2016-03-22

シェールガス会社の倒産が、「第2次リーマンショック」を引き起こす

<米国テキサス州のシェールガス採掘>

<米国テキサス州のシェールガス採掘>

この1年あまりの原油価格の暴落(約100ドル/バレル→約30ドル/バレル)は、ロシアのプーチンの仕掛けと見られるが、原油価格が暴落すれば、米国のシェールガスが大打撃を受けると言われている。具体的にどの程度の打撃を受けるのだろうか?

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大手のシェールガス会社でも、30~40ドルが採算の下限。つまり、現在の価格が赤字を出さないぎりぎりのボーダーラインであるのだ。
>このままでは大方の企業が採算割れの状態が続くこととなるだけに、融資は縮小、もしくは止められて資金繰りが悪化、倒産が始まることになる可能性は大きい。現在残っている大小約4000社の内3分の1の千数百社が今年中に破綻するだろうと言われている。

>そうなると、シェール企業へ投資されている100兆円の内、30~40兆円が焦げ付くことになり、来年にかけてはさらに倍増することになる。
>2009年に米国で発生し世界を不況に陥れた「リーマンショック」は、前年2008年頃から表面化した「サブプライムローン」と言われる、返済能力の低い人々に融資した住宅ローンの大量破綻が要因であった。そのサブプライムローンの焦げ付きの額はおよそ35兆円。
まさに「第2のリーマンショック」の始まりである。
リンク>より引用

 

採算の下限である30~40ドル/バレルが続けば、リーマンショック以上の焦げ付きが発生すると予想されているが、おそらく、これこそプーチンの狙いだろう。

ロシア、サウジアラビア、カタール、ベネズエラ等の産油国が、先月、原油生産量を2016年1月の水準で凍結することに合意したが、これはプーチンの戦略であると見られる。しばらく30~40ドル/バレルの水準で据え置けば、間違いなくシェールガス企業の倒産を通じて米国経済に大きな打撃を与えることができる。

ドルはFRBの利上げにも関わらず、ドル安に向かっているが、本質的には第2のリーマンショックによる金融不安を反映したものと考えられる。原油価格が現在の低価格水準が続けば、今年から来年にかけて、米国金融崩壊→ドル暴落が現実のものとなる可能性が高い。

 

List    投稿者 yukitake | 2016-03-22 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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