ルーブルの復活とロシアの反撃
ルーブルの相場が急速に元通りになっています。
この原因とこれからどうなるかを考えていくと、重要なポイントとして、金兌換制とガスの支払い制限がある。
ロシア中央銀行は、2022年3月28日付で、ロシア・ルーブルを金兌換制に移行することを正式に発表した。
レートは金塊1グラムにつき5,000ルーブルです。
ルーブルは1グラム5000ルーブルで、1トロイオンス32グラム、つまり1オンスの金が16万ルーブルとする。
これを米ドルに換算すると、ドルでは1オンス1928ドルの金が、ルーブルでは1600ドルということになります。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、政府、中央銀行、ガスプロムバンクに対し、3月31日からロシア天然ガスに対するすべての支払いを「非友好的な国」からルーブルに切り替えるために必要な措置を講じる権限を与えた。
4月1日から天然ガスの販売代金を、これまでのドルやユーロでなくロシアのルーブルで払う必要が出てきた。
この二つの手が意味することは何か。
ガスと石油を必要とするヨーロッパ諸国は、そのためにルーブルを買う必要がある。そのために、金を使ってプーチンからルーブルを買うか、石油とガスの代金を金自体で支払わなければならなくなった。
金1オンス=16万ルーブル=1928ドルなのでルーブルとドルの為替レートは約80:1である。現物で考えると、為替市場で大きな価格破壊が起こるだろう。
ドル紙幣や国債を所有している国はそれを捨て、より安定した金やルーブルに移行するだろう。
これはルーブルにインフレ抑制効果をもたらし、時間の経過とともにルーブルの価値を高める。
その結果、外国がドル基軸通貨を捨てる=余ったドルが自国に大量に還流する。
そのためひどいハイパーインフレが引き起こされることになる。
結果としてドル基軸通貨は崩壊すると推測できる。
非常にスマートな一手です。デティールはさておき、この流れを予測した警鐘は多々あった。その中で、愚策を打ち続けるバイデンは何を考えているのか。
ここまで予測した一手があるのか、予測できなかったのか・・・
プーチンの今後の狙いは何だろうか
非友好国から金が集まってくる構造になる。そこにロシア、中国の単一通貨の戦略も重ね合う
と貿易取引でのさらなるドル離れ、新たな基軸通貨の登場となるか。
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山田 | 2022.04.01 10:14
要するに円なんか買ってる場合じゃないってことですね!