2018-04-19

反グローバリズムの潮流(TPP11は11か国が合意し、国会で承認手続き中)

20180309j-04-w600日米首脳会談でトランプ大統領が、TPPについて「異議を唱えられないような提案が行われない限り、戻らない」と発言したと報道されており、久しぶりにTPPが報道されたような気がして、どうなっているか調べてみました。

昨年末の状況は「反グローバリズムの潮流(TPP11どうなる?)」で紹介していますが、カナダが米国と進めている北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に悪い影響が出ることを懸念して、TPPに難色を示していました。

その後、1月22日23日の首席交渉官会合で、日本がカナダに対して、カナダ抜きの10か国で進める案を提示し、カナダが折れて合意に至り、日本、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランドの11か国で3月8日に協定文に署名しました。

これでTPPが発効するわけではなく、11か国中6か国の国会で承認されて初めて正式な協定締結となり、その60日後に発効します。

日本は、TPP承認案を3月27日に閣議決定し、4月17日から衆議院で法案審議に入りました。

国会もマスコミも、森友問題、加計学園問題に注目が集まり、あまり報道されていない面もあり、麻生副総理はマスコミはその程度と批判したようですが、そもそも米国抜きのTPPにはあまり効果が無く、注目されていないと言うのが実態のようです。

米大手格付け会社ムーディーズによれば最大の恩恵を受けるのはマレーシアだそうです。米国の離脱により参加国全体が享受する実収入は4,650億米ドル規模から約66%圧縮され、1,570億米ドル規模」へ減少、米国離脱による貿易機会の喪失は、ベトナムが最も影響があり、日本やマレーシアなど対米貿易の比重が高い国で相対的に影響が大きいとされています。

参加国の顔ぶれを見ると、日本以外では工業生産で強い国は入っておらず、工業生産の関税を引き下げても自国の産業に大きなダメージがある国は無さそうです。日本の関税を下げても、中国や韓国、ドイツからの輸入の方が多く大した影響は無く、それよりも日本の農業市場に参入できる効果を狙っているような気がします。

 

■TPP11発効“薄氷の合意” 日本が水面下でカナダ説得2018年3月8日

協定の内容が確定した東京での1月22、23日の首席交渉官会合ではカナダが文化政策の例外措置を設けるよう主張し最後まで紛糾。日本が水面下でカナダを説得した“薄氷の合意”だった。文化例外を認めてもらいたい、こう主張するカナダに各国は反発。約束した市場開放が後退し協定文の内容修正となるからだ。

交渉官会合の議長役の梅本氏は翌日発表す原稿2枚を配布。1枚目は11カ国、2枚目は10カ国で合意する案だった。メキシコの交渉官が「2枚目でいくこともやむを得ない」。カナダと共同歩調を取るとみられていたメキシコの“変心”。カナダの交渉官は狼狽(ろうばい)を隠しきれなかった。翌23日「文化例外はサイドレターでお願いしたい」。カナダが折れた瞬間だった。

■TPP発効までの流れ2018年3月9日

日本やオーストラリアなど11カ国はチリの首都サンティアゴで8日午後、新協定「TPP11」の文書に署名した。日本政府は今国会に協定承認案と関連法案を提出する方針で、2019年の発効を目指す。

新協定は、米国離脱で残る11カ国の交渉が難航するのを避けるため、農産物や工業製品を市場開放する「関税」分野、通関手続きの簡素化や企業活動を促進する「貿易・投資ルール」分野で、12カ国で合意した元の協定の内容を原則維持した。

■TPP11の主な合意内容2018年3月9日

米国を除く11カ国の環太平洋連携協定(TPP)交渉が決着した。日本の全貿易品目(9321品目)のうち、TPPで最終的に関税をなくす割合を示す撤廃率は約95%と、国内の通商史上最高の水準に達する。自動車をはじめとする工業製品の輸出増や、農産物・衣料など輸入品の価格低下が見込めそうだ。

日本では、コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の「重要5項目」を除き、農産物のほぼ全ての品目で関税がいずれゼロになる。生産者は、輸入品の急増に備える守りの対応に加え、海外で人気が高い和牛や果物の輸出の取り組みも求められそうだ。

一方、日本の強みである工業製品は輸出拡大が期待される。カナダは、日本製完成車の関税(6.1%)を発効後5年目で撤廃。ペルーやカナダは鋼材の関税を撤廃するため、日本が得意とする高級鋼材の輸出増につながる。

TPPは、世界貿易機関(WTO)が整備していない電子商取引、サービス、人の移動に関する新たなルールも採用した。データの流通制限禁止や、外資参入の規制緩和を通じ、企業の海外展開を後押しする。一方、著作権や新薬開発データの保護期間をはじめ、計22項目の実施は米国復帰まで先送りされる。

■TPP11署名、マレーシアが最大の恩恵国2018年3月12日

米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、8日にチリで署名されたTPPについて、「マレーシアは最大の恩恵を受ける」との認識を示した。「マレーシアは新たな貿易協定でカナダやペルー、メキシコのような新市場への輸出機会を得て、パーム油やゴム、電気・電子部品部門が活発化する」とみている。

一方、米国の離脱による、効果の縮小は否めないと述べた。当初、米国が参加していた場合、参加国全体が享受する実収入は4,650億米ドル規模と試算されていたが、「離脱によって約66%圧縮され、1,570億米ドル規模」と見積もっている。米国離脱による貿易機会の喪失は、ベトナムが最も影響があるとみられる。このほか、日本やマレーシアなど対米貿易の比重が高い国で相対的に影響が大きいとされる。

■TPP11、承認案を閣議決定 今国会で成立めざす 年内にも発効へ2018年3月27日

政府は27日、新協定「TPP11」の承認案と関連法案を閣議決定した。今国会での成立を目指し、他の10カ国にも国内手続きの加速を呼びかける。早ければ年内にも発効させたい考えだ。

日本、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランドの11カ国のうち6カ国が議会承認などの国内手続きを終えれば60日後に発効する。TPP11は米国を含む12カ国で2016年に署名したオリジナル版TPPの内容のうち、ルール分野で米国の要求が通った22項目の効力を凍結した。関税削減の約束は維持した。農業支援や知的財産保護を盛り込んだ関連法案は内容をほぼ維持したうえで、施行日をTPP11の発効日にする。

■麻生氏「新聞には1行も…」は事実? TPP11署名2018年3月29日

麻生氏はTPP11について「日本の指導力で、間違いなく、締結された」と説明した上で、「茂木大臣が0泊4日でペルー往復しておりましたけど、日本の新聞には1行も載っていなかった」と発言。さらに「日本の新聞のレベルというのはこんなもんだなと」「みんな森友の方がTPP11より重大だと考えている」とメディアを批判した。

しかし、TPP11はまだ締結されていない。国会で協定が承認され、関連の手続きを終え、協定寄託国であるニュージーランドに通知した時点で「締結」になる。また茂木敏充経済再生担当相が出席した署名式の開催地はペルーではなく、チリの首都サンティアゴ。署名式は8日午後(日本時間9日未明)に開かれ、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞などが9日付夕刊、翌10日付朝刊で報じた。

■TPP復帰検討、日本警戒 さらなる市場開放要求も2018年4月13日

トランプ米大統領は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への復帰検討を米通商代表部(USTR)などに指示した。通商摩擦が激しさを増す中国をけん制する狙いがあるとみられ、米国で17、18両日に行う日米首脳会談でも議題に上る可能性がある。だが、トランプ氏は自国に有利な協定修正を復帰の条件としており、さらなる市場開放を要求されかねない日本は警戒を強めている。

■TPP11法案が審議入り=成立は不透明―衆院本会議2018年4月17日

「TPP11」の承認案が17日午後、衆院本会議で審議入りした。政府・与党は早期発効に向け、会期末の6月20日までに成立させたい考えだが、野党は学校法人「加計学園」獣医学部新設の問題などを追及する構えで、審議の行方は不透明だ。

■<日米首脳会談>米、TPP復帰見えず 貿易協議開始合意も2018年4月19日

安倍晋三首相が「米国が2国間交渉に関心があるのは承知しているが、日本はTPPが両国にとって最善と考えている」と述べたのに対し、トランプ氏は「私は2カ国間の取引、日本との直接取引をはるかに好む」「日本と1対1の取引がしたい」と即座に持論を展開した。TPPについてトランプ氏は「異議を唱えられないような提案が行われない限り、戻らない」と述べ、米国に有利な条件の提示が不可欠との考えを強調。

List    投稿者 dairinin | 2018-04-19 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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