2021-03-23

フランスでも政権が弱体化、EUはガタガタに

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イタリアの政権崩壊と新政権樹立イギリスの分裂の危機ドイツでは与党が州選挙で大敗と、EUの主要国で政権の崩壊が進んでいます。ドイツと共にEUを支えているフランスの状況も調べてみましたが、予想通りマクロン政権も弱体化しています。

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前回選挙で戦ったマクロン大統領とルペン氏の支持率ですが、1月27日には52%:48%で拮抗しており、来年4月のフランス大統領選挙でルペン氏が勝利する可能性も見えてきている状況です。

マクロン大統領は、グローバリズムを掲げて、反EU・民族主義のルペン氏を破って当選しましたが、グローバリズムを推進する政策はことごとく反対を受けイエローベスト運動などの大規模デモも発生し支持率を落としてきました。

マクロン大統領も政策を変更せざるを得ず、自由競争から保護主義に、多民族主義から移民の抑制へと大きく舵を切っています。しかし、残念ながらそれでも支持率を回復するには至っていません。

その理由は明らかで、マクロン政権が転換を進めている政策はルペン氏をはじめとする極右勢力の政策であり、マクロン大統領が大統領選挙では徹底的に批判していた政策です。その全く逆の方向にかじを切っているわけですから、マクロン大統領は自分の政策=グローバリズムが間違っていたことを認め、ルペン氏が正しかったと証明している結果になっているのです。

EUを支えてきたドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領が支持を失えば、EUは一気に衰退していくことになりそうです。

 

■欧州は主要国の政権が弱体化、政策停滞の懸念 ポスト・メルケルは弱く、マクロンも支持率低下2021123

大統領選挙は20224月とまだ先だが、再選を目指すマクロン大統領は、早くも選挙戦をにらんだ政権の立て直しと政策の軌道修正を迫られている。マクロン大統領が旗揚げした中道政党・共和国前進は、昨年6月の統一地方選で惨敗し、左派寄り議員の離党で議会の過半数を失っている。マクロン大統領の支持率は低迷し、来年の大統領選挙の世論調査では、前回同様に極右のルペン候補と首位の座を競っている。

このまま大統領の人気が低迷し、乱立する対立候補の支持が一本化していけば、初回投票でマクロン氏が落選するおそれも出てくる。

■極右ルペン氏、コロナで支持拡大 フランス大統領選で伯仲予想202122

2017年のフランス大統領選で決選投票に進んだ極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン党首(52)への支持が、新型コロナウイルス禍で拡大している。ルペン氏は22年の次期大統領選で「勝つ見込みがある」と自信を見せている。仏紙パリジャンが1月27日に報じた世論調査では、再選出馬が見込まれるマクロン大統領とルペン氏が前回同様に決選投票に進んだ場合、ルペン氏に投票すると回答した人は48%と、マクロン氏の52%に迫った。

移民排斥や反欧州連合(EU)を掲げるルペン氏が国民の不満の受け皿になっていると指摘。さらに、国内で昨年9月以降に相次いだイスラム過激派によるテロ事件が「支持を集めるには好都合だった」と分析した。

■「水泳をしない生徒は国家を分断させる」――フランスで進むイスラーム規制2021218

フランス議会で審議されている新法は、学校での水泳の授業に参加しない生徒について指導を強めることを盛り込んでいる。これがフランス国内で大きな論争のタネになっている。 水泳の授業に参加しない生徒の多くがムスリムだ。今回の法案はそれをひっくり返し、ムスリム少女にも水泳の授業に参加することを強要するものだ。それだけでなく、今回の法案では学校生活に宗教的シンボルを持ち込むことが禁じられ、イスラーム団体に対する政府の監督権の強化なども盛り込まれているため、フランスのイスラーム社会や人権団体から批判の声があがっているのだ。

なぜフランス政府はイスラームへの締め付けを強めているのか。その大きな背景にあるのがテロだ。フランスはこれまでヨーロッパで最もイスラーム過激派のテロにさらされてきた。

狙い撃ちにされたイスラーム社会から強い反発が生まれたこともまた不思議ではない。しかし、それでもマクロン大統領にはイスラーム社会を標的にしたこの法律を成立させなければならない事情がある。それは来年に迫った大統領選挙だ。

2017年のフランス大統領選挙で「右派でも左派でもない」を標榜したマクロンは、ルペンや極右に反対する票を取り込んだことで当選を果たした。しかし、その後のマクロン政権は右派からも左派からも突き上げを受けてきた。その象徴は、ガソリン税の引き上げ問題に端を発した、2018年暮れからのイエローベスト運動だ。そのうえ、昨年からのコロナにより、ヨーロッパ各国では政府への不満が高まるのと反比例して極右への支持が拡大しているが、フランスもその例外ではない。

■仏、パリなどで再ロックダウン コロナ第3波で1カ月間2021319

フランスのカステックス首相は18日、新型コロナウイルス感染第3波を受け、パリとその近郊を含む16県で1カ月間のロックダウン(都市封鎖)措置を導入すると発表した。マクロン大統領はこれまで、封鎖回避に向けてあらゆる措置を講じる構えを示していたが、英国で広がった感染力の強い変異株の感染が広がる中、ロックダウンの再導入を余儀なくされた。今後、ロックダウン措置が他地域にも拡大される可能性もあるという。

■路上パーティーに6000人超、「許されない」と非難 仏2021322

フランス南部マルセイユ(Marseille)で週末、新型コロナウイルス対策規則に違反する大規模な路上パーティーが開かれた。参加者は6000人を超え、うち大半がマスクを着用しておらず、仏内務省報道官は「許されない」と非難した。

内務省報道官は22日、「新型コロナウイルスの流行と闘うため、皆がそれぞれに課された規則を守ろうと努力し、生活を適応させ、工夫している時に、絶対に許されない」と指摘。9人が逮捕され、数十人に罰金が科されたと明らかにした。

List    投稿者 dairinin | 2021-03-23 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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