トランプ疑惑のマスコミ報道は拡散する一方、実態はあるのか?
ロシアンゲート疑惑に端を発する、トランプ大統領にたいするマスコミのバッシングですが、次から次へと新しい疑惑は湧いてきます。これを受けて日本のマスコミも、トランプ大統領については否定的な報道が目につきます。しかし、その報道の中身をよく見ると、どこまで実態があるのか疑わしい報道が散見されます。マスコミが報道する疑惑の中身を検証してみました。
前FBI長官のコミー氏の議会証言も、マスコミ報道のタイトルだけを見ると、トランプ大統領に対して否定的なものが多いですが、中を良く読むと「捜査中止を求められた」としながら「命令ではなかったものの、指示だと受け止めた」という非常にあいまいな内容です。要は、コミー前長官の受け止め方にすぎません。さらに、指示に従ったのかと言えば、従ってもいないのです。それを指示と受け止めたとは言わないのが普通ではないでしょうか。
さらに、ロシアンゲート事件そのものも、あいまいになって来ています。もとは、ロシアに選挙妨害を頼んだのではないかという疑惑だったのですが、それがコミー前長官への捜査妨害や、息子が運営する慈善団体の寄付流用疑惑、外国政府からの報酬疑惑へと問題の焦点がどんどんずれて行っています。
外国政府からの報酬疑惑も、トランプ大統領個人が直接(ロシア?)政府からお金をもらたのかと思えば、トランプ大統領が株を持っているホテルに外国要人が宿泊することを問題視しているようです。こんなことを問題視し始めたら、外国政府と取引のある会社の株をもって配当を受けた時点で、憲法違反になってしまいます。本気で裁判で勝てると思っているのか非常に疑問です。
これは、明らかにロシアンゲート事件では、トランプ大統領を追い詰められそうにもないので、何か他のネタは無いかと、無理やりあら探しているとしか思えません。それを、いかにも悪いことをやっているかのように、マスコミが大々的に報道することで、トランプ大統領のイメージを下げる戦略のようです。これは、6月15日の記事「EUのグローバリズム勢力巻き返しは、マスコミに頼るしかない状況」と全く同じ構造です。
これだけ、マスコミのバッシングを受けながらも、ジョージア州で連邦議会下院の補欠選挙で共和党候補が勝利し、「トランプ大統領に感謝します」と述べたという報道を見ると、アメリカ国民はマスコミに騙されてはいないようです。しかし、この報道も勝ったのはトランプ大統領にも拘わらず、「トランプ政権としては踏みとどまった形ですが、接戦となったことでトランプ大統領に対する不満が高まっていることもうかがわせています。」と、マイナス材料として報道しています。
■「ウソだ」トランプ氏を非難 前FBI長官議会証言 2017年06月09日
コミー氏は2月にトランプ氏からフリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)の捜査中止を求められたとしている。この要請について、コミー氏は命令ではなかったものの「指示だと受けとめた」と述べた。
その上で中止の要請が大統領の弾劾につながりかねない「司法妨害」にあたるかどうかについて「妨害の試みだったかどうかは私が述べるべきでない」と言及を避けた。モラー特別検察官の捜査に委ねる考えを示した。
■「そんなことは言わなかった」トランプ氏反論2017年06月10日
トランプ米大統領は9日の記者会見で、コミー前連邦捜査局(FBI)長官がトランプ氏から捜査中止の圧力を受けたとの認識を示していることについて「そんなことは言わなかった」と反論した。その上で、偽証すれば罪に問われる議会での「宣誓証言」に、自らも応じる意向を示した。
■トランプ氏息子の慈善団体に寄付金流用疑惑、米NY司法長官が捜査2017年06月12日
米ニューヨーク州の司法長官は、ドナルド・トランプ大統領の息子エリック・トランプ氏が運営する慈善団体が、集めた寄付金を父トランプ氏が経営する企業に流していたとの疑惑について捜査を開始した。司法長官の報道官が11日、明らかにした。
■米州司法長官、「外国政府から報酬は違憲」とトランプ氏を提訴2017年06月13日
米首都ワシントンとメリーランド州の司法長官は12日、トランプ大統領を相手取り、同氏が不動産業を通じて外国政府などから得た報酬は憲法に違反するとしてメリーランドの連邦地裁に提訴した。
訴訟は、トランプ氏が経営するホテルなどを外国政府や国内の地方政府などが利用することで、両州の他の企業がビジネス機会を奪われるとともに、地方政府に対してトランプ氏経営の不動産関連会社を特別待遇するよう圧力がかかっていると指摘。
また、トランプ氏が多くの事業の経営権を握っていることは、公職にある者が外国政府や国内地方の政府から報酬や贈与を受け取ることを禁じている憲法の「報酬条項」に違反しているとし、地裁にトランプ氏による給与以外の政府からの報酬受け取りを差し止めるよう求めた。ワシントンのラシーン司法長官とメリーランドのフロシュ司法長官はともに民主党系。
スパイサー大統領報道官はトランプ氏の事業が違憲との主張を否定し、「党派政治」が訴訟の動機だと批判した。
■セッションズ米司法長官:ロシアと共謀との見方は「忌まわしいうそ」2017年06月14日
セッションズ米司法長官は13日、上院情報特別委員会で証言し、2016年の米大統領選挙戦への「いかなる種類の干渉」についてもロシア当局者と話したことは決してないと述べ、選挙戦中にロシアと共謀したとの見方は「恐ろしく忌まわしいうそ」だと指摘した。
■米特別検察官、トランプ氏の「司法妨害」捜査2017年06月15日
ムラー検察官が指揮する捜査チームの事情聴取に3人の情報機関幹部が任意で応じたと伝えた。同紙によると、ダニエル・コーツ国家情報長官、マイク・ロジャース国家安全保障局(NSA)長官、リチャード・レジェット前NSA副長官の事情聴取は、早ければ今週中にも行われる見通し。特別検察官は当初、ロシア側の動きに注目していたものの、それが大統領の司法妨害に注目するようになったのはトランプ氏自身の行動が原因で、ロシア疑惑捜査の大きな転換点だと同紙は書いている。
■米議員、トランプ氏を提訴「外国政府から利益」2017年06月15日
米議会野党・民主党の上下両院議員計196人は14日、トランプ米大統領が大統領就任後も不動産業などで外国政府から利益を得ているのは、憲法違反に当たるとして、トランプ氏を首都ワシントンの連邦地裁に提訴した。米メディアによると、議員の集団訴訟としては過去最大規模だという。
■米連邦議会下院 補欠選 共和党候補が接戦制す2017年06月21日
アメリカのトランプ陣営とロシアの関係をめぐる疑惑への追及が強まる中、南部ジョージア州で連邦議会下院の補欠選挙が行われ、共和党のハンデル候補の得票率が51.9%、野党・民主党のオソフ候補が48.1%となり、ハンデル候補が勝利しました。ハンデル候補は勝利演説で「トランプ大統領に感謝します」と述べ、トランプ大統領はツイッターで「大勝利だ。誇りに思う」と祝意を表しました。
トランプ政権としては踏みとどまった形ですが、接戦となったことでトランプ大統領に対する不満が高まっていることもうかがわせています。
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