2020-03-26

どうなるアメリカ大統領選挙 コロナ感染拡大にもかかわらずトランプ大統領の支持率が急回復

K10012344841_2003231133_2003231150_01_02どんどん、コロナウイルスの感染が広まり、状況が悪化しているアメリカですが、何故かトランプ大統領の支持率は上昇しています。3月22日までの1週間の全米調査ではトランプ大統領への支持率が49%と、ギャロップ社がこれまで3年余り実施してきた同大統領に関する世論調査では最高レベルの数字を示したそうです。アメリカ国民はトランプ大統領のコロナウイルス対策をどう評価しているのでしょうか。

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最初の感染者が確認された1月21日以降、トランプ大統領の主要な発言を振り返ってみると、1月22日「たった一人だけだ。全く心配いらない。すべて状況はコントロール下にある」。30日「現時点で感染者は5人かそこら。その彼らも回復に向かっている。我々にとってハッピー・エンディングを迎えることになる」。2月10日「春までには騒ぎは収まっている。4月にはウイルスは消滅している。われわれの対策はすべて非常に良い状態にある」。26日「まもなく感染者は5人か、1~2人程度に減る。とにかくその数はアップではなく、ダウンしている。われわれは非常にラッキーだ」。3月4日、大統領「それは全くの間違いだ。自分の直感では1%以下だ。インフルエンザにくらべ、コロナウイルスははるかにマイルドであり、静かに座って、普通に仕事をしていれば、自然に治る」。7日、大統領「まったく心配無用。すべてうまくいっている」、とコロナウイルス感染の深刻さを軽視し続け、初期対応はお粗末の限りでした。

一方で、3月13日の「非常事態」宣言以来、手の平を返したように、ここぞとばかり思い切った緊急策を打ち出し始めました。そして25日には「総額2兆2000億ドル(約244兆円)規模」(トランプ大統領)に上る経済対策案を米上院が可決しました。

マスコミの報道ではトランプ大統領の支持率が上昇しているのは、アメリカ国民は危機に直面すると団結するからとか、大規模な対策が評価を受けたと分析していますが、果たしてそれだけなのでしょうか。

トランプ大統領が、世界の他の国の指導者と違うポイントは、コロナウイルスの危険性に疑問を持っていて、コロナウイルスを恐れて経済活動を停止するのではなく、対策は取りつつも経済活動を再開するべきだと主張している点です。トランプ大統領が指摘するように、コロナウイルスの致死率からするとマスコミの報道や、それに踊らされる世界の反応は異常とも思われます。

アメリカの大衆は、トランプ大統領が就任してからこの3年間、マスコミがロシア疑惑やウクライナ疑惑でトランプ大統領を一方的に叩き続けてきたにもかかわらず、その結果はマスコミの主張がことごとく退けられてきた経験があります。アメリカの大衆はコロナウイルス報道のうさん臭さを感じており、そこに真っ向から闘っているトランプ大統領の姿勢に共感しているのかもしれません。

 

■コロナウイルス危機はトランプ再選に赤信号か、神風か? 2020年3月23日

「政治生命にとどめ」、「いや国民は戦時下大統領に結束」-コロナウイルス危機がトランプ大統領再選に与える影響について、政府の対応ぶり含め、今のところ評価は真っ二つに分かれる。本論に入る前に、まずアメリカでの最初のウイルス感染者が確認されて以来、現在の深刻な危機に至るまでの大統領自身の言動と政府の対応ぶりを振り返ってみよう。

・1月21日、ワシントン州シアトルに中国から帰国した米国人が初感染。22日、トランプ大統領「たった一人だけだ。全く心配いらない。すべて状況はコントロール下にある」。30日、大統領「現時点で感染者は5人かそこら。その彼らも回復に向かっている。我々にとってハッピー・エンディングを迎えることになる」。

・2月10日、大統領「春までには騒ぎは収まっている。4月にはウイルスは消滅している。われわれの対策はすべて非常に良い状態にある」。26日、大統領「まもなく感染者は5人か、1~2人程度に減る。とにかくその数はアップではなく、ダウンしている。われわれは非常にラッキーだ」。28日、大統領「民主党の連中が騒ぎ立て、政治利用している。彼らの言っていることはでたらめだらけだ」。

3月4日、大統領「それは全くの間違いだ。自分の直感では1%以下だ。インフルエンザにくらべ、コロナウイルスははるかにマイルドであり、静かに座って、普通に仕事をしていれば、自然に治る」。7日、大統領「まったく心配無用。すべてうまくいっている」。

・11日、大統領が執務室から特別声明を読み上げ、英国を除く欧州諸国からの入国禁止措置を発表。13日、大統領が「国家非常事態」を宣言、感染拡大阻止のために各州向けに500億ドルの緊急援助を行うことを発表。15日、新たに感染者737人、死者11人が判明。19日、新たに感染者4530人、死者57人が判明。20日現在、米国内感染者総数1万4365人、死者217人に。

トランプ・ホワイトハウスは最初の感染者が確認された1月21日以降、3月初めに至るまで、コロナウイルス感染の深刻さを軽視し続け、初期対応はお粗末の限りだった。ようやく3月13日の「非常事態」宣言以来、手の平を返したように、ここぞとばかり思い切った緊急策を打ち出し始めた。

米国民は危機に直面した際に、発生時は大統領の下に結束するが、政府が対応を誤り、緊急事態収拾に手間取った場合は、大統領支持から離反するという教訓にほかならない。結局、トランプ大統領が再選を果たせるかどうかは、コロナウイルス危機をいかに早期に封じ込め、危機脱出後の景気回復に向けてどの程度の具体的成果を上げられるか―その一点にかかっているといえよう。

■米の感染者3万人超 増加に歯止めかからず 新型コロナウイルス 2020年3月23日

アメリカで感染が拡大する新型コロナウイルスについて、トランプ政権は感染者が3万人を超えたと明らかにし、感染者の増加に歯止めがかからなくなっています。ペンス副大統領は感染者が急激に増えたことについて「検査態勢の充実に力を入れているためだ」としています。

一方、トランプ大統領は、感染拡大が深刻化している東部ニューヨーク州と西部ワシントン州の要請に基づいて大規模災害に認定したと明らかにし、これによって2つの州は連邦政府による緊急の支援を受けることができます。感染拡大による経済への影響を和らげるため、合わせて2兆ドル(日本円で220兆円)に上る大規模な経済対策も検討していて、危機管理対応への批判をかわし、さまざまな手段を講じる姿勢を強調するねらいがあるとみられます。

■新型コロナウイルス感染収束後の世界はどうなっているのか?2020年3月24日

世界の中国依存は大きく後退するはずだ。これまでアメリカの中国封じ込め政策(貿易戦争、覇権争い)に冷ややかだったヨーロッパ諸国もファーウエイ排除などに転換するだろう。欧米企業も中国離れが加速し、サプライチェーンの組み替えが大胆に行われるだろう。これにより中国経済は衰え、中国の「アメリカを超える超大国」になるという「中国の夢」が困難になれば、アメリカ経済が回復した時点で世界はアメリカによる一極支配が強固になる。少なくとも製造業においては中国は没落する。

今回の新型コロナウイルス対策で、トランプ政権は明らかに後手を踏んだ。新型コロナウイルスはアメリカの大統領選挙を大きく変える可能性がある。サンダーズのような急進社会主義をアメリカ国民が受け入れる可能性もないとはいえない。トランプが敗れて民主党大統領になれば、アメリカ社会は大きく変わるだろう。とすれば、ついこの前のような「好景気」は戻ってこない。

■トランプ支持率急上昇のなぜ2020年3月25日

3月22日までの1週間の全米調査ではトランプ大統領への支持率が49%と、ギャロップ社がこれまで3年余り実施してきた同大統領に関する世論調査では最高レベルの数字を示した。3月前半の同じ調査では44%だったから、わずか2週間で5ポイントの急上昇となった。同じギャロップ社の調査でトランプ大統領のコロナウイルス対策への支持率が60%という高水準を記録した点だった。とくに共和党を支持していないアメリカ国民の間でもトランプ政権のウイルス対策に賛同する人たちが多いという結果が出た。

しかしここでわく疑問はアメリカのウイルス感染はまだ広がる一方で、トランプ政権は具体的な対策こそ連日のように打ちだしているが、その成果がまだみえていない点である。この疑問への答えは少なくとも二つ、考えらえる。第一はトランプ政権のコロナウイルス対策の国民へのアピールが前向きな反応を招いたという要因である。第二の理由は、アメリカでの国家の重大な危機には国民が一致団結する歴史的な傾向である。とはいえ、肝心のアメリカ国内でのコロナウイルス感染の拡大はまだ止まる兆しをみせていない。トランプ大統領の対策の真価が問われるのはこれからである。

■トランプ、4月中旬までの経済活動再開を表明「停止続けば国は崩壊」2020年3月25日

国内で感染者が急増しているにもかかわらず、新型ウイルスを再びインフルエンザと比較するなど、パンデミック(世界的大流行)の深刻さを軽視する姿勢を示した。「インフルエンザによって数千人が毎年亡くなっているが、国の活動をストップさせていない」とし、「経済活動を停止することで国を破壊する恐れがある」と懸念を表明。「イースターまでに米国の活動を再開させたい」と語った。

■ワシントンDC、1カ月間の企業閉鎖命令 生活に必須の業種除く2020年3月26日

米首都ワシントンDC当局は、新型コロナウイルスの感染防止のため、生活に必須の業種を除くすべての企業の閉鎖を命じた。期間は25日夜から1カ月。バウザー市長は声明で「生活に必須の業種を除くすべてのビジネスの現場での活動を一時的に停止するほか、10人以上の集会も禁止とする」とした。

■米国の死者、1日で最多の200人超 急増止まらず2020年3月26日

米国で25日、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)のために200人以上が死亡した。同国内で報告された1日の死者としてはこれまでで最も多かった。これで1月下旬に米国で流行が発生して以来の死者は、合計で928人になった。22日午前の326人から、わずか数日で急増した形だ。米国が次の流行の中心地になる事態も危惧されている。

■244兆円の経済対策案可決 新型コロナで史上最大 米上院2020年3月26日

米議会上院は25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「総額2兆2000億ドル(約244兆円)規模」(トランプ大統領)に上る経済対策案を可決した。個人への現金給付や航空会社などの企業支援策を盛り込み、米史上最大の景気浮揚策となる。採決手続きは下院に移るが、野党民主党内には上院案に異論もあり、議会通過はなお流動的だ。現金給付は、大人1人に最大1200ドル(約13万円)を4月に1回配る。航空会社を含む大企業向けに5000億ドルを充て、自社株買い禁止や役員報酬制限を条件として付けた。従業員給与の支払いを続ける中小企業に3700億ドル、医療体制整備にも1000億ドル超を計上した。

■トランプ氏の経済活動4月再開目標は「壊滅的」=バイデン氏2020年3月26日

バイデン氏は記者とのテレビ会議で「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)の効果が出始めた矢先に人々を仕事に復帰させれば、感染拡大の第2波を引き起こすだけで、米国民そして米経済にとって壊滅的なことになる」とし、「長期的にはより壊滅的な結果を引き起こすことになる」と警鐘を鳴らした。

List    投稿者 dairinin | 2020-03-26 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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