2017-05-26

グローバリズムの巻き返しに対して、プーチン大統領の動きは

120フランス大統領選挙での国民戦線の敗北、アメリカでのロシアゲート事件によるトランプ政権の混乱など、このところ、グローバリズム勢力の強力な巻き返しの動きが続いています。こうした状況を踏まえて、ロシアのプーチン大統領は何を考え、どう動こうとしているのでしょうか。

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このところのプーチン大統領の動きを見ると、中国の一体一路会議への出席、北朝鮮への対応、イタリア首相との会談、アメリカのロシアゲート事件報道への発言、イラン大統領再選への祝電、フランス大統領との会談など、以前に比べて外交関係で活発な動きが見られます。

中国や北朝鮮、イランとの関係作りは、欧米主導のグローバリズムに対抗するための動きで、従来路線であると思われます。注目すべきは、イタリアのジェンティローニ首相やフランスのマクロン大統領との会談です。この二人はかなり強固なEU(グローバリズム)推進派です。何故、この時期にプーチン大統領は対立勢力の代表ともいえる、この二人に会うことにしたのでしょうか。

象徴的なのは、イタリアのジェンティローニ首相との会談です。会談後の記者会見の報道を見ると、アメリカのトランプ大統領のロシアゲート事件報道を否定する内容だけが取り上げられ、イタリアと何を話し合ったか殆ど触れられていません。

ここからは推測ですが、プーチン大統領は、トランプ大統領にあまり期待できないと考え始めたと思われます。現在、ロシアはウクライナ問題でヨーロッパとの関係が悪化し経済制裁を受けています。経済制裁の解除で期待していたのがアメリカとの関係でした。

テロ対策でアメリカと協力することを手始めに、ロシアに対する経済制裁解除をアメリカ(トランプ大統領)主導で実現しようとしていたと考えられます。ところが、ロシアゲート問題がアメリカでここまで大きな問題に拡大してしまい、最悪はトランプ大統領の弾劾、トランプ大統領が弾劾されなくても、ロシアに有利な行動をトランプ大統領がとることはほとんど不可能な状態になると予想したと思われます。

プーチン大統領はイタリアのジェンティローニ首相との会談後の記者会見で、ロシアとの関係改善を模索するトランプ政権を妨害する米国内の動きに批判的な発言を繰り返しており、トランプ大統領を完全に見限ったわけではないようです。しかし、この間のプーチン大統領の積極的な外構行動は、トランプ大統領が機能しなくなることを想定して、行動していることを示していると思われます。アメリカの協力なしで、アジア勢力の支援を受けて、ウクライナ=経済制裁問題解決をEUと交渉するための布石ではないでしょうか。

 

■<一帯一路会議>プーチン大統領演説 保護主義を警戒(5月14日)

プーチン大統領は14日、「一帯一路」構想をテーマにした首脳会議で演説し、「保護主義が(世界経済の)規範となりつつある。技術移転を一方的に制限するのが狙いだ」と述べた。トランプ米大統領が保護主義色を強めていることに強い警戒感を示した。また、プーチン氏はウクライナ危機を受け、欧米諸国がロシアに対する経済制裁を続けていることを念頭に「オープンで自由な貿易が今日、しばしば否定されている」と批判した。

■一帯一路会議 ロシア、ユーラシア連合と共存探る(5月15日)

ロシアのプーチン大統領は14日、北京での「一帯一路」に関する国際会議で基調演説を行い、中国の構想がロシア経済の発展に資することに期待感をにじませた。ただ、プーチン政権は、自国が「裏庭」とみなす旧ソ連の中央アジア諸国で中国が影響力を増していることを強く警戒してもいる。

中国とEUの間に位置するロシアは、中国の投資が自国の鉄道・港湾整備などに向かい、課題とする極東地域の発展にもつながることを期待している。ただ、目玉事業とされるモスクワ-カザン間の高速鉄道計画すら進展しておらず、中国側の慎重姿勢が目立つ。

■万景峰号が就航へ=北朝鮮とロシア結ぶ定期航路(5月17日)

ロシア極東ウラジオストクと北朝鮮北東部の羅先経済特区を結ぶ貨客船「万景峰号」の定期航路が17日開業し、羅先発の第1便が18日にウラジオストクに到着する。運航に関わるロシア企業「インベスト・ストロイ・トレスト」が明らかにした。

プーチン大統領は15日の北京での記者会見で、北朝鮮の核・ミサイル開発について「受け入れられない」と述べる一方で、圧力強化に反対する立場を示しており、今後も北朝鮮支援を続けるとみられる。

■「ロシアゲート」疑惑:閉塞のジレンマに陥る「プーチン外交」(5月18日)

「ロシアゲート」疑惑をめぐる米政界の混乱については、「悲しむべき展開であり、憂慮している。結局、これは反露感情を煽るだけだ。彼らは反露スローガンを煽って米国の内政を不安定化させている。それが自国に害を及ぼすことを理解していない。本当に愚かなことだ。いずれにせよ、これは米国自身の問題であり、われわれは関与する気は一切ない」と酷評した。

■<露大統領>「米国で政治的な統合失調症進行」(5月18日)

プーチン露大統領は17日、「米国で政治的な統合失調症が進行しているとしか言いようがない」と批判した。ロシアとの関係改善を模索するトランプ政権を妨害する米国内の動きにいらだちをあらわにした。イタリアのジェンティローニ首相との会談後の共同記者会見で述べた。

■シリア・ロシア、イランと協力継続=ロウハニ師勝利に祝意(5月21日)

イランのロウハニ大統領が再選されたことを受け、プーチン大統領はロウハニ師に祝電を送り、「協力関係を一層発展させる取り組みを続ける用意がある」と強調。「中東と世界の安定、安全の維持」のためにも協力していく考えを示した。

■仏大統領、ロシア大統領と初会談へ 29日にパリで(5月23日)

両国はシリア政策を巡って姿勢が異なるほか、ウクライナ危機についてもフランスが欧州連合(EU)主要加盟国の中で対ロ制裁を最も強く支持する国の一つとなっている。マクロン氏とプーチン氏は18日に行った初の電話会談で、シリア・ウクライナ問題を引き続き協議していくことで合意した。

List    投稿者 dairinin | 2017-05-26 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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