2021-08-04

中国の外交政策(コロナ感染症を受けて中東、アフリカを中心に反金貸しのネットワーク形成)

 

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コロナ後の社会情勢を見ると、欧米を中心とする金貸し勢力は中国との対立姿勢を鮮明にして、世界で中国が孤立しているような印象があります(金貸しは中国市場を捨てて、インド市場で稼ごうとしだした)。しかし、マスコミはあまり報道していませんが、全世界という視点で見ると中国は反金貸しのネットワークを強化しています。中国を中心にした反金貸し勢力のコロナ後の状況を調べてみました。

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中国が特に力を入れているのがアフリカで、中国の王毅外相は、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、タンザニア、ボツワナ、セーシェルなど、サハラ以南のアフリカ諸国を公式訪問。アフリカに緊急防疫物資を120回提供し、15か国に医療専門家チームを派遣しました。アフリカの35カ国とアフリカ連合委員会にワクチンを提供します。

ラテンアメリカでも、中国は今やブラジルの輸出の約3分の1を占めるまでになり、第2位の米国は約10%に過ぎない。チリ、ペルー、ウルグアイにとって中国は最も重要な貿易相手国です。新型コロナウイルス感染症発生以降、中国は当該地域の30カ国に2700万余りの緊急医療物資や設備を寄贈し、12カ国に2400万回分余りのワクチンを提供しました。

中東にも王毅外相が、サウジアラビアやイランなど6か国を相次いで訪問。中東も人権問題、民主化問題などで欧米と対立している国との関係強化を進めています。去年、中国とアラブ諸国の貿易総額は2400億ドルに達し、中国はアラブ諸国の貿易パートナーの中で不動な一位を占めています。

また、欧やアジアなど人権問題や国境問題で対立している地域にもワクチンや経済協力などで関係悪化に歯止めをかけようと必死になっています。

更には、習近平主席が「信頼され、愛され、尊敬される」中国のイメージを作り、友好国の輪を拡大したいと中国共産党幹部に伝えたという情報もあり、反金貸し勢力の結集に本気で取り組んでいることは間違いなさそうです。

 

■中国はワクチン外交で独り勝ちか2021119

14日から9日にかけて、中国の王毅外相は、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、タンザニア、ボツワナ、セーシェルなど、サハラ以南のアフリカ諸国を公式訪問し、ワクチン外交を繰り広げた。中国政府は一帯一路構想の一環として、ナイジェリアをはじめとしたアフリカ各国で、道路・鉄道・港湾などのインフラ事業を進めてきている。

111日から16日まで、ミャンマー、インドネシア、ブルネイ、フィリピンの東南アジア4カ国を歴訪し、国産ワクチンの提供や生産協力を表明して、各国との関係強化を図った。

■王毅国務委員兼外交部長による中国の外交政策と対外関係についての内外記者会見2021311

新型コロナ感染症を前に、中露は手を携えて新型コロナウィルスに対応し、共に「政治ウイルス」に対抗しました。両国は互いに戦略的拠り所、発展のチャンス、グローバルパートナーとなるべきです。

アフリカ諸国のコロナ対策、景気回復を支援することは中国とアフリカの協力の最優先事項です。アフリカに緊急防疫物資を120回提供し、15か国に医療専門家チームを派遣しました。アフリカの35カ国とアフリカ連合委員会にワクチンを提供します。

サウジアラビアの国王は最も早く習近平主席に電話し、中国のコロナ防止・抑制に支持の意を表した外国元首です。アラブ首長国連邦は中国製ワクチン第三期実験を最も早く受けた外国です。去年、中国とアラブ諸国の貿易総額は2400億ドルに達し、中国はアラブ諸国の貿易パートナーの中で不動な一位を占めています。

新型コロナウイルス感染症は世界に打撃を与えましたが、「一帯一路」協力は逆風の中で前進しました。「中国・パキスタン経済回廊」「ジャカルタ・バンドン鉄道」「中国・ラオス鉄道」「ハンガリー・セルビア鉄道」などのプロジェクトは着実に進められました。

中国とラテンアメリカが外交関係樹立60周年です。新型コロナウイルス感染症発生以降、中国は当該地域の30カ国に2700万余りの緊急医療物資や設備を寄贈し、12カ国に2400万回分余りのワクチンを提供しました。ここ一年、ラテンアメリカの対中輸出が増加し、三年連続で3000億ドルを超えました。

■米中ハイテク戦争で分断されるラテンアメリカ2021322

ファーウェイは、既に2000年代からラテンアメリカに進出しており、携帯電話市場では、ペルー、チリ、コロンビアで20%前後のシェアを有している実績もある。中国は今やブラジルの輸出の約3分の1を占めるまでになり、第2位の米国は約10%に過ぎない。チリ、ペルー、ウルグアイにとって中国は最も重要な貿易相手国である。メキシコは、米国が最大の貿易相手国であることに変わりないが、今回、中国は大量のCOVID-19ワクチン供給を約束するなど接近を図っている。ラテンアメリカ諸国に対して、中国の「ワクチン外交」は功を奏しているらしい。

■「中国の接近 中東が変わる?」(時論公論)202146

中国が、中東の国々と関係を強化しています。王毅外相が、サウジアラビアやイランなど6か国を相次いで訪問。

イランでは、今後25年にわたって、経済や安全保障など幅広い分野で協力を進める計画に署名しました。アメリカの制裁によって、国家収入の柱とも言える原油の輸出ができなくなっていたイランにとって、今回の「協力計画」は、まさに「渡りに船」です。

サウジアラビアでは、国の実権を握るムハンマド皇太子とも会談しました。両者は、他の国の内政干渉に反対することで一致したということです。両国は、エネルギーや情報通信などの分野で協力を深めることでも一致しました。

トルコでは、両国が、インフラ整備や投資などで協力を深めることで一致しました。また、エルドアン大統領自身も、国内の反対派や少数民族のクルド人を弾圧しているとして、欧米諸国から批判されています。

■中国、欧州引き留めへ外交攻勢 投資協定凍結、協力枠組み亀裂2021530

中東欧など17カ国との協力枠組み「17+1」もリトアニアの脱退表明で亀裂が入った。EU加盟国のリトアニアは、新疆でジェノサイドが起きていると認定する決議を議会が可決し、「17+1」から離脱する意向を表明。中国の有識者の中には「ラトビアやエストニアなども離脱する可能性がある」と予想する声もある。

中国は長期的な対米対立を見据えて欧州との関係を重視しており、関係悪化に歯止めをかけようと外交活動を活発化させている。外交統括役の楊潔共産党政治局員は26~27日、EUと「17+1」の両方に参加するスロベニアとクロアチアを訪問。王毅国務委員兼外相は29~31日の日程でポーランドのほかアイルランド、ハンガリー、セルビアの各外相を中国に招いた

■習主席、「愛される」中国外交を指示 友好国増やすため202163

中国の習近平国家主席は531日、「信頼され、愛され、尊敬される」中国のイメージを作り、友好国の輪を拡大したいと中国共産党幹部に伝えたという。国営新華社通信が伝えた。習主席はさらに、国際社会とやりとりをする際には中国は「オープンで自信をもつと同時に、謙虚で控えめ」な姿勢を示すべきだと述べたという。

中国の外交官たちは近年、強い調子で表立って発言することが増え、この好戦的な外交スタイルは「戦狼(せんろう)外交」と呼ばれている。もしも習主席が本当に「愛される」中国政府を目指すのなら、これはいきなり180度の方針転換を指示したことになる。

List    投稿者 dairinin | 2021-08-04 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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