マイナス金利導入でアベノミクスは万策つきた
年初来、世界的な株安、原油安などの不透明な経済の動きが加速していますが、日銀はとうとうマイナス金利を導入しました。これは何を意味するのでしょうか?
下記の参考記事では、日銀の金融調節が不調になって、本格的な日本売りが始まるリスクを指摘しています。
<マイナス金利導入で一番打撃の大きいのは実は日銀(政府)である>
今年は、いよいよ世界的な経済破局に突入する可能性もあり、経済情勢から目が離せそうにありません。経済破局は来るのか?という観点から追求して行きます。
嘘に嘘を重ねてきたアベノミクスですが、日銀のマイナス金利導入は、もう万策がつきたということを意味すると思われます。
アベノミクス3本の矢と言われた政策は、①異次元の金融緩和、②大幅な財政出動、③新たな成長戦略でした。核弾頭となったのが①異次元の金融緩和で、主な内容は、年間80兆円規模もの日銀の国債買い入れ、超低金利などでしたが、結果の実態はデフレ脱却はできず、GDPもほとんど成長していません。
追い詰められたアベノミクスが、最後の悪あがきとして打ち出したのが日銀のマイナス金利導入ということですが、これでは市中銀行が日銀に国債を預けたら利息どころが、逆に手数料を取られてしまうことになります。
マイナス金利導入の理由は、市中銀行が企業に融資することを促進する、お金を貯めずに使わないと損になるからデフレ対策になるなどと説明されていますが、そうなる保証は何もありません。そもそもお金は余っており、企業が借りてくれないから市中銀行の経営は国債の利息に頼っているのです。デフレは市場縮小・供給力過剰に伴う構造的な問題であり、マイナス金利になったからと言って克服できるものではありません。(先にマイナス金利を導入した欧州では、結局効果はなく、完全に失敗に終わっています。)
マイナス金利導入は、市中銀行にとっては国債を引き受けるメリットがなくなるということを意味し、日銀にとっては誰も引き受け手がいなくなるわけですから、もう国債は発行できなくなるということを意味します。
何のメリットもないばかりか、金融秩序が崩壊してしまうリスクの方が大きいにもかかわらず、マイナス金利導入に踏み切ったのは、ドル防衛(ドル高、円安)=米国経済延命のために米国から押しつけられた可能性が高いと思われます。米国の悪あがきに日本も付き合わされている格好ですが、もはや、米国も日本も万策がつきたと見ておく必要があると思われます。ドル基軸通貨体制の崩壊は、目の前に迫っています。
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