2020-12-01

イギリスのEU離脱、協定期限まで1か月、今週中にEUは緊急措置を発動?

にほんブログ村 経済ブログへ

201110061436-split-boris-johnson-joe-biden-super-169イギリスのEU離脱、交渉期限が伸びアメリカ大統領選挙の結果とEU離脱がリンクし始めた。では、アメリカ大統領選挙の結果とイギリスのEU離脱は、民族主義を推進するジョンソン+トランプと、グローバリズムを推進するバイデン大統領+EUとの対立という、ヨーロッパとアメリカを巻き込んだ大きな問題になってきたことを、お伝えしました。ついに12月に入りましたが、イギリスとEUの貿易交渉に進展はあったのでしょうか。 

交渉の進展状況ですが、マスコミは、「交渉の行き詰まり打開に向けて、見直し条項案が浮上している」、「EU側は来年1月1日以降に漁業権に関する移行期間を設定する英側の提案を受け入れた」などと、貿易協定締結の可能性があると言う報道をしていますが、どちらも情報源はあいまいで、マスコミの希望的観測、もしくは都合の良い情報だけを切り取って報道している可能性が高そうです。

本人の談話として発表された言葉を追っていくと次のようになります。

11/26バイデン氏はジョンソン氏やアイルランドの首相、フランス政府などと会談しアイルランドと、北アイルランドの間に国境警備を復活させることへの反対を表明。

11/28ジョンソン英首相は懸案の漁業問題や企業補助金規制をめぐる「(EUとの)大きな溝を埋める必要がある」と強調。妥結できるか否かは「EU次第だ」

11/30英国のラーブ外相は、「今週は非常に重要な週だ。持ち越しの可能性次第だが、最後の実質的な重要週になる。2つの基本的な問題が残っている

11/30英首相報道官は、ある程度の進展は見られたとしながらも、「漁業や競争問題を巡り見解の相違が存在している」と指摘。

11/30アイルランドのコーブニー外相は「残された時間は少なくなっている」と指摘。

11/30ドイツのメルケル首相は、一部EU加盟国の忍耐は限界に近づいているとし、「われわれはいかなる代償を払ってでも合意するつもりはないとこれまでも明確に示してきた」

11/30EU外交官は、12月2日、もしくは3日までに合意が得られない場合、EUは緊急措置を発動させると明らかにした。

交渉が全く進んでいない訳ではなそうですが、お互いにどうしても譲れないラインでぶつかり合っている様子が見て取れます。これに加えて、イギリスでは「連合王国」解体の危機、コロナの拡大と、それに伴うロックダウン、ロックダウン反対デモ、なども発生し、一触即発の状況です。今週はイギリスの動きから目が離せません。

 

■英・EUのFTA「見直し条項」案が浮上、行き詰まり打開で20201124

英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)締結交渉の担当者らは、協議の行き詰まり打開に向け、発効から数年後に協定の一部再検討を可能にする「見直し条項」の実現性を探っている。EUの外交当局者と英政府当局者からの情報を引用し、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。

見直し条項の考え方は、漁業権を巡る行き詰まり打開の手段として、先週の協議で浮上した。EUが現在の割り当て権の一部を数年間保持できるが、将来の取り決めについてさらなる交渉が必要との提案を英側が行ったという。英側の交渉責任者デービッド・フロスト氏は、漁業権に関する暫定的合意を提案する一方、それが「短期間」でなければならないと述べたという。

■英国、合意なき離脱で食品不足の恐れ コロナ発生時より深刻に?2020年11月25日

もし合意なき離脱が起きた場合、企業にとって直近の頭痛の種となるのは、商品の迅速な輸出入が困難になることかもしれない。英国への輸入品は大半が食品だ。英国は食品の40%を輸入しており、うち欧州からの割合はここ20年で25%から30%に増加。英スーパー大手テスコのジョン・アラン会長は10月中旬、ブレグジット移行期間が1月に終了した後、生鮮食品の不足が最大「数カ月」にわたり続く恐れがあると警告。

■バイデン氏、ジョンソン氏にEU交渉妥結を要請 アイルランド国境問題で警鐘2020年11月26

バイデン氏は米デラウェア州で記者団の取材に応じ、ジョンソン氏やアイルランドの首相、フランス政府などと会談したと説明。EU加盟国であるアイルランドと、英国の一部としてEUから離脱した北アイルランドの間に国境警備を復活させることへの反対を表明した。

移行期間終了後に国境施設が荒らされたり、税関職員が襲撃を受けたりする事態となれば、国境警備を導入する必要性が出てくる。そうなれば、30年あまりで3500人以上の犠牲者を出した宗派紛争に後戻りしかねないとの懸念が根強い。

■イギリスで「連合王国」解体の危機が起こっていた。「国内市場法」の波紋。2020年11月27

今日に至るまで、英国政府とEUは、英国政府が議会に提出した「国内市場法」をめぐって、大紛糾している。問題は、この法案は、連合王国解体のリスクをはらんでいることだ。そもそも「国内市場法」とは何なのか、この法案は、英国が来年1月1日にEUから実質上も離脱した後、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという4つの「クニ(nation)」の間で、モノとサービスの自由な流通を確保するためのものだという。

もともと市場法は、1706年にイングランド(ウェールズ含む)とスコットランドの間に結ばれた条約に起源があるという。開かれた自由な貿易を保証するために、内部市場が創設されたのだ。

数世紀の時が流れ、1973年、英国はEUに加盟した(当時はEC/欧州共同体)。イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドにはそれぞれ自治政府があるが、彼らが結んでいた貿易に関する法のほとんどは、EUの域内市場に関する法に置き換えられた。移行期間の終了(202111日)までに合意に至らず、EUの域内市場に関する法律に拘束されなくなった場合、4つのクニのそれぞれの議会は、基本的に異なる貿易制限や規制を設定することが不可能ではなくなるのだ。このギャップを埋めるために、ジョンソン政府は「国内市場法」を提案したのだ。

ところが、この法案はスコットランドとウェールズの要人の激怒を招いたのだ。一言で言うのなら、スコットランドとウェールズは、自分たちがもつ権利をイングランドに奪われた、あるいは委譲されたと怒っているのだ。おそらくイギリスの一番の問題は、このような連合王国解体の危機につながるような問題、何と言っても4つのクニを束ねる根源的な法律に関する問題だが、控えめな報道しかされず、静かな重大問題と化したことにあるのではないか。

■貿易交渉、再開 新型コロナで中断 英EU離脱2020年11月28

英国とEU28日、新型コロナウイルスの影響で一時中断した対面での貿易交渉をロンドンで再開した。バルニエEU首席交渉官は27日にロンドン入りし、英メディアに「忍耐と決意」を持って話し合いに臨むと語った。一方、ジョンソン英首相は懸案の漁業問題や企業補助金規制をめぐる「(EUとの)大きな溝を埋める必要がある」と強調。妥結できるか否かは「EU次第だ」と訴えた。 

■ロンドン中心部で反ロックダウン・反ワクチンデモ、150人余り逮捕2020年11月29

28日行われたデモには、参加者らが「自由の抑圧に反対」「ワクチンは義務化されるべきではない」といったプラカードを掲げ、行進しました。ロックダウン中は屋外でも3人以上で集まるのは違法で、ロンドン警視庁は155人を逮捕しました。ロックダウンは来月2日に解除されますが、一定の規制は残り、ワクチンの接種も年内に始まる見込みで、こうしたデモは今後も続くとみられます。

■EU離脱交渉大詰め、英外相「非常に重要な週に」2020年11月30

英国のラーブ外相は29日、「今週は非常に重要な週だ。持ち越しの可能性次第だが、最後の実質的な重要週になる。2つの基本的な問題が残っている」と語った。英国とEUは競争政策と漁業権の問題で溝が埋まっておらず、自ら設定した期限をすでに何度か過ぎている。同氏はこれより先、公正な競争環境を巡り一定の進展が得られたことを示唆し、漁業権が最大の問題として残っていると述べた。

■英とのFTA交渉打開近い、EUが漁業権巡り移行期間受け入れ2020年11月30

欧州連合(EU)と離脱後の英国との自由貿易協定(FTA)締結交渉の主要な対立点の一つである漁業権について、英国の水域を巡る同国の主権をEUが正式に認める方向であり、行き詰まりが近く打開される可能性があると英紙テレグラフが報じた。情報源は明らかにしていない。同紙によれば、EU側は来年1月1日以降に漁業権に関する移行期間を設定する英側の提案を受け入れたが、移行期間の長さや仕組みについて合意は成立していない。

■英EU通商交渉、時間切れの恐れ 週央にも緊急措置20201130

EU関係筋はこの日、ロンドンで週末の間に行われた交渉は「困難だった」とし、漁業問題のほか公平な競争政策などを巡る「見解の大きな相違」が埋められなかったと述べた。英首相報道官は、ある程度の進展は見られたとしながらも、「漁業や競争問題を巡り見解の相違が存在している」と指摘。

アイルランドのコーブニー外相は「残された時間は少なくなっている」と指摘。ドイツのメルケル首相は、一部EU加盟国の忍耐は限界に近づいているとし、「われわれはいかなる代償を払ってでも合意するつもりはないとこれまでも明確に示してきた」と述べた。

こうした中、EU外交官は、12月2日、もしくは3日までに合意が得られない場合、移行期間の期限が切れる31日が約3週間後に迫るため、EUは緊急措置を発動させると明らかにした。「企業のほか、関税局などの政府当局は、合意が得られなかった場合、何に関税がかかるのか情報が必要になる」とし、「これまで緊急措置の発動は延期してきたが、これ以上は延ばせない」と述べた。

List    投稿者 dairinin | 2020-12-01 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2020/12/7575.html/trackback


Comment



Comment


*