2022-10-13

BIS(国際決済銀行)に関するメモ ~ 中央銀行と金と基軸通貨 ~

英国の金融危機が始まっている。英国とタックスヘイブンはドル基軸の一翼を担っている。これから危機はどう展開していくのか?
中央銀行とその本山であるBISから、金融システムの全体構造を紐解いてみる。

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前回の記事
>中央銀行はそれぞれに自国の政府を支配することを望み、そのために財政融資や為替の操作を行って国家の経済活動の水準に影響を及ぼした。また、実業界での経済的な見返りを約束することで、協力的な政治家に影響力を与えた。BIS(国際決済銀行)から各国・地域の中央銀行への号令

●BIS設立の経緯からBISの目的を探る
・1930年設立。第一次大戦の敗戦国ドイツからベルサイユ条約で決めた賠償の1320億マルク(当時の価格で金10万トンに相当)の金地金を取り立て、戦勝国(米・英・仏)へ受け渡すことを目的として設立。
・ドイツは全ての金を払えず、金を失った国内では信用通貨の増発。
 →1933年マルク増発による1兆倍のハイパーインフレ。
 →ナチスは金地金の支払いを拒絶。
・BISは、3366トンの金をドイツから接収(BISの総資産の64.5%)という。
・無国籍の銀行として、スイスの法に対する治外法権を持つ。
・一方BISの役員会は、戦中ナチスと交戦国双方の銀行家や産業界リーダーで構成。
・1938年、ドイツ軍がオーストリアを占領、ウィーンにあった大量の金を略奪、のちにチェコや占領したヨーロッパの各地で略奪した金と合わせて、国際決済銀行の金庫へ預けた。
※BISの設立に深くかかわっているのは、ロスチャとデルバンコと言われる。

そして、
・世界の1万1000の銀行間の国際決済網のSWIFTを管理。ドル基軸を支える役目も果たしている。
・BISは、中央銀行へのドルと金証券の貸し付けも行っている。
※ドイツからの金を元に(金プール)、金EFTとして、各国中央銀行への金リース。

★これらの情報からの仮説
・中央銀行の元手は金であること。紙幣は信用していない(中央銀行間のやり取りは金)。
・戦争になると、その国債の過剰発行→国の通貨が信用を失う。そのために国も金貸し(中央銀行)も、金を血眼になって追い求める。その中心機関として設立されたのがBISだった。
・戦後は、その金を元手に中央銀行を束ね、国際決済網を構築。

さらに
>一方、英国は、衰退する英ポンドを捨てて国際決済通貨を米ドルに乗り換え、米ドルの取引市場をロンドンに開設した。そこには、在米口座なら封鎖されるがロンドンの米ドル口座はそういう不安がないことを知った海外諸国(とくにソ連)の動きもあったようだ。こうして第二次大戦時に7億人以上といわれた旧大英帝国のポンド圏は米ドル取引の膨大な需要を発生させたが、それと同時に発達したのがタックス・ヘイブンだった。
リンクより引用 

戦後、英国覇権は失墜。第2次大戦は実質は、ロック(米)とロスチャ(英)の覇権争いだったが、負けたロスチャは、大英帝国をドル基軸にリンクさせるためにBISを活用したのだ。※したがって現在の英ボンド下落は、ドル暴落の前触れであり前哨戦になる可能性が高い。

【参考文献】
臨界点を超える世界経済 吉田繁晴
Currency Wars 宋 鴻兵

List    投稿者 inoue-hi | 2022-10-13 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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