2020-01-31

トランプ大統領のウクライナ疑惑(弾劾裁判は1月31日にも無罪で結審する?)

img_ce0a5ffec8f9652f907c806a8b7cbb866671871月16日に始まった、トランプ大統領の弾劾裁判、一体どうなっているのか調べてみました。本格的な審議は1月21日からで、まずは民主党が3日間にわたり冒頭陳述。そして24日からトランプ大統領の弁護側冒頭陳述が終わり、今は民主党が弁護側陳述に質問をしている所です。審議の状況はどうなっているのでしょうか。

にほんブログ村 経済ブログへ

相変わらず、マスコミは反トランプ色が強い報道があふれていますが、冷静な報道では、民主党側は明確な根拠を示せず、手詰まり感が漂っているようです。そして、唯一の望みが大統領の下補佐官ボルトン氏の証言ですが、これも共和党が反対すれば実現せず、今の所1月31日には無罪で結審する可能性が高いようです。

しかし、共和党からボルトン氏の証人喚問に賛成する寝返りが出る可能性も指摘されていますが、もし、そうなったとしても、ボルトン氏の証言は機密情報に当たり、非公開とされる可能性が高いそうです。

また、ボルトン氏が何を言っても、大統領との会話の録音が証拠として出されなければ、言った言わないの水掛け論で終わり、証言自体に証拠能力は全くありません

そもそも、上院は共和党が過半数を超えており、弾劾の成立のためには3分の2以上の賛成が必要で、ボルトン氏の証言がどうあれ弾劾が成立する可能性は殆どありません。民主党が弾劾裁判に持ち込んだのは、明らかに選挙対策であり、トランプ大統領のイメージダウンを狙ったものです。

しかし、弾劾でしっかりした証拠を示すことが出来ず民主党がまければ、民主党は評価を落とすことになります。民主党のこの戦法はかなり無理のある戦法だと思いますが、これ以外に大統領選挙で勝てる方法が無いと判断したのでしょう。何もしないで負けるよりは、ともかく何でも良いから可能性のあることをやってみると言うレベルの作戦で、もはや負けを認めているようなものです。

 

■上院の弾劾裁判始まる トランプ大統領「インチキだ」2020年1月17日

トランプ米大統領の「ウクライナ疑惑」をめぐる上院の弾劾裁判が16日、開廷した。米史上、大統領の弾劾裁判は3例目となる。本格的な審理は21日から始まり、100人の上院議員が陪審員になって、「権力乱用」と「議会妨害」で弾劾訴追されたトランプ氏を罷免(ひめん)するかどうか裁く。

ただ、罷免には出席議員の3分の2以上の賛成が必要。現在、与党・共和党が過半数を占めており、トランプ氏が罷免される可能性は低い。

■米トランプ大統領 弾劾裁判の審議開始2020年1月22日

アメリカ議会上院は21日、トランプ大統領の弾劾裁判の実質的な審議を開始しました。 共和党は、大統領の弾劾を求める検察官役の野党・民主党の下院議員団と大統領の弁護団に、 それぞれ24時間の冒頭陳述の時間を与えることなどを含めた裁判の進行案を提案し、 21日中に採決される見通しです。 上院で多数派を占める共和党は今月中にも裁判を終わらせ、 トランプ大統領の無罪判決を出したいとしています。 しかし、最大の焦点となっているボルトン前大統領補佐官の証人尋問を実施するかどうかは 今後改めて採決する方針で、証人尋問を強く求める民主党側と早期に裁判を終結させたい共和党側の 激しい攻防が予想されます。

■冒陳でトランプ大統領の罷免要求…弾劾裁判2日目2020年1月23日

野党・民主党の議員による冒頭陳述は3日間続き、民主党のシフ議員は「トランプ大統領がウクライナに対してバイデン前副大統領に関する調査を開始し、公表するよう圧力を掛けた」と主張しました。一方、トランプ大統領はツイッターで「圧力はなかった」と反発しています。民主党は大統領の側近らの証言を求めていて、証人を呼ぶかどうかの議論は31日にも始まる可能性があります。

■米弾劾裁判、「議会妨害」追及2020年1月25日

上院の弾劾裁判は24日、検察官役を務める野党民主党の下院議員団が3日目の冒頭陳述を実施した。2訴追条項のうち残る「議会妨害」について、政権に文書提出や証言を命じた下院委員会の召喚状をトランプ氏が無視するよう指示したと指摘。「憲法が定める下院の弾劾調査権を妨害した」と批判した。

この日で下院議員団による冒頭陳述は終了し、25日からはトランプ氏の弁護団が反論の冒頭陳述を計3日間行う予定。陪審員役の上院議員の質疑を経て、民主党が求めるボルトン前大統領補佐官らの証人尋問を認めるかどうかを決める。

■米大統領弾劾裁判…結論としてトランプが罷免されることはほぼない2020年1月25日

結論を先に言えば、トランプ大統領が罷免されることはほぼない。共和党から21人が賛成に回れば大統領弾劾は成立するが、現在、3人の「造反」候補とされるスーザン・コリンズ上院議員(メイン州選出)とリサ・マコウスキー上院議員(アラスカ州選出)の2人は凄腕のマコネル氏の締め上げが効いているので反対に回る可能性が高く、選挙基盤が弱いミット・ロムニー上院議員(ユタ州選出)唯一人が造反するといわれる。

仮に「ボルトン証人召喚」が実現したとしても、逆に共和党は民主党の大統領予備選挙の真只中にいるジョセフ・バイデン前副大統領の息子・ハンター氏を証人として召喚すべきだと“嫌がらせ”に出るだろう。痛し痒しなのである。

加えて、ビル・クリントン大統領(民主党)の弾劾裁判の当時は4人の証人を呼んだが全て非公開であった。従って、「ボルトン証言」も非公開となる可能性があり、世論を動かすほどのダメージにならない。

■色あせるトランプ弾劾裁判2020年1月28日

状況証拠という面では弾劾を実現させるような内容ではない点に民主党員も国民も気づいている。下院民主党による1月25日までの3日間の弁論とトランプ弁護団の初日の弁論を終えたところで、裁判の焦点は拙稿の中で指摘した「内部告発者が提供した昨年7月25日のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談から9月下旬の武器供与までの約2カ月に、下院民主党が指摘するような不正があったかどうか」に絞られた。そして、それを考えるための証拠は7月25日の電話記録の他に出ていない。

結局のところ、下院民主党による弁論からはトランプ大統領の2つの不正(権力乱用、議会妨害)を証明する事実は出てこなかった。検察役の下院民主党は、確実な証拠がないままに上院での弾劾裁判に臨んだということだ。

上院が1月22日に13時間もかけて決めた今回の弾劾裁判ルールでは、ボルトン前補佐官などの証人喚問を実施するには上院の決議で過半数を獲得する必要がある。共和党から4名の造反者が出ることを期待するのは、1月25日の論告終了時点では難しい。

■民主の切り崩し激化 ボルトン氏証言、共和「阻止票足りず」2020年1月29日

米メディアによると、共和党上院トップのマコネル院内総務は、党内の会議で「阻止するための票はまだ十分でない」と明らかにした。53人いる共和党議員のうち4人が賛成に回れば証言に道が開かれる。

共和党上院議員ではこれまで、ロムニー、コリンズの2議員がボルトン氏の証言に賛成するとの見通しを表明。同じく穏健派のマカウスキ、アレクサンダー両議員も前向きとされ、マカウスキ氏は28日、「ボルトン氏(の証言)はわれわれにとって助けになるのではないか」と述べた。

■トランプは弾劾裁判を逃げ切ってしまったのか?2020年1月30日

トランプ大統領の弁護団を率いるパット・シポローネ法律顧問は冒頭陳述で、「民主党は9カ月後に行われる大統領選挙の投票用紙からトランプ大統領を排除しようとしている」と反論しました。民主党のトランプ弾劾理由は「法的根拠はなく、政治的動機づけによるものだ」という認識を、米国民に持たせる狙いがあります。

今回の弾劾裁判の論点は、トランプ大統領に対する弾劾条項2項目「権力乱用」及び「議会妨害」が弾劾・罷免に相当するか否かです。にもかかわらず、ホワイトハウス弁護団はバイデン親子の批判に時間を費やしました。仮にバイデン氏が民主党候補になった場合、トランプ陣営はこのビデオをネット上で繰り返し流して、バイデン陣営に確実にダメージを与えるでしょう。もうここまでくると、弾劾裁判はトランプ支持者向けの選挙運動に変容してしまったと言わざるを得ません。

今回の弾劾裁判で誰が勝者になるのでしょうか。米ワシントン・ポスト紙とABCニュースの共同世論調査(20年1月20-23日実施)によれば、仮にトランプ大統領が弾劾されても罷免されなかった場合、10%が「民主党の勝利」、33%が「トランプ大統領の勝利」、51%が「どちらでもない」、6%が「分からない」と回答しました。この調査結果を見る限りでは、「引き分け」が過半数を占めています。

■米弾劾裁判、共和党議員らは早期結審に期待 証人招致の機運薄れる2020年1月30日

トランプ米大統領のウクライナ疑惑に関する弾劾裁判は29日、陪審員役を務める上院議員による質疑が始まった。共和党の議員らは、民主党が求めている証人招致は受け入れず、週内に「無罪評決」を出して結審する可能性を示した。

共和党のジョン・バラッソ上院議員は「31日に最終判断を出す方向に状況は明確に進みつつある。評決は31日になるだろう。質疑への応答を聞きたいとする議員もまだ数名いるが、方向性は出ている」と述べた。証人招致を巡る採決をいつ行うのかという問いには、31日の午後か遅くになる可能性が高いと述べた。

List    投稿者 dairinin | 2020-01-31 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2020/01/6795.html/trackback


Comment



Comment