2018-05-18

トランプ大統領のロシア疑惑、FBIは不起訴を決定?議会での弾劾裁判も無罪の可能性が高い。

_99240833_trumpcollage1昨年の3月にFBIのコミー長官が、昨年の大統領選をめぐるトランプ陣営とロシアの連携について捜査していることを初めて明言してから1年以上が立ち、マスコミはトランプ大統領が圧倒的に不利と言う報道を続けてきましたが、ついにロシア疑惑を捜査するモラー特別検察官が、トランプ大統領本人を起訴しない考えを大統領の弁護団に伝えていたことが明らかになりました。これで、ロシア疑惑は幕引きになり、トランプ大統領の地位は安泰なのでしょうか。

前回の投稿「トランプ大統領のロシア疑惑、核心的な情報無く混迷続く2018-03-01」以降の動向を調べてみました。 

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前回の投稿にも書きましたが、ロシア疑惑に関する捜査では、トランプ大統領の側近に対する捜査の手が迫り、逮捕者が出て司法取引で証言をする側近も何人か登場しています。つい最近でも、トランプ大統領側近で顧問弁護士のマイケル・コーエン氏の強制捜査が行われるなど、FBIは攻勢を強めていました。

しかし、疑惑そのものを裏付けるような決定的な証拠は見つけられなかったようで、特別捜査官の狙いも、司法妨害や虚偽証言に絞られてきていました。これは、ロシア疑惑を実証する証拠が見つからないので、ロシア疑惑を追及するFBIの捜査を妨害したとか、FBIの捜査の過程で偽証をしたという理由で起訴しようとするものです。

そして、FBI最後の切り札と思われたのが、トランプ大統領の聴取でした。失言の多いトランプ大統領に直接聴取をすれば、言い訳のために事実と違う事をしゃべって偽証を追求できると考えたようです。しかし、トランプ陣営側もそこは理解しており、トランプ大統領に捜査官から質問を受けるいかなる義務もないと拒否しています。

今回、モラ―特別捜査官がトランプ大統領本人を起訴しないと伝えたのは、そう言って安心させておいて聴取に応じさせ、偽証を引き出した上でFBIは起訴しないで、議会の弾劾裁判での材料にしようとしているとも言われています。

しかし、もし弾劾に進んでも、アメリカの弾劾裁判の制度では、下院の1/2で弾劾裁判に起訴され、裁判は上院で行われ有罪とするためには2/3の賛成が必要です。下院は次の中間選挙で民主党が1/2を超える可能性もありますが、上院の2/3を民主党が獲得するのはほぼ不可能な状況です。今のまま行けば、もし弾劾裁判になっても、トランプ大統領は無罪となる可能性が高そうです。

■いよいよ本格化するトランプ大統領への捜査網2018年3月25日

CNNによると、3月11日の週に、ロバート・モラー特別検察官事務所がトランプ大統領の弁護団に対して、具体的な質問事項などを伝えたという。それによると、FBI長官の解任についての大統領の判断の他、この判断にジェフ・セッション司法長官がどのように関わったのかについても大統領に問いただすという。

また、特別検察官は、フリン氏が駐米ロシア大使だったセルゲイ・キスリヤク氏と電話で複数回話していたことについても大統領に問いただすことにしているという。因みに、この電話のやりとりは、大統領選挙が終わった後の2016年12月に2度にわたって行われており、オバマ政権が科した対ロシア制裁について話し合われたことをフリン氏が認めている。

また、CNNによると、特別検察官は、大統領選挙時にトランプ・タワーで行われたトランプ陣営とロシア当局との密会についても問いただすことにしているという。この密会の場にはトランプ大統領は出席していなかったが、義理の息子で現在、ホワイトハウス高官の1人であるジャレッド・クシュナー氏らが参加していた。

これについて公共放送NPRのデスクは、以下の様に話す。「軽はずみな言動が多いトランプ大統領だが、特別検察官の捜査に対して虚偽の証言はできない。仮にすれば、それは議会が弾劾手続きに入る大きな根拠となり得る」。

■ロシア疑惑 トランプ大統領の事情聴取へ向けた攻防が最終局面2018年4月9日

ワシントン・ポスト紙は、4月3日の紙面で、事情聴取を求める際にロバート・モラー特別検察官側が大統領の弁護団に対して、「トランプ大統領は現時点では容疑者とはみなしていない」と伝えたと報じている。これについて新聞、テレビ各社は、専門家の意見から、その真意を推し量る報道を続けている。

このうちCNNテレビには、ニクソン政権時の大統領補佐官を務めたジョン・デーン氏が登場。特別検察官の狙いは明らかだとして次の様に話した。「これは事情聴取を行うための呼び水だ。『あなたは容疑者とみなしている』と話したら、大統領は聴取に応じないだろう」。

多くのメディアが共通して伝えているのは、大統領への事情聴取はロシア疑惑をめぐる捜査の最大の山場となるというもの。大統領の弁護団の中では、大統領が事実と異なる証言をして更に厳しい立場に追い込まれると懸念する声は根強い。

■トランプVS民主党 大統領罷免が難しい理由2018年4月10日

結局、トランプ氏を追い詰める決定的な材料が足りないからです。ニクソン辞任の際には「録音テープ」という決定的な材料があったのですが、「ロシアゲート」ではそこまでの資料が出てきていません。もろもろの話は「ロシア関係者と会った」「(うさんくさい話に)それは素晴らしいと言ってしまった」「圧力をかけられたと指摘する者がいる」等の確証のない話ばかりなので、共和党議員が民主党議員からの弾劾に同意することは考え難いとも言えます。

米議会での大統領弾劾の手続きは厳格です。大統領や副大統領を含むすべての文官を弾劾する際には、下院と上院で出席議員の3分の2の賛成が必要となります。今の下院の定数は435。議員数は共和党が240名、民主党が193名、欠員が2名なので、トランプ氏を弾劾しても過半数を取るのは困難です。また、上院の定数は100.共和党が52名、民主党が46名、無所属が2名なので、こちらは下院以上にハードルが高くなっています。

米国建国以来、弾劾裁判が始まっても、たいていは下院で終わっていますが、トランプ弾劾は、下院さえ通らない可能性が濃厚なのです。過去、クリントン大統領、ジョンソン大統領、チュース最高裁判官は下院で弾劾されたものの、上院で有罪にはなりませんでした。弾劾裁判で大統領をクビにするのは、それだけ難しいわけです。

■米民主党、ロシアとトランプ陣営を提訴 大統領選の共謀疑惑で2018年4月21日

米民主党は20日、2016年の米大統領選挙で共和党勝利に向けた共謀行為に及んだとして、ロシア政府と内部告発サイト「ウィキリークス」、ドナルド・トランプ陣営幹部らを提訴した。マンハッタン連邦地方裁判所に民事訴訟を起こした民主党全国委員会(DNC)は、ロシアがトランプ陣営に対し、DNCへのサイバー攻撃を実施したことを通達していたと主張している。

訴訟の対象には、大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏や娘婿のジャレッド・クシュナー氏、ポール・マナフォート被告を含む多数の陣営幹部に加え、連邦軍参謀本部情報総局を含むロシア政府、ウィキリークスとその創設者ジュリアン・アサンジ氏が含まれている。

■トランプ米大統領召喚も ロシア疑惑で特別検察官が警告=報道2018年5月2日

米紙ワシントン・ポストによると、ムラー特別検察官らが今年3月にトランプ氏の弁護士らと面会した際、トランプ氏が連邦捜査官たちの聴取を受ける義務はないと弁護士らが主張したのを受けて、召喚状を出す可能性を示唆したという。トランプ氏から強制的に聴取する可能性について、ムラー特別検察官が言及したのは初めてとみられる。

ワシントン・ポストは関係者4人の証言に基づくとする記事で、トランプ氏の弁護士らがムラー氏らとの面会で、連邦捜査官たちからロシア疑惑に関して質問を受ける、いかなる義務をトランプ大統領は負っていない、と主張したと伝えた。しかし、トランプ氏が聴取を拒否すれば召喚状を出すと、ムラー氏のチームは示唆。その後、トランプ氏に質問したい内容について、捜査官たちがより具体的な情報を弁護士らに提供することで、双方が合意した。

■米紙“露疑惑”大統領への質問リスト入手か2018年5月2日

ロシア疑惑を捜査するアメリカの特別検察官がトランプ大統領の聴取にむけ用意したとする「質問リスト」を、アメリカ有力紙が報じた。質問は40項目以上にのぼり、ロシア疑惑を捜査していたコミー前FBI長官を解任した経緯や、今年1月に特別検察官の解任を指示したと報じられた件など、司法妨害の可能性を探る質問も含まれている。「質問リスト」はすでに大統領側に提出されているという。

■FBI vs トランプ、顧問弁護士強制捜査の衝撃と波紋2018年5月6日

ワシントン政界は今、FBIがトランプ大統領側近で顧問弁護士の強制捜査に踏み切ったことを受け、今後のなりゆきをめぐり話題騒然となっている。去る4月9日(月)早朝、FBIの捜査官たちが突然、何の前触れなしにマイケル・コーエン顧問弁護士の自宅、オフィス、長期滞在用のホテル自室を急襲、段ボール10箱分の関係書類、コンピューター・ファイル、メールやりとりのコピーなどを押収した。この中には、使用済みの私用携帯電話16本まで含まれていたという。

さらに米マスコミが注目するのは、コーエン氏がかねてから友人、知人との重要な電話でのやり取りの際に、きまってその一部始終をひそかに録音し、テープを保管する習慣があったとされ、今回のFBIによる家宅捜索でその大半が押収されたことだ。これらの残されたテープの中には、大統領とのさまざまな会話内容も含まれている可能性が大きい。

今後の焦点としては、1.コーエン氏の正式起訴。2.起訴された場合の寝返りの可能性。3.大統領としての対応、の3点にしぼられてきている。

■トランプ弾劾と中間選挙の密接な関係2018年5月9日

「下院は絶対死守せよ」。トランプ大統領が最近、11月中間選挙に向けて共和党幹部たちに“緊急指令”を出したことが、ワシントン政界で大きな話題となっている。もし、下院を民主党に明け渡した場合、自らが渦中にあるロシア疑惑捜査の結果、弾劾にさらされかねない最悪の事態を心配したものだ。

今回の中間選挙のうち、下院で民主党が多数を制するためには、現有勢力(193議席)からさらに23議席上積みする必要があり、最新の政治専門誌の動向調査によると、現段階で共和党現有勢力(240議席)から8議席が民主党に移る可能性が高く、さらに22議席で民主党が互角の戦いを進めている。そして全体として、下院に関する限り、共和党は敗色を濃くしつつある。

一方、全議員100人のうち3分の1だけが改選される上院では、共和党は現有勢力では2議席だけの僅差で多数を維持しているものの、改選議席数では民主党が26議席に対し共和党は9議席のみとなっていることなどから、よほどのことがない限り、上院は民主党勝利は困難とみられている。

モラー特別検察官側の動きだが、かねてから大統領からの直接事情聴取をホワイトハウスに要請しているほか、最近になって、もし大統領がこれに応じない場合は、「最後の手段」として大陪審への召喚の意向も示唆し始めた。そして捜査の焦点は「司法妨害」容疑にしぼられてきているとされる。FBIが最も重視しているのが、大統領がジェームズ・コーミーFBI長官(当時)とホワイトハウスで2人だけの夕食を取った際、フリン大統領補佐官に対する捜査をやめるよう迫った事実だ。

大統領弾劾では、まず下院司法委員会において、弾劾審議開始の「妥当性」について検討し、妥当と判断された場合に、下院本会議での弾劾審議に入る、という段取りとなっているが、いずれの場合も単純過半数で結論が出されるため、ロシアゲート事件の場合も、今年11月以降、民主党が下院を制するとすれば、トランプ氏の弾劾(起訴)は決定的となるからにほかならない

■ロシア5位富豪、疑惑の渦中に-弁護士送金以外でもトランプ氏に関与2018年5月10日

トランプ大統領周辺との関係が疑われるロシア新興財閥のリストに、ビクトル・ベクセリベルク氏が加わった。同氏と関係の深い投資会社、コロンバス・ノバが昨年、トランプ大統領の個人弁護士マイケル・コーエン氏に50万ドル(現在のレートで約5500万円)を振り込んでいたことが明らかにされた。

石油やアルミニウムで財産を築き、ブルームバーグ・ビリオネア指数でロシア5位の富豪とされるベクセリベルク氏は、昨年1月のトランプ大統領就任式にも出席している。一方で、プーチン大統領に忠誠心を示すために多大な努力も払っている。昨年9月にロシア大統領府で開かれたプーチン氏と実業界との非公開の会合では、招待を受けた20数人の中にベクセリベルク氏が含まれていた。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、同氏は約2カ月前、ニューヨークの空港で特別検察官のチームと連携する連邦当局者に呼び止められ、所有する電子機器の検査と聴取を受けた。

■トランプ大統領を起訴せず=モラー氏が弁護団に伝える2018年5月17日

米政権のロシア疑惑を捜査するモラー特別検察官が、トランプ大統領本人を起訴しない考えを大統領の弁護団に伝えていたことが分かった。弁護団に加わるジュリアーニ元ニューヨーク市長が16日、CNNテレビなどに明らかにした。司法省には現職大統領を起訴しないという長年運用してきた指針がある。ジュリアーニ氏によると、モラー氏は「弁護団との議論の末」にこの指針を守ると認めたという。

一方、刑事責任とは関係なく、大統領が弾劾される可能性は残されている。モラー氏の捜査は最終的に報告書の形でまとめられ、大統領を弾劾訴追する権限を持つ下院の判断に委ねられる。

List    投稿者 dairinin | 2018-05-18 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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