2019-11-28

反グローバリズムの潮流(イギリスのEU離脱、何故、保守勢力が離脱推進なのか)

reuter_20191122_111457-thumb-720xauto-175317EU離脱を巡って混迷が続いたイギリスですが、以前紹介したように手のひらを返すように12月12日総選挙が決定し、EU離脱の動きが加速して来ています。その後ブレグジット党が保守党が議席を持っている選挙区に対立候補を立てないと決めるなど、保守党が有利に選挙戦を進めています。最近の調査でも議席の過半数を確保できそうな勢いで、いよいよイギリスのEU離脱は現実味を帯びてきました。今日はなぜ、ここに来て、イギリスのEU離脱は加速したのか、ヨーロッパの支配階級の中で何が起こっているのか追求してみました。

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イギリスのEU離脱で特徴的なのは、それを推進しているのが保守党だと言う事です。保守党は日本でいえば自民党に近く、産業界や経営者層をその支持基盤にしています。従来であれば、産業界こそ自由競争を求めてEUに代表されるグローバリズムを推進する母体でした。

保守党がEU離脱を推進すると言う事は、この産業界の中でも、今は反グローバリズムを推進する業界が多くなってきていると言う事を表しています。昔から、金融業界はグローバリズム推進の中核でした。金融業界は市場が開放されれば容易に資本を投下し、企業を買収したり、金融市場の操作を通じて国家に圧力を掛けたりできます。グローバリズムは金融業界=金貸し支配のために進められたと言っても過言ではないでしょう。そして、金融業界が産業界を支配していた時代には、金融業界の意向が保守政党の政策を決めていました。

しかし、先進国をはじめといて豊かさが実現し、生産力が過剰になった現代では、生産投資の資金需要はどんどん減少しています。生産業も金貸しに頼らずとも市場から資金を調達したり、蓄積した自己資本で金貸しに頼らずに投資を行う事も可能な時代になって来ていいます。金貸し支配が崩れ、保守政党が金融業界ではなく生産業界の意向を重視する時代になって来た事が大きく影響していそうです。

そして、生産業界にとって、国際競争に勝つためには、人材育成や研究開発も含めて、国家と一体になった取り組みが必要になって来ているのだと思われます。資本力で勝てる時代で無くなり、人の創造力・追求力が勝敗を決する時代になると、いくら優秀でも給料が良ければどこにでも転職する人材では駄目で、志を持って働いてくれる人材でないと、本当の戦力にはならない時代でもあります。金融支配=グローバリズムは終焉を迎えていると言えそうです。

 

■ブレグジット党、与党・保守党と議席争わない方針2019年11月12日

英ブレグジット党は11日、12月12日に行われる下院(定数650)総選挙で、与党・保守党が議席を持っている317選挙区に立候補者を立てない方針を明らかにした。これにより、両党は事実上の共闘態勢となる。

ファラージ氏は当初、「離脱同盟」をボリス・ジョンソン首相に持ちかけたが、これを断られたため、600選挙区で候補を擁立する方針だった。しかし、それは離脱派の票を割ることになると、圧力を受けていた。

ファラージ氏は今回の決定について、ジョンソン首相がブレグジット対応で「大きく姿勢を変える」と示唆したことを受けたものだと説明。ジョンソン氏が、EU離脱後に設けられる移行期間を延長しないと約束したこと、離脱後の通商協定でEU法から遠ざかる方針を示していることなどを理由に挙げた。

■英ブレグジット党、候補擁立で一段の譲歩を拒否2019年11月14日

英ブレグジット党のファラージ党首は14日、来月12日の総選挙について、労働党が前回の選挙で僅差で勝利した選挙区に候補を擁立しないよう求める声が出ているが、そうした要求を拒否すると表明、ブレグジット党の目標は議席を獲得し、EU離脱を巡るジョンソン首相の責任を問うことだと述べた。

ファラージ党首は「保守党が望んでいるのは、保守党の過半数議席獲得であり、EU離脱派の過半数議席獲得ではない」とし「我々は保守党の責任を問うため、議会に党員を送る必要がある」と発言。

 

■イギリス総選挙、第1週の政治献金はジョンソン首相の保守党が労働党の26倍2019年11月22日

保守党が11月6日からの6日間で570万ポンド(740万ドル)の資金を集めたのに対し、労働党への献金は21万8500ポンドにとどまった。全政党への献金のうち87%が保守党に向けられた。これほど高額の献金を集めたジョンソン氏の手腕から、同氏の人気の高さが浮き彫りになった。これは世論調査で他党をリードしている保守党に追い風となる。だが、保守党は大富豪や銀行、大手企業の味方だとする労働党の主張を裏付けることにもなりかねない。

同じ週の政治献金額は親欧州連合(EU)派の自由民主党が27万5000ポンド、ブレグジット党が25万ポンドだった。

 ■英 総選挙に向け 野党 労働党が政権公約を発表 2019年11月22日

政権交代が実現すれば、EU=ヨーロッパ連合と新たな離脱条件をまとめたうえで、6か月以内に再び国民投票を行う方針を明らかにしました。また、気候変動対策や公共サービスの拡充を訴えて若者などの支持を取り込みたい考えです。

公約では、気候変動対策への投資を行うことや、鉄道や郵便事業、水道事業を国有化し利用料の負担を軽減するとしています。さらに上位5%の富裕層のみに増税を行い、公営住宅の増設などに取り組むことを盛り込んでいます。

最近の世論調査で、労働党の支持率は与党・保守党を10ポイント以上下回っていますが、環境問題に敏感な若い世代を中心に気候変動対策を訴える労働党への支持が高い傾向がみられ、今後、多様な層を取り込むための選挙戦を展開するものとみられます。

 ■米英、深刻な国論分裂と混迷 急激に進んだ国内格差拡大が要因2019年11月23日

イギリスでは欧州連合(EU)とのブレグジット条件につき、英国内の国論が統一できないでいる。EUとの合意期限も来年1月末に延長されたが、12月12日の選挙結果次第では、さらに混迷が続く可能性もある。筆者がイギリスに駐在していた90年代当時も、イギリス国内に根強い「EU懐疑主義」はあったが、英国内の国論分裂と対立はほとんどなかったように記憶している。

20世紀の世界をリードしてきた米英の国論の分裂と混迷、それによる国際的指導力の低下は、世界の不安定化を促進するものとなろう。筆者は米英の国論分裂の最大の要因は、この20年くらいの間に急激に進んだ国内の格差の拡大であると考えている。格差の激しい国では国論の分裂は当然激化する。

■英総選挙 与党が公約を発表「来年1月末にはEU離脱実現」 2019年11月25日

選挙で過半数の議席を獲得すれば、EUからの離脱に関連した法案の審議をクリスマス前に始め来年1月末には離脱を実現するとしています。また、離脱の影響を最小限にとどめるために来年末まで設けられる移行期間は延長しないとしています。

最新の世論調査では、保守党が最大野党・労働党を支持率で10ポイント以上リードしているほか、24日付けの「サンデータイムズ」紙は、調査に基づく予測として、保守党が過半数を獲得する見通しを伝えました。

■来月の英・総選挙、保守党が過半数超えと調査会社が予測2019年11月28日

イギリスの調査会社・YouGovによれば、与党保守党は定数650のうち359と、過半数を大きく超える議席を獲得する勢いです。最大野党の労働党は、前回2017年の選挙から51減らして211議席、スコットランド地方のみで候補者を立てるスコットランド民族党は、新たに8議席を獲得して43議席との予測になっています。EU離脱の取りやめを掲げる自由民主党は1議席増、EUからの強硬的な離脱を主張するEU離脱党は議席を獲得できないと予測されています。

List    投稿者 dairinin | 2019-11-28 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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