2020-11-20

イギリスのEU離脱、交渉期限が伸びアメリカ大統領選挙の結果とEU離脱がリンクし始めた。

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トランプ・ジョンソン前回、イギリスとEUの貿易協定協議の期限が1115日に設定されたとお伝えしましたが、その期限が1123日さらには12月中旬という見方も登場しています。さらには、アメリカ大統領選挙でバイデン氏が勝利した結果、イギリスはEUに妥協せざるを得なくなると言う観測も登場しています。今後どうなっていくのでしょうか。

 

まずは、イギリスとEUの交渉の状況です。交渉期限として設定された1115日ですが妥結には至りませんでした。英国のフロスト首席交渉官は15日、「1022日からほぼ毎日交渉してきた。ここ数日、少し進展もあった。しかし(EUとの合意は)うまくいかないかもしれない」と、ツイッターで弱音をこぼしました。そして16日、ジョンソン首相は「主権を持つ独立国としての英国の地位を損なうような提案は受け入れない」。協議が決裂しFTAを結べなくても「英国は繁栄すると自信を持っている」と主張。

一方で、ジョンソン政権でEU離脱を推進してきたカミングズ首席顧問が辞任に追い込まれ、アイルランドのマーティン首相が17日、合意を巡る「着地点」が交渉チームには見えていると発言するなど、イギリスがEUに妥協しそうな動きも見えてきています。

この動きに関係していると思われるのが、アメリカ大統領選挙の結果です。トランプ大統領は民族主義ですから、イギリスの合意なきEU離脱にも賛成し、イギリスとアメリカの貿易協定締結にも前向きでした。しかし、バイデン大統領は全く逆の立場です。バイデン氏はアイルランド系アメリカ人で、アイルランド紛争を再燃させかねないイギリスのEU離脱には反対の立場で、合意なき離脱など認めるとは思えません。イギリスとアメリカの貿易協定も締結できなくなる可能性があります。

アメリカ大統領選挙の結果とイギリスのEU離脱は、民族主義を推進するジョンソン+トランプと、グローバリズムを推進するバイデン大統領+EUとの対立という、ヨーロッパとアメリカを巻き込んだ大きな問題になってきました。

グローバリズムを推進する一派は、バイデン勝利、イギリスがEUの条件を飲んだ中途半端な離脱という結果を演出し、コロナ下にもかかわらず株価の異常な上昇を作り出しています。しかし、トランプ大統領はまだ負けを認めておらず、ジョンソン首相もぎりぎりまで交渉を続けるようです。

逆に民族主義を推進する一派は、トランプ大統領の劇的な逆転勝利にイギリスの合意なきEU離脱を同時期にぶつけ、株式市場を大暴落させることで、グローバリズムの息の根を止めることを狙っているのかもしれません。

 

■英とEU 自由貿易協定などの締結 交渉大詰め 20201114

イギリスとEUは、イギリスがことし1月にEUを離脱したあと社会の急激な変化を避けるための移行期間に入り、自由貿易協定などの交渉を続けていますが、漁業権や企業への補助金などをめぐる立場の隔たりから難航しています。

ジョンソン首相は今月11日、「可能なら合意したいがわれわれの求めをEU側が理解するかどうかだ。どんな結果になろうとも準備はできている」とこれまでの立場を繰り返しました。一方、EU側も、合意が望ましいとしながらもイギリスに譲歩を強く求めていて、交渉が妥結する兆しは今のところ見えていません。

移行期間は年末までですが、議会での承認手続きなども必要なことから、実質的な交渉期限は来週19に予定されている、臨時のEU首脳会議の前だとみられています。

■英首相「FTAなくても繁栄」 EUとの交渉最終盤で20201116

英首相官邸は16日、ジョンソン首相が「主権を持つ独立国としての英国の地位を損なうような提案は受け入れない」と述べたと発表した。協議が決裂しFTAを結べなくても「英国は繁栄すると自信を持っている」と主張、EUをけん制した。BBC放送が伝えた。

■婚約者の口車に乗せられ「軍師」を切ったジョンソン英首相の支離滅裂 漂流するブレグジット20201117

ボリス・ジョンソン首相が側近のリー・ケイン広報部長を慰留するため官邸首席補佐官に昇任させようとしたところ、首相の婚約者キャリー・シモンズ氏が猛反発した。結局、ケイン広報部長ばかりか「イギリスの怪僧ラスプーチン」と呼ばれるドミニク・カミングズ首席顧問まで辞任する騒ぎに発展した。

米大統領選で民主党候補のジョー・バイデン前副大統領が勝利したことでジョンソン首相は英・北アイルランドとアイルランドの間に「目に見える国境」を復活させかねない「合意なき離脱」を選択できなくなった。

3600人以上の犠牲を出した北アイルランド紛争に終止符を打った1998年のベルファスト合意は米民主党の政治的レガシー(遺産)。米民主党は紛争を再燃させる恐れのある「合意なき離脱」には一貫して反対してきた。

バイデン氏は敬虔なカトリック。曽祖父はアイルランド出身で、1850年にアメリカに移住した。同国にはバイデン氏のようなアイルランド系移民の子孫が人口の1割に当たる3300万人もいる。アイルランド系は米大統領選の「大票田」なのだ。

イギリスがEUとの「合意なき離脱」を選択すれば、アメリカのアイルランド系の怒りを買い、同国とのFTA(自由貿易協定)の締結はますます望み薄になる。

今回の内紛劇は大詰めを迎えたEUとの交渉でイギリス側に不利に働くのは必至だ。ジョンソン氏にあったのはどんな手段を使ってでも首相になりたいという願望だけで、何か自身のプランがあったわけではない。EU離脱という超難解キューブパズルの解き方を最初から頭に描いていたのはノン・エリートの象徴カミングズ氏を置いていないだろう。

データを重視した政策を実行するため、どんどん民間人を採用したことも官僚の反発を招いた。閣僚にも議員にも官僚にも官邸の主導権をカミングズ氏から奪い返したいという力学が働いていた。この対立構造に目をつけたのが官邸でジョンソン首相と暮らすシモンズ氏である。ちなみに首相が官邸で婚約者と暮らすのは史上初めてという。シモンズ一派はカミングズ一派が漂わせる男尊女卑の空気を毛嫌いしていたとも報じられている。

■英EUが来週初めに合意も、自由貿易交渉-「着地点」見え政治決断か20201117

協議の事情に詳しい複数の関係者によれば、正確な日時は決まっていないが、23日にも交渉の打開を発表する可能性に当局者は備えている。関係者によると、それでも障害となっていた問題で隔たりが残っており、協議が不調に終わることもあり得る。

アイルランドのマーティン首相は17日、合意を巡る「着地点」が交渉チームには見えていると発言。妥結できなければ「全員にとって政治的打撃が大きい」との認識を示した。

英国のEU離脱移行期間が終了する年末までの合意に向けた行程表は次の通り。

1116日月曜 ブリュッセルで協議が再開された

1119日木曜 EU首脳会議をバーチャル形式で開催

1120日金曜 EU加盟27カ国の大使級会合で、バルニエ首席交渉官が協議の進ちょく状況を説明。その後ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長との電話会談の可能性があるが、確認されていない

1123日月曜 ロンドンで協議を再開。週の初めに行き詰まりを打開し、合意に達することを当局者らは期待

121011日木、金曜 EU首脳会議。これまでに協定が締結されない場合、英国の単一市場からの無秩序な離脱への備えが重要な意味を持つだろう

1216日水曜日 欧州議会が協定に関する採決を予定。クリスマスと新年の間にずれ込む可能性も

1231日木曜日 英国のEU離脱移行期間が終了。通商協定が締結されない場合、年明け後は世界貿易機関(WTO)の条件に基づくEUとの貿易に自動的に移行する

■英EU貿易交渉に悲観論意地張り合いやまず 20201117

難航している英国と欧州連合(EU)の貿易交渉は、目標とされた今月中旬の合意が厳しくなってきた。主要な懸案の漁業や補助金規制問題で、「相手が譲歩するまで妥協しない」(英メディア)ような意地の張り合いを英EUがやめないからだ。双方は16日、ブリュッセルで折衝を続行。しかし、交渉当事者は事態が大幅に進展しないことにしびれを切らし、話し合いが決裂に終わる悲観論を語り始めた。

1022日からほぼ毎日交渉してきた。ここ数日、少し進展もあった。しかしEUとの合意は)うまくいかないかもしれない」。英国のフロスト首席交渉官は15日、ツイッターへの投稿で珍しく弱音を吐いた。

ジョンソン首相が設定した1015日の合意期限も、EUによる10月末の妥結期限も、双方に歩み寄りを促す効果はほぼゼロだった。その後、EU1119日に開くテレビ会議形式の首脳会議までに話し合いを決着させるシナリオが浮上したが、これも実現の見込みは薄い。15日付の「サンデー・タイムズ」紙は、英EUが「新たな期限」を23日とすることで一致したと報道。ただ、本当の合意期限は12月中旬だという見方がすでに広がっており、国家のプライドと地域の威信を懸けた「チキンレース(度胸試し)」は師走までもつれる可能性も取り沙汰される。

■ブレグジット:バイデン当選で窮地のジョンソン英首相と「追い風」と喜ぶEU20201119

トランプ政権は、ブレグジット(英国のEU離脱)に関して、特に積極的に介入せず受け身だった。そして、ジョンソン首相が提唱するアメリカとイギリスの自由貿易協定に関しては、好意的な姿勢で臨んでいた。

ここに、アイルランド系であることに強い誇りをもつバイデン大統領が登場する。大きな問題は複数あるが、最も先鋭的に対立していると言ってもいいのは、やはり北アイルランド問題である。9月にジョンソン政権が「英国国内市場法」なるものを発表したのだ。これが大問題を引き起こした。この「英国国内市場法」を、バイデン氏も批判していたのだ。そしてナンシー・ペロシ元米下院議長(民主党)は、声明で「英国が国際条約に違反し、ブレグジットがベルファスト合意を弱体化させるなら、アメリカと英国の貿易協定が議会を通過する可能性は絶対にないだろう」と述べた。

バイデン氏は、ジョンソン首相のことを「身体的、感情的にトランプのクローン」と呼んでいた。もっともトランプ大統領も首相のことを「イギリスのトランプ」と呼んで賛辞していた。首相は、どちらの側からもお墨付きの「ミニ・トランプ」だったわけだ。

移行期間終了の年末まで、あとわずか。バイデン大統領が登場するのは年明けだ。しかし、イギリスに好意的な米英貿易協定の望みは、ほぼ無くなってしまっている。

何か大きな動きがイギリスで起きるだろうか。起きるなら保守党は単独過半数をとっているので、保守党内部で何かが起きるか、市民の動きとなるだろうが、コロナ禍で身動きがとれないのではないか。

■英EU、対面協議を中断 貿易交渉、コロナ感染で20201120

欧州連合(EU)のバルニエ首席交渉官は19日、EUを離脱した英国との自由貿易協定(FTA)締結交渉をめぐり、フロスト英首席交渉官との直接協議を「短期間中断することを決めた」とツイッターで明らかにした。EU側の交渉担当者の1人が新型コロナウイルス検査で陽性だったため。

双方は合意に向けて対面での集中協議を続けてきたが、主要懸案での溝が埋まらず決着はいまだ見通せない状況。英国の「移行期間」が終わる年末までに残された時間はわずかで、決裂や時間切れへの懸念が一段と高まっている。

List    投稿者 dairinin | 2020-11-20 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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