2020-07-16

フランス地方選挙でマクロン政権惨敗、アフターコロナでマクロン大統領の経済優先の政策は見限られた?

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628日に行われたフランスの統一地方選挙で、マクロン大統領率いる与党「共和国前進」は各地で惨敗しました。パリをはじめ主要都市の市長選挙で敗北、当選したのは首相を務めるフィリップ氏の北部ルアーブル市長のみだったようです。躍進したのは環境政党・緑の党と、極右の国民連合でした。この敗北を受けてフィリップ首相を含めて内閣は総辞職し、新首相には知名度の低い官僚のカステックス氏を指名しました。フランスの経済再生を期待されて当選したマクロン大統領、なぜこれほど評価が低下したのでしょうか。

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マスコミの報道では、新型コロナウイルスや雇用問題の対応への不満や、気候変動問題への関心の高まりを受け環境政党・緑の党が躍進したことなどをあげていますが、分析としては浅い印象です。もう少し掘り下げて見ましょう。

マクロン大統領は選挙の前の615日に、コロナで大打撃を受けた経済の再生、ロックダウンの解除加速と、海外に頼っていた産業の国内化する形で経済を再生することを提案しました。しかし、国民の支持は得られませんでした。惨敗という結果です。これは明らかに国民の意識が変化し、経済再生が最優先でなくなったことを意味しています。

マスコミはその変化を、気候変動問題への関心の高まりと分析していますが、直近では異常気象に伴う災害は起こっていません。したがって、国民の意識が変わったとすれば、コロナウイルスによる変化だと思われます。コロナウイルスによる活動の自粛の中で、人々は不要不急な活動の停止を求められ、本当に必要なものが何かを都市封鎖の期間、考えざるを得ない状況になりました。

その中で、現在の市場にあふれている商品の中に本当に必要なものは、ごく一部でしかないことに気づいたのでしょう。その結果、経済の活性化よりも重要なものがあると実感したのだと思われます。地球環境もその中の一つでしょうし、フランスの文化を守ると言う国民連合の政策もその一つだったのではないでしょうか。

 

■仏マクロン「新型コロナ後は経済の独立性高める必要」2020615

フランスのマクロン大統領は14日、テレビ演説を行い、新型コロナウイルス感染防止のためのロックダウン(都市封鎖)解除を加速させると表明すると共に、コロナ危機後は、国内経済の独立性を高めることが重要だとの認識を示した。

マクロン氏は、新型コロナにより、フランス、そして欧州が、自動車からスマートフォン、医薬品など様々な産業で世界のサプライチェーンに依存し過ぎていることが露呈されたと指摘。「唯一の解決策は、より強固な経済モデルを確立し、生産を増やし、他国に依存しないことだ」と説明した。

フランスの新型コロナによる死者は29300人を超えており、マクロン政権は、経済・社会改革の保留を余儀なくされている。

■フランス地方選でマクロン与党惨敗、求心力低下鮮明に パリ市長選も敗北2020629

フランスで統一地方選の決選投票が28日行われ、マクロン大統領率いる与党「共和国前進」が各地で惨敗した。新型コロナウイルスや雇用問題の対応への不満を反映したとみられる。一方、気候変動問題への関心の高まりを受け、環境政党・緑の党が躍進した。

「共和国前進」はフィリップ首相が北部ルアーブル市長に当選したが、パリなど大都市で軒並み敗北した。マクロン氏にとって2022年の大統領選再選に向けて足場を固める機会だったが、求心力の低下が鮮明となった。

パリ市では中道左派・社会党の現職、イダルゴ氏が市長再選を決めた。ルペン氏率いる極右・国民連合は南部ペルピニャンで、人口10万人以上の都市では初めて首長を誕生させた。

■コロナ対策で大統領と仲たがい?政権支えた仏首相が辞任202074

フランスのマクロン大統領は3日、政権発足当初から屋台骨として支えてきたフィリップ首相を交代させ、後任に官僚のジャン・カステックス氏55)を指名した。

フィリップ氏はこれまで、燃料税の引き上げ方針をきっかけに2018年に始まった反政府デモのジレジョーヌ(黄色いベスト)運動や年金改革、コロナ禍での厳しい行動制限の緩和など、政権が直面した危機で、国民の矢面に立って説明する「汚れ役」を時に担ってきた。

フィリップ氏は3日午前に辞表を提出。今回の交代が更迭なのかは不明だが、コロナ禍では、経済を重視して早く行動制限を解除したいマクロン氏に対して、フィリップ氏が慎重姿勢を示すなど、すれ違いがたびたび指摘されていた。

■マクロン仏大統領、新首相にカステックス氏を起用-内閣総辞職受け202074

フランスのマクロン大統領は3日、内閣総辞職に伴う新しい首相に予想外の人物を選んだ。サルコジ元大統領の側近で保守派のジャン・カステックス氏だ。2022年の次期大統領選での再選を目指すマクロン氏は、内閣刷新で政権の浮揚を狙う。

 

6月28日の統一地方選で大敗したことを受けて、マクロン大統領は有権者の間で高い支持を得ていたフィリップ首相を再任せず、知名度の低い官僚のカステックス氏(55)を起用した。

カステックス氏は首相指名後、フランスのテレビ局とのインタビューで来週に政策プログラムを示す考えを表明し、「エコロジーなど将来のセクターへの投資」に重点を置くと説明した。

ロンドンのコンサルティング会社はリポートで「人気の高いフィリップ首相を知名度の低いカステックス氏に交代した大統領の決定は、次期大統領選までの間、政策を完全に掌握しているように見られたいとマクロン氏が考えていることを示唆する」と記した。

■仏新首相にカステックス氏 封鎖措置緩和の指揮担当の官僚202076

フランスのエリゼ宮(大統領府)は3日、フィリップ首相の辞表提出に伴い、高級官僚で南部プラド町長のジャン・カステックス氏(55)を新首相に任命すると発表した。カステックス氏は政府の担当長官として新型コロナウイルス流行に伴う封鎖措置の緩和策を指揮し、手腕が評価されて大抜てきされた。マクロン政権の信頼回復に向けた責務を負うことになる。

マクロン大統領は17年の就任から3年間で、野心的な経済改革や年金改革を試みたが、反政府デモ「黄色いベスト運動」やフランス国鉄(SNCF)をはじめとする運輸業界などによる大規模ストライキに見舞われた。一方で、フィリップ氏の支持率は新型コロナウイルス対応が評価され、同大統領を上回る状況となっていた。

■ロックダウン再実施なら対象地域を限定=フランス新首相202078

フランスのカステックス新首相は8日、新型コロナウイルス感染の第2波が発生しロックダウンを再び実施しなければならなくなった場合は、全土ではなく対象地域を絞って実施する方針を示した。フィリップ前内閣は3月半ばから5月11日まで全土に厳しい封鎖措置を導入した。一部の規制は今も継続している。

カステックス首相は「第2波に備えなければならないが、経済、社会面で深刻な影響をもたらした3月のような全土封鎖は実施しないつもりだ。実施するとしたら対象を絞ったものになる」と述べた。

■カステックス首相、年金改革を優先課題に202079

カステックス首相はこの機会に、年金改革を政府の優先課題の一つと位置付け、9日より労使代表との個別会談を開始し、善後策を協議する方針を明らかにした。首相は、年金改革に取り組まないのは無責任だと言明し、意欲を再確認した。具体的には、ポイント制導入より前に、危機で膨らんだ年金制度の赤字の対策を導入することを提案。

労組側はいずれも、収支改善策を先に決めるのは本末転倒とみて政府の示した方針に反発している。

List    投稿者 dairinin | 2020-07-16 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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