ヨーロッパでロックダウン再開、イギリス、イタリア、スペインでは暴動も発生
前回は「ヨーロッパ、アメリカ、ロシアでコロナ感染が過去最高更新。非常事態宣言まで秒読み状態か?」とお伝えしましたが、ヨーロッパじゅうにロックダウンが広がりました。それを受けて、各地で暴動も発生しており、コロナ感染拡大から世界的な混乱が始まりそうです。
・スペイン、25日に非常事態宣言
・イタリア、コンテ首相は、26日レストランやバーに午後6時以降の営業禁止を命じたほか、劇場、映画館、スポーツジムには1か月の閉鎖を命じた。
・フランスは30日から1カ月間、再びロックダウンに踏み切る選択
・ドイツのメルケル首相は11月2日から1カ月間、緊急の部分的なロックダウン
・スイスの金融の中心地ジュネーブは2日から29日まで部分的なロックダウン
・ベルギーが11月2日から全国的ロックダウンを実施
・オーストリア11月3日から飲食店の閉鎖や夜間の外出禁止
・イギリス、ジョンソン首相はイングランドで11月5日から4週間、2度目のロックダウン
このような状況を受けて、デモや暴動も各地で発生しています。
・英首都ロンドン中心部で24日、新型コロナウイルス感染防止策のための行動規制に反対するデモがありデモ参加者18人を拘束した。警察官3人が軽傷を負った。
・イタリアの複数の都市で26日、新型コロナウイルス感染防止規制に反発する数千人が抗議デモを行い、警察と衝突した。
・スペイン・バルセロナ中心部で30日、新型コロナウイルス対策の夜間外出禁止令や週末の移動制限に抗議する集会に数百人が参加し、警察と参加者の間で衝突が起きた。
前回の投稿で、「スペインではカタルーニャ地方の独立運動が発生していましたが、イギリスやイタリアでも地域の独立を目指す動きはあり、コロナの激化に伴いヨーロッパでは独立運動も激しさを増していきそうです。」とお伝えしましたが、まさにこの3国で暴動が発生しました。アメリカ大統領選挙の行方も気になりますが、コロナ感染拡大から世界を巻きこんだ大混乱へと突入するのは、意外と早いのかもしれません。
■ロンドンでコロナ規制反対デモ 18人拘束、警察官に負傷者2020年10月25日
英首都ロンドン中心部で24日、新型コロナウイルス感染防止策のための英政府による行動規制に反対するデモがあり、BBC放送によると、ロンドン警視庁は規制に違反するなどしたとしてデモ参加者18人を拘束した。警察官3人が軽傷を負った。
■イタリアでデモ隊と警察が衝突、新型コロナ規制に反発2020年10月27日
イタリアの複数の都市で26日、政府が新たに発表した新型コロナウイルス感染防止規制に反発する数千人が抗議デモを行い、警察と衝突した。ミラノでは、複数の路面電車の車両が壊されたり、ごみ箱が放火されたりする破壊行為が発生。機動隊がガラス瓶などを投げた若者の集団に向かって催涙ガスを使用した。ミラノに近いトリノや南部ナポリでも同様の事態となった。
コンテ首相は、レストランやバーに午後6時以降の営業禁止を命じたほか、劇場、映画館、スポーツジムには1か月の閉鎖を命じた。これに企業経営者や野党政治家、一部の科学者も反発した。
■コロナ第2波の欧州、約200の空港に破産の恐れ2020年10月28日
新型コロナウイルス流行の第2波で複数の国がロックダウン(都市封鎖)の再施行を検討している欧州で、飛行機の利用者数が回復しなければ、200近い空港が今後数か月で破産する可能性があると、国際空港の管理者団体が27日、発表した。
国際空港協議会欧州支部の統計によると、10月中旬時点の空港利用者は前年同期比75%減で、空港も航空会社と同様に、運営資金を賄うことが難しくなっている。
■仏独ロックダウンへ・・・新型コロナ欧州で感染急拡大2020年10月29日
フランスではここ数日、一日の感染者が平均3万人以上に上り、第1波を超える最悪の状態になっています。実際の新規感染者は一日10万人に上っているとの分析もあります。こうしたなか、フランスは30日から1カ月間、再びロックダウンに踏み切る選択をしました。
学校は閉じられませんが、夜間の外出は禁止され、生活必需品を扱う店以外は閉鎖、飲食店はテイクアウトだけとなります。
慎重に制限を緩和してきたドイツでは、今月に入り、都市によっては部分的な外出禁止令が出されたりしてきましたが、国全体で再びロックダウンすることを決めました。期限は1カ月ですが、国内2500カ所で開催されるクリスマスマーケットも今年は続々と中止が決まっています。
25日に非常事態宣言が出されたスペインや、飲食店に対して午後6時以降の営業が禁止されたイタリアでは、崩壊した医療体制やロックダウンを推し進めた中央政府に対する怒りが噴出し、各地でデモが起きています。イタリアのデモ参加者:「政府に抗議しよう『ロックダウンを一切するな』と。店を開け、仕事をし、自由でいよう。すぐになど変わらない。政治屋は国民の声を聞く耳を持たず、大きな資本にだけ耳を傾ける」
■独、1カ月の緊急ロックダウンへ 飲食店閉鎖・旅行自粛も要請2020年10月29日
ドイツのメルケル首相は28日、再拡大する新型コロナウイルス流行に対応するため、11月2日から1カ月間、緊急の部分的なロックダウン(都市封鎖)措置を実施すると発表した。
新措置の下、集会は2家族、10人以下に制限する。私用および不要不急の旅行の自粛を促し、ホテル宿泊は出張者のみに限定する。レストランやバー、ジムやプール、映画館、劇場は閉鎖される。コンサートなどは中止されるが、プロスポーツのイベントは観客なしで開催が許される。
一方、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)や衛生上のルール順守を条件に、学校や託児所の運営は継続される。
■バルセロナ、新型コロナ規制に反対のデモ隊と警察が衝突2020年10月31日
スペイン・バルセロナ中心部で30日、新型コロナウイルス対策の夜間外出禁止令や週末の移動制限に抗議する集会に数百人が参加し、警察と参加者の間で衝突が起きた。地元警察によると、集会にはおよそ700人が参加。このうち50人あまりが警察に「危険物を投げ始める」など暴徒化したため、警察がデモの解散に動いたという。
新たなロックダウン(都市封鎖)を避けるため、スペインのほぼすべての州で州境の封鎖の措置が取られているが、カタルーニャ自治州では10月半ばからバーやレストランの閉鎖が命じられるなど、当局が追加の規制を導入している。また同州では、住民が週末に町や市から出ることが禁止されており、警察は30日、バルセロナから郊外へ通じる主要道路で検問を行った。
■ジョンソン英首相、イングランドに2度目のロックダウン 感染再拡大で2020年11月1日
ボリス・ジョンソン首相はイングランドで11月5日から12月2日までの4週間、2度目のロックダウンを開始すると発表した。バーやレストラン、ジム、社会生活の維持に必要不可欠ではない店舗は5日から閉鎖される。ウェールズやスコットランド、北アイルランドではそれぞれの自治政府が独自に行動制限を実施している。
■【新型コロナ】欧州で都市封鎖拡大、中国が渡航者に2種の検査要求2020年11月1日
欧州では週明けの2日からロックダウン(都市封鎖)の対象地域が広がる。ドイツの部分的ロックダウンが始まるほか、ベルギーが全国的ロックダウンを実施。スイスの金融の中心地、ジュネーブは2日から29日まで部分的ロックダウンに入る。
ゴーブ英内閣府担当相(国務相)は1日、ジョンソン首相が前日に発表したイングランドの1カ月間の部分的ロックダウンについて、コロナの感染拡大を抑え込めない場合は延長せざるを得なくなる可能性があると述べた。
■オーストリアも夜間外出禁止 レストラン・カフェを閉鎖2020年11月1日
オーストリア政府は31日、新型コロナウイルスの感染拡大を止めるため、11月3日からレストランやカフェといった飲食店の閉鎖や夜間の外出禁止などの新たな規制を発表した。クルツ首相は記者会見で規制を「ロックダウン」と呼び、「容易ではなかったが、必要な決断だ」と話した。
午後8時から午前6時までの外出や訪問が禁止され、違反者には罰金が科せられる。文化などの催しも中止される。一方で、スーパーなどの小売店や理髪店などは営業を続けるほか、小学校も授業を続ける。飲食店は配達や持ち帰りは認める。当面は11月末まで、夜間外出禁止は同12日までとしている。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2020/11/7511.html/trackback