2019-07-02

アメリカは、イランを叩き欧州から信頼を失っている。

アメリカがイランを強烈に批難して、経済制裁を課しています。
安倍首相が、仲介役としてイランに行きましたが、状況は改善していません。

そもそも、何が問題なのか? 何故にアメリカは怒っているのか?
世界の国々は、アメリカとイランのどちらの味方なのか?

日本のニュースは、アメリカのニュースのコピペなので、アメリカが正しい(≒イランが悪い)のニアンスで発信されているので、アメリカがまずい内容は出来るだけ発信しないので、内実が把握しにくいのです。

まずは、「イランの核合意」について、ダイジェスト版(下記)を押さえておきましょう。

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■イラン核合意(朝日新聞より)
2002年にイランでウラン濃縮施設が見つかったことを契機に、同国が核兵器を持てないよう米英仏独中ロの6カ国、欧州連合(EU)が15年にイランと締結した。

イランが15年間、核兵器に転用できる高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを製造せず貯蔵濃縮ウランや遠心分離機を削減する見返りとして、対イラン制裁を緩和する。

トランプ米大統領は2018年5月に核合意離脱を表明、同年11月までにイラン産原油禁輸など合意に基づいて解除されていた制裁をすべて再発動している。
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6ヵ国合意なのにあまりかが一人で脱退!!
イランは約束を守っていないと云い出して、経済制裁を始めたのです。
英仏独のヨーロッパ3国も、この件でアメリカ批判をしています。

アメリカとヨウロッパの関係が大変化しています!!
中国・ロシアは当然にイランの味方です。

つまり、全員に反対されているのに、アメリカは一人で暴れているのです。

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■ヨーロッパ3カ国首脳、核合意遵守の支持を強調
(2018年05月18日http://parstoday.com/ja/news/world-i43990 )

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イギリスのメイ首相(中)、フランスのマクロン大統領(右)とドイツのメルケル首相(左)
イギリス、ドイツ、フランスのヨーロッパ3カ国の首脳が、ブルガリアの首都ソフィアで3者会談を行った後、どのような状況においても核合意を維持することを求めました。
レバノンのアルマヤーディーンチャンネルによりますと、イギリスのメイ首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル首相は17日木曜、ソフィアで核合意に関する会談を開催しました。

この3カ国の首脳は、共同声明の中で、「核合意のすべての参加国は、この合意を完全に守るべきだ」と強調しました。
フランス、イギリス、ドイツは、核合意に関する取り決めを守るようイランに要求するとともに、核合意の維持を保障することを強調しました。
この声明はまた、核合意の維持を強調するとともに、イランのミサイル計画と地域活動に対抗するとしました。

アメリカが今月8日に核合意から離脱したことを受けて、ヨーロッパは核合意を維持しようと努力しています。
トランプ大統領は核合意からの離脱を宣言した際、イランに対する制裁の復活に署名し、イランとの貿易に関してヨーロッパ諸国に警告を発しました。
イランは、核合意の利益が保障された際にのみ、核合意にとどまると宣言しています。
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イギリスはこれまでは最大のアメリカの味方だったはずなのに、大阪G20でイギリスの名首相が、「トランプさん、いいかげにしなさいよ」と語っています。

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■イギリス首相が、核合意の署名国との協力を強調(2019年06月30日http://parstoday.com/ja/news/world-i54065)

イギリスのメイ首相が、日本・大阪でのG20サミットの傍ら、イギリスは核合意の残留国との協力を継続すると強調しました。
タスニーム通信によりますと、メイ首相は、核合意の重要性を強調し、「この合意は、国際的に重要なものであり、イギリスはこの合意を遵守している」との見解を表明しました。
また、「イギリスは、核合意の他の署名国との協力を継続し、この合意の維持に向け全力を尽くすだろう」と語りました。
メイ首相はさらに、ペルシャ湾の最新情勢の変化について、緊張の拡大は誰の利益にもならないとし、この問題の政治的な解決策の模索を強調しました。

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トランプの本心は分かりませんが、来年の大統領選までは、イスラエル(米国の経済界を握るユダヤ有力人が多い)の人気取りで、イランを叩いている可能性も考えられます。

敢えて欧州と険悪関係を作り、欧州にロシアにアプローチすればと促しているかのようにも見えます。

どちらにしろ、日本のマスコミでは、アメリカの不都合なニュースは、最低限しか流されない、情報コントロールされている事を肝に銘じましょう。

by猪飼野

List    投稿者 dairinin | 2019-07-02 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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