらに、最も議論が分かれている難問、アイルランド国境をめぐるジレンマについても、離脱日までに解決できると語った。しかしそれは、「もしも」と「ただし」だらけの計画だ。ハロウィーンまでにEU幹部と議会がジョンソン氏のビジョンを支持するというのは、その見通しが英雄的であれ無鉄砲であれ、かなりタイトなスケジュールだ。

■「ジョンソン新首相」ならブレグジットは大混乱2019年7月3日

ポスト・メイ」を決める与党・保守党の党首選は、ボリス・ジョンソン元外相(55)とジェレミー・ハント外相(52)の2人が5回の議員投票を勝ち抜き、決選投票へと進んだ。

ジョンソン氏は記者などを経て2001年に下院議員、2008年から2016年までロンドン市長を2期務めた。2016年6月のEU離脱をめぐる国民投票では、「離脱キャンペーン」の旗振り役となった。離脱強硬派の代表格であり、合意のありなしを問わず、現在の離脱期限である今年10月31日にはEUから離脱すると主張している。

ハント氏はビジネス界出身で、2005年に下院議員に当選。2016年の国民投票ではEU残留に投票したが、その後、離脱支持に転向。10月31日までの合意は可能と見るが、期限の再延期も否定しない。「合意なき離脱」の可能性を排除しないが、望ましい選択肢ではないとの立場だ。

現状では、保守党員の間で人気が高いジョンソン氏が圧倒的優勢にある。イギリスの大手ブックメーカーによると、ジョンソン氏が新首相になる確率は8割超となっている(7月2日現在)。

ジョンソン氏は、離脱の方法として3案を示している。対するEU側は、原案以外を拒否しており、合意なき離脱のプランCしか選択肢がないことになる。

合意なき離脱の可能性が高まるが、それ以上に現実味を帯びてきたのが「再延期・総選挙」シナリオだ。合意なき離脱は、イギリス議会が内閣不信任決議でこれを阻止。新政権は退陣し、総選挙のためEUに交渉期限の再延期を要請。EUが承認する展開だ。

総選挙となれば、5月の欧州議会選挙で躍進したブレグジット党と、惨敗した保守党の間で離脱派の票が割れ、再国民投票を掲げる労働党中心の政権が誕生。来年にも2度目の国民投票が行われ、離脱撤回となる確率が高まる。

イギリス下院は7月後半から9月初めにかけ夏季休暇に入る。9月後半から10月初めにかけても各党の党大会実施のために休会する。10月末の期限に向けて、議会審議は極めてタイトなスケジュールとなる。

■英保守党党首選、ジョンソン氏とハント氏がテレビ討論 EU離脱やトランプ政権で激突2019年7月10日

イギリスの与党・保守党党首選に立候補しているボリス・ジョンソン前外相とジェレミー・ハント外相は9日、テレビ討論に参加し、欧州連合(EU)離脱について議論した。投票結果は23日に発表される予定。

ハント氏はジョンソン氏のブレグジット政策について批判。特に、10月31日までにEUを離脱できなければ辞任する用意があるのか問いただした。ジョンソン氏がこの質問に答えなかったのを受け、ハント氏は、ジョンソン氏は自分の野心を満たすためになろうとしていると批判した。

対するジョンソン氏は、ハント氏の「経営者的な」政治のやり方を否定、特定の問題について頻繁に意見を変える点を批判した。ブレグジットについては、ハント氏が10月31日というEU離脱期限に「全く真剣に取り組んでいない」「敗北主義者」だと巻き返した。その上で、ハント氏はクリスマスまでにブレグジットを実現させると約束するべきだと指摘。

ブレグジットについては、両氏ともEUとの合意なく離脱する可能性を示唆している。しかし、ジョンソン氏はその影響についてより楽観的な意見を持っている。ハント氏はジョンソン氏が「合意なしブレグジットのリスクを矮小化し」、「楽観主義を広めている」と批判、ジョンソン氏はイギリスはすでに「敗北主義でお腹がいっぱいだ」EUから離脱した後の輝かしい未来を楽しみにすべきだと話した。

また、合意なしブレグジットに踏み切るために議会を停会する案についても、ハント氏は全面的に否定、ジョンソン氏は「いかなる案も除外しない」と述べた。

List    投稿者 dairinin | 2019-07-11 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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