イタリアはコロナの死者が10万人突破、ドラギ新政権の行方は
イタリアでは、コロナウイルスの影響で、コンテ政権が崩壊。その危機的な状況を受けて2月12日に前欧州中央銀行総裁のドラギ氏が首相に就任。しかし、就任直後にコロナウイルスの第三派がイタリアを襲い、ロックダウンに追い込まれました。ドラギ政権のその後を調べてみました。
まず、イタリアのコロナウイルスの状況ですが、3月9日にはコロナの死者が10万人を突破、3月13日にはイタリアの半分の州でロックダウンが実施されました。そして経済の支援とワクチン接種の拡大のために、3月19日に4.2兆円の追加支援を、さらに4月9日には5.2兆円の追加借り入れを発表しています。
こうした経済対策にもかかわらず、経営が苦しくなった飲食店主などがローマやミラノで警官隊と衝突するデモを起こし、在イタリア日本大使館が注意喚起を行う状況となっています。そのためか、まだ感染者数が高止まりの状態にあるにもかかわらず、ロックダウンの段階的解除を表明することになりました。
ドラギ首相は前欧州中央銀行総裁で、EU復興基金を出来るだけ多く獲得することを期待されているため、国民も今は様子を見ていますが、国民の不満もそろそろ限界に達しているようです。厳しい状況に追い詰められつつあります。
■コロナ復興なるか、厳しい船出のイタリア新首相2021年3月4日
マリオ・ドラギ(前欧州中央銀行総裁)が、広範な支持を得てイタリアの新首相に就任した。ドラギはEUの復興基金による大きな財源を使って経済の再生を実現する役回りである。当面、ドラギは相互に異質な諸政党の間のコンセンサスを得て復興計画を取り纏め、4月末までに欧州委員会に提出せねばならない。
課題はそれだけではない。コロナウイルスを抑え込むことに成功しなければ、ドラギ政権は出鼻を挫かれ、復興と改革の努力は著しく制約されることとなろう。
■伊コロナ死者、10万人超 世界6番目、変異株増加2021年3月9日
ドラギ首相はイタリアで初めて新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)が実施された1年前には「想像もできなかった」死者数だと指摘。ワクチン接種を進め、一刻も早く日常に戻るため「あらゆる手段で国民の命を守る」と強調した。
■イタリア、全国の半分以上が「ロックダウン」…コロナ3次流行で「強力な防疫措置」2021年3月13日
イタリア政府は週間基準の新規感染者数が住民10万人あたり250人以上である州を 自動的に高位危険地域(レッドゾーン)と指定し封鎖するなどの内容を盛り込んだ行政命令を承認した。レッドゾーンに指定されれば、健康・業務などの理由がない限り外出は禁止される。食堂・酒場を含めた全ての非必須業務所は閉鎖され、学校の授業も遠隔へと転換される。全面的な封鎖に準ずる措置である。15日からイタリア全体の19の州および2つの自治地域のうち、10の州と1つの自治地域がレッドゾーンとなる。
■イタリア、4.2兆円コロナ追加支援策 ワクチン接種加速2021年3月20日
イタリア政府は19日、新型コロナウイルスで傷んだ経済回復を目指し、総額320億ユーロ(約4兆2000億円)の追加支援策を閣議決定した。企業や自営業者への助成やワクチン接種の拡大が柱となる。これまでの大規模な財政出動で2020年の政府債務は国内総生産(GDP)比で155%超と19年(約135%)から大きく悪化、ドラギ氏は「まだ債務削減を考える局面ではない」との見方を示した。
■イタリア、最大5.2兆円を追加借り入れへ-新型コロナ対策で資金枯渇2021年4月9日
新型コロナ不況で昨年のイタリア国内総生産(GDP)は約9%減少し、政府はこれまでに景気下支えで1300億ユーロ以上を費やしている。公的債務のGDP比は155.6%に上昇した。
イタリア政府は今月はバーとレストランを再び閉鎖。これに不満を爆発させたレストランのオーナーや企業主が今週、ロックダウン緩和と追加経済支援を求めてローマで警官隊と衝突する事態も発生した。制限は9日から大半の地域で幾分緩和される見込み。
■【注意喚起】新型コロナウイルス感染予防策に対する抗議デモ2021年4月13日
イタリア政府による新型コロナウイルス感染予防のための商業活動制限等に抗議するデモが各地で行われています。6日のモンテチトーリオ広場、12日のサンシルベストロ広場でのデモでは、治安当局との衝突があったとされています。不測の事態を回避するため、抗議活動が行われている場所にはくれぐれも近づかないようご注意ください。
■イタリア、感染防止策を段階緩和へ 店内飲食も一部可に2021年4月17日
イタリアのドラギ首相は16日、新型コロナウイルス感染防止のための規制を段階的に緩和していくと発表した。特に感染リスクが高いとされる「レッドゾーン」の州や地域を除き、26日から高校生は学校で授業を受けられる。「レッドゾーン」に指定された州や地域では引き続き、食料品や生活必需品を販売する店を除いて閉鎖を余儀なくされ、仕事や健康上の理由でない外出が禁止される。
イタリアは3月に入ると新規感染者数が2万人を超える日が相次ぎ、中旬には「第2波」が猛威をふるった昨年11月下旬の水準に逆戻りした。15日の新規感染者数は1万6974人。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2021/04/8221.html/trackback