2017-08-10

反グローバリズムの潮流(ポーランド、ハンガリー)

ポーランド議会選挙、EU懐疑派の保守系野党が勝利宣言半年ほど前にヨーロッパで反グローバリズムが台頭してきていることを紹介しましたが、ポーランド、ハンガリーでも反グローバリズム勢力が躍進していると言う報道がありましたので紹介します。興味がある方は、過去の記事もご覧ください。

反グローバリズムの世界潮流はポピュリズムなのか2016-12-16
反グローバリズムの潮流(イタリアの五つ星運動)2017-01-04
反グローバリズムの潮流(フランスの国民戦線)2017-01-13
反グローバリズムの潮流(オランダの自由党)2017-01-20
反グローバリズムの潮流(オーストリアの自由党)2017-01-26
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ヨーロッパで反グローバリズム勢力が台頭してきている理由は明らかで、自由経済を導入すれば経済が活性化し、みんなが豊かになると言われて、希望をもってEUに加盟したのに、その結果は、競争の激化で勝ち組よりも負け組が多く、貧富の格差が増大し、多くの人が期待を裏切られたからです。そして、EUの中の最優等生であるドイツでさえもフォルクスワーゲンやドイツ銀行と言った主要企業の経営悪化に見舞われており、自由経済を導入すれば豊かになると言うのは嘘だという事が明らかになって来ているのです。

ポーランドとハンガリーも全く同じ状況で、ソ連崩壊後に民主化を果たし、西ヨーロッパ経済に参加した当初こそ経済拡大できたものの、近年では他のヨーロッパ諸国同様に、経済状況の悪化、貧富の格差増大に悩まされています。

自由経済は、弱肉強食の世界ですから、ごく一部の強い企業に富が集中し、過半の企業、多くの国民は逆に貧しくなることは、少し考えてみたら誰でもわかるはずです。ヨーロッパ諸国でポピュリズム=反グローバリズムの動きが起きているのは、その結果であり、グローバリズム=自由経済でみんなが豊かにうなると言うのは嘘だという証拠でもあります。

そして、マスコミはこの事実を隠して、ポーランド、ハンガリーでも極右、独裁政権が力を伸ばしており、この動きを阻止しないといけないと言う報道を行っていることも、全く同じです。マスコミ報道に騙されてはいけません。グローバリズム=自由経済の下では、一部の勝者に富が集中し、貧富の差が開く=貧しくなる人の方が多いのは必然であり、そんなグローバリズムに大衆が反対するのは正当な反応なのです。

ポーランド、ハンガリーにもポピュリズ
東欧を代表するポーランド、ハンガリーでは、ポピュリズム政党が台頭した。多くの国民が経済成長に取り残されて閉塞感を強め、かつ彼らがアフリカやシリアからの難民問題に反感を募らせる機会をうまく捉えて、民主主義の形骸化を図ってきた。もっとも有名なのはEUの難民割り当てをポーランド、ハンガリーともに強く拒否していることである。
ポーランドでは2015年の大統領選、総選挙で福祉充実、大幅減税を公約に掲げた「法と正義」(PiS)が勝利を収めた。PiSのシドゥウォ首相は退職年齢の引き下げ、個人所得税の非課税枠を大幅に引き上げ、子供手当ての支給など国民受けする政策を次々に打ち出し支持を固めた。もちろん財政事情の悪化が懸念されている。その一方で同政権は憲法裁判所の無力化を図り、政権が決定した法案の違憲判断を事実上困難にした。
ハンガリーも2010年の総選挙で国民議会の2/3を占める圧勝によりオルバン首相が再選された。オルバン首相は基本的人権を無視し、言論の自由を制限して、難民を敵視する政策を取ってきた。オルバン首相は連立政権に有利な国会運営を期した憲法改正などを通じて基盤を固める一方で、難民問題ではポーランド同様にEUへの非協力的姿勢を示して国民の支持を広げている。
最近話題となったのはハンガリー出身の著名投資家ジョージ・ソロス氏が1991年に創設した「中央ヨーロッパ大学」を閉鎖に追い込もうとしていることだ。社会のオープン化ひいてはハンガリーの民主化を標榜する同大を閉鎖してソロス氏の影響力を殺ぐのが狙いである。
このままでは、ロシアのプーチン大統領が狙うNATOの弱体化、EUの分裂にも格好の材料となりかねない。とはいえ、EUの対抗策は決め手を欠き、ポーランド、ハンガリー国民のデモクラシーを取り戻すという覚醒を待つ以外に有効な手はなさそうだ。

ポーランド議会選挙、EU懐疑派の保守系野党が勝利宣言
PiSの獲得議席は1989年の共産党政権崩壊以降で単独政党として最大規模になる。PiSのヤロスワフ・カチンスキ党首は勝利を宣言するとともに「われわれは窮迫した人々の背中を蹴るようなまねは決してしない。ポーランドの日常生活は変わり得るのだと証明する必要がある」と記者団に語った。
ポーランド経済は過去10年間で50%近く拡大し、PO政権はEUの支援を最大限活用しながら財政規律も維持してきた。しかし貧困問題は解消されず、PiSは国民の一部にある経済成長の果実が公平に享受されていないという不満に訴えかけ、貧困層への福祉予算拡大を公約している。
今回の選挙結果を受け、中東や北アフリカからの移民問題でもポーランドはハンガリーやスロバキアと足並みをそろえてEUが掲げる受け入れ分担に異議を唱える見込みで、EU内で特に移民受け入れに前向きなドイツとの亀裂が深まりそうだ。

フィデス=ハンガリー市民同盟
オルバーン首相やフィデスを強権的、独裁的、極右、欧州懐疑主義政党などと報道することがある(ニューヨーク・タイムズ、CNNなど)。しかしフィデスはキリスト教民主主義・保守主義の中庸市民政党であって、極右政党はおろか、EU脱退を主張したことも一度もなく、これらは極めて不正確である。
結成直後、共産主義政権下で認められていない政治団体の結成であるとして、官憲により解散を迫られた。若い法律家や経済学者によって結成されたフィデスは、反共産主義(反社会党)を党是とした。このため1994年に自由民主同盟が社会党と組んで決別して以降、フィデスは保守主義、キリスト教民主主義色をより強く打ち出し右派政党となった。
ハンガリーでは民主化以降、旧共産党(現社会党など)の左派と、連立を組んだ自由民主同盟のリベラル勢力に対し、かつてのハンガリー民主フォーラムや独立小農業者党、現在はフィデスが代表する右派との間で、国を二分する激しい政治対立が存在している。
ハンガリーのこうした深刻な政治対立を反映して、民主化以降、左派・リベラル政党・メディアを支持する欧米の政治家・メディアがハンガリー右派政党を批判する状況が続いている。

ハンガリー
1980年代後半になると、ソ連のペレストロイカとともに東欧における共産党独裁の限界が明らかとなった。1989年10月23日、ハンガリー共和国憲法施行により、多党制に基づくハンガリー第三共和国が成立した。1990年代、ハンガリーはヨーロッパ社会への復帰を目指して改革開放を進め、1999年に北大西洋条約機構 (NATO) に、2004年に欧州連合 (EU) に加盟した。
ハンガリーは1989年の体制転換以来、外国資本を受け入れて積極的に経済の開放を進めた。その結果、1997年以降年間4%以上の高成長を続けるとともに、2004年には経済の民間部門が国内総生産 (GDP) の80%以上を占め、「旧東欧の優等生」と呼ばれるほどであった。また2004年の欧州連合加盟は、当時のハンガリー経済にとって追い風になった。
しかしその後、インフレーションと失業率が増加して貧富の差が広がり、社会問題として常態化した。また巨額の財政赤字も重要な課題であり、現政権が目標とするユーロ導入への見通しは立っていない。

List    投稿者 dairinin | 2017-08-10 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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