2018-03-15

習近平国家主席の任期制限撤廃、中国は今後どうなるか

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習近平氏が国家主席の2期目を迎えた全国人民代表大会で、これまで国家主席は2期までとしていた憲法を改正し、任期の制限を無くしました。これで、中国は北朝鮮と同じ独裁国家になるという見方もあります。そもそも中国は毛沢東の独裁で文化大革命など国家が大混乱に陥った苦い経験があり国家主席の任期を2期に制限してきました。なぜ、ここで中国は任期の制限を撤廃したのか、中国はどこに向かおうとしているのでしょうか。

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独裁国家と言えば、ナチスドイツ、北朝鮮など、何をやるか分からない国家というイメージが強調されていて、それだけで悪いことのように言われていますが、今回調べてみると中国の独裁政権下を肯定的に捉えている意見も多くありました。主要な論点は以下です。

時代の激変期には迅速な意思決定が必要。話し合っていたら時代の変化に間に合わない。現代は中国だけでなく世界的に長期政権下が進んでおり、中国だけの問題ではない。

・民主主義国家に留学した中国のエリート層は、民主主義国家の指導層の無能ぶりや、社会の混乱状況を見て、今の中国の方がましだと実感した。

・中国は共産主義政権の独裁下で既得権益を持った勢力があちこちにあり、これを改革するために既得権益に対抗できる強い権力が必要

・中国では、個人や特定の利益集団のために人民や国家の利益に損害を与えるようなことがあれば、必ず人民は立ち上がって革命を起こし、そのような政府と執政党を転覆させ、国家が崩壊する。

特に興味深いと思ったのが、独裁政権がおかしなことをすれば、人民が革命を起こすと言う論点です。これを中国の高官が言っている事です。中国と言えば、共産党独裁政権で、言論統制もあり、大衆は押さえつけられているイメージでしたが、政府高官が必ず人民は立ち上がると認識している事です。

中国共産党が、言論統制を強めているのも、いつ革命がおこるか分からないと感じていることの裏返しなのでしょう。独裁政権と言えども国民を弾圧するようなことはできないのかもしれません。

しかし、この視点は国民に対して向けられたもので、そこに危うさも感じます。国内を統合するために、外に敵を創りだす手法は今も良くやられていて、中国、韓国が何かというと日本を敵視するのはまさにこれです。独裁政権が内政をまとめられなくなった時に、その矛先を国外に向け、暴走を始める可能性はあり、その場合、北朝鮮よりも中国の方が恐ろしい結果になりそうです。

 

■習近平氏、「終身」可能に 中国・全人代が憲法改正承認2018年03月12日

中国・北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)は11日、国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正を承認した。これにより、習近平氏が長期にわたって国家主席の座にとどまることが可能になる。全人代での投票は共産党指導部の方針を追認する形式的なものとみられているが、総投票数2964票のうち、反対は2票、棄権は3票だった。

習氏が3期目を務める可能性以外にも、全人代が承認するとみられている議題は以下の通り。◾習氏が2期目に入るにあたっての、政府要職の人事◾い権限を持った新たな反汚職機関の設置に関する法律◾「習氏の理念」を憲法に追加

■習近平長期政権に向けた改憲の狙いは?――中国政府高官を単独取材2018年2月26日

A:いや、メリットはある。残念ながら中共政権における腐敗は底なしだ。これを喰い止めるには絶大な権力が必要で、一般党員や党幹部が「恐れを抱く存在」が必要だ。

Q:では、腐敗を撲滅して、一党支配体制を何としても維持しなければならないために憲法を改正するということになるのか?

A:そうだ、その通りだ。

Q:しかし、中国共産党の一党支配体制を終わらせれば、特権階級が無くなるので腐敗も無くなるのではないのか?

A:それは否定しない。しかし人民は中国が「富強」になることを望んでいる。もし習近平に中国を「富強」の道へと導く力があれば、人民は習近平を支持するだろう。しかしもし、個人や特定の利益集団のために人民や国家の利益に損害を与えるようなことがあれば、必ず人民は立ち上がって革命を起こし、そのような政府と執政党を転覆させ、国家が崩壊する道へと突き進むことになる。

Q:今の人民にそこまでの気概があるだろうか?そもそも転覆運動のわずかな兆しでも見つけると、すぐに逮捕してその芽を摘んでしまっているではないか。

A:いや、人民は、そこまでバカではない。私自身、党員でもあるが、人民の一人でもある。本気で転覆させようと思えば実行できる。要は、ひとことで言うなら、腐敗を撲滅させるために最高指導者は絶大な権力を握っている必要があり、中共による一党支配体制を維持するためには、腐敗を撲滅する必要がある。そうでないと中国は「社会主義国家」という名称を返上しなければならないことになる。

Q:では、中国が民主化して西側諸国の価値観を導入しないようにするための布石だということなのか?

A:そうだ。その通りだ。

Q:中国の現状は、とても「社会主義国家」とは思えないが、それを本気で「社会主義国家」にしていこうというのが、「習近平新時代の中国の特色ある社会主義国家」の理念の一つと考えているのか?

A:まさに、その通りだ。

■「習近平独裁」を中国人はなぜ歓迎するのか

2018年2月25日、中国国営新華社通信は中華人民共和国憲法改定案を発表した。3月5日から約2週間にわたり開催される全国人民代表大会(全人代)で最終的に決まるとはいえ、既に党上層部のコンセンサスが取れているため、提案通りに改定されることは間違いない。実際に中国に住む市井の人々は改憲を、そして習近平の統治をどう考えているのだろう。

報道を見ると、習近平の改憲に中国人は大きな不満を抱いていると感じてしまうが、そうした理解には落とし穴がある。日本もそうだが、ネットのブームと現実のブームはまったく別物だ。政治に関してもネット世論と一般の世論は完全に異なる。大学生を含め、教養ある者にとっては政府の問題を批判し揶揄するのが当然という風潮があった。現在ではこうした風潮はすっかり消え去ってしまった。

こうした新たなトレンドの中でも、私が注目しているのが仕事や留学で海外の民主主義国での生活経験を持つ中国人による共産党支持だ。「憧れの先進国、民主主義国」だったはずが、実際に住んでみると社会問題は山積みだ。汚職もあるし格差もある。民主主義によって英明な指導者が生まれるかと思いきや、どちらかという衆愚の側面が目立ってしまう。「人権はないかもしれないが、強引に人民生活を向上させている中国のほうがまだましではなかろうか。少なくとも欧米メディアに書かれているほど悪い支配ではない」との思いを抱く人が生まれているのだ。

■世界は独裁化に向かっている。習近平・プーチンが長期政権化  2018年3月4日

今こんな極端なことを言う人はいないと思いますが、世界は独裁化に向かっていると私は見ているのです。戦争などでしょっちゅう情勢が変化するでしょう。あるいは金融情勢もしょっちゅう変化する。すぐに国が乗り出さないといけない局面があるのですね。それは高いレベルの政治判断で、民主主義的な手続きを議会で踏む。それから国民の意見を細かく聞いていたりすると時間が経ってしまうのです。その時間が経つことによって“国益”、この場合は国家の利益と国民の利益の双方を失うことが非常に多い。それならば独裁という傾向を強めなければいけないということを、どの国民も心の奥深いところで思っていると思います。

中国はそこに行くとやはり経済的発展という土壌というか、最下層も全部含めて生活水準が上がってきているという経済活動の変化というのは、習近平さんにとっては大変な追い風になっているのではないですか?それが、必ずしも追い風になるとは私は思いません。

生活に余裕が出て来ると中産階級が出ますよね。中産階級というのは権力に批判的になりますから。だから逆に中国の経済が良くなって中産階級ができると反体制派が強くなるということです。リーダーというのは本当に大変だと思いますよ。あの人たちは単なる権力欲で動いているのではないのです。

■中国国家主席の任期撤廃で習近平は「独裁者」になるのか2018年3月14日

今回の全人代では憲法改正も審議され、修正案にあった「国家主席・副主席の任期は2年を超えない」という規定が撤廃された。習近平は独裁強化を目指すのか、目指すとしたらそれはなぜか、今後はどんな展開になるかを考えてみたい。

中国政府の目指している発展は、GDPを発展の基準にせず、中高速の成長率をキープするというものだ。そのため中国政府は、今年の経済成長率を6.5%前後と設定した。高い成長率を無理に求めず、「発展の質・効率の向上の重視」という方向性を体現しており、2020年までに「小康社会」を全面的に完成させるという目標にも合致したものであると述べている。

先に挙げた「報告」の取り組みの中で、人々の獲得感に直接つながるのは、民生の保障と改善だ。「民生の最低ラインを断固として守り、人民大衆の獲得感・幸福感・安心感」を不断に高めていくとして、就業・起業を促進するための措置、農民工の雇用拡大及び、賃金未払い問題の解決、社会の最低賃金基準の調整、農村の児童・生徒の中途退学率の引き下げ、都市部の「大班額(すし詰め教室)」の解消、授業以外の負担が過重な問題の解決、「健康中国」戦略の実施、食品や医薬品の安全確保、大衆の住宅問題の解決などの措置を挙げている。

現在、中国は社会主義強国に向けて改革を進める必要がある。改革を断行すると、必ず既得権益層の厚い壁にぶち当たることが多く、弱い指導者のもとでは改革が骨抜きにされる恐れがある。また、現在の中国共産党は、大衆の支持を無視することはできない。中国共産党は人民の獲得感を強める政策を重視している。ただ、それを形にしなければ人民の支持は得られず、結果を出すにはスピードが必要だ。そのため、現在の習政権は習近平一人に権力を集中させて「改革独裁」をしようとしているようにも見える。

確かに習一人に権力が集中するが、現在の中国は世論による“監督”も働いているので、我々がイメージするような独裁にはならないと筆者は考える。

■習近平「独裁」体制は大きな悲劇を招くだろう2018年3月15日

経済が順調に発展すれば、韓国、タイ、インドネシアが民主化したように、中国も民主化されると考えられていた。しかし、それは西側に住むインテリの勝手な思い込みだったようだ。

辞めることが分かっている政権であれば、時が来るまでじっと身をひそめて待つことが可能である。つまり任期が明確であることは、権力が暴走することを防ぐ。64歳の習近平が死ぬまで政権の座に留まる可能性が出た以上、若手でも習近平に近づかざるを得ない。本心であろうが、面従腹背であろうが、とにかく忠誠を誓わなければ生きて行くことができない。

独裁が長引くに連れて、独裁者に近いというだけで、それほど能力のない人物が枢要なポストに任命されるようになる。なかには“ごますり“しか能がない人物もいるだろう。既に中国では、習近平のこれまでの任地であった陝西省、福建省、浙江省において習近平と親交を深めた人々が重要なポストに抜擢されるようになっている。どの独裁でも同じだが、独裁者の耳には心地より情報しか入らなくなる。それが独裁者の判断を誤らせる。

小国の独裁は大国の意向にそったものであり、独裁者といえども全能ではない。現在の中国は大国である。そのトップは他の国の思惑を忖度することなく、国際社会に挑戦することができる。その挑戦は国際社会にとって極めて危険な出来事になる。今後、思うように経済が発展しなくなると、習近平政権は国民の支持をつなぎとめるために、台湾への軍事進攻など言った思い切った手段に出る可能性がある。それは東アジアを大きな混乱に巻き込むことになろう。

List    投稿者 dairinin | 2018-03-15 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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