2017-09-28

反グローバリズムの潮流(ドイツ総選挙、メルケルは勝利したが反グローバリズム勢力が躍進)

 

Federal election in Germany9月24日に行われたドイツ連邦議会総選挙はメルケル首相率いる、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が勝利したものの、戦後最悪の結果となり、反グローバリズム勢力で、反EU、反移民を政策に掲げる「ドイツの選択肢」が大躍進する結果となりました。

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選挙前の予想では、EUの中で唯一経済的にも好調なドイツでは、メルケル首相が圧倒的優位と予測されていましたが、選挙が近づくに従って、メルケル首相の支持率はじりじりと低下しました。

選挙の直前には、メルケル首相が国民に極右政党を拒否するよう呼びかけましたが、結果として自由の選択肢は、議席ゼロから94議席を獲得して、第3政党に浮上する大躍進でした。

マスコミの報道では、メルケル首相の敗因、ドイツのための選択肢の勝因として、移民政策の失敗を上げている所が殆どですが、実は選挙前には、2015年の移民政策の失敗で支持率を大きく落としたメルケル首相も移民政策を見直し支持率を回復していると報道されていました。

今回のドイツの総選挙では、ユーロ圏支援に反対する自由党も大きく議席を伸ばしており、移民政策に対する反対だけが、メルケル首相の敗因ではないと思われます。ドイツ左派党の党首はメルケル首相の敗因として、「多くの人々が置き去りにされていると感じる政治を何年もの間、進めてきたことが原因だ」と述べています。

グローバリズム=国際的な経済競争圧力の導入で、貧富の格差が拡大し、全世界的に大衆の不満が高まってきていることが根本的な問題で、移民問題は国際的な経済競争圧力の一つにしか過ぎないのです。移民問題が右翼台頭の原因だとするマスコミの報道は、本当の問題がグローバリズムにあることをごまかすための論理にすぎません。

■メルケル首相、4選視野=「テロ・難民」浮上なら変化も-独総選挙まで1カ月2017年8月23日

ドイツ連邦議会(下院)議員を選ぶ9月24日投開票の総選挙まで1カ月。安定した政権運営と好調な経済を背景に、メルケル首相は4選を視野に入れている。難民流入は今は落ち着き、民主同盟および姉妹政党・キリスト教社会同盟の支持率は約40%まで回復。ライバルの社会民主党を約15ポイント引き離している。一方、反難民の新興政党「ドイツのための選択肢」(AfD)はひと頃の勢いはないものの、現時点では初の議席獲得がほぼ確実な情勢で、第3党の座を狙っている。投票先を最終決定していない人は有権者全体の4割超に上るともいわれており、ドイツでまたテロの懸念が強まれば、各党の支持率に影響するとみられる。

■ドイツ総選挙:メルケル首相、極右政党拒否せよと訴え-投票行動促す2017年9月22日

ドイツのメルケル首相は連邦議会(下院)選挙の投票を24日に控えて、難民の受け入れ反対を唱える「ドイツのための選択肢(AfD)」の主張を拒否するよう有権者に強く呼び掛けた。首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の支持率は低下傾向にある。

メルケル首相は21日、公共放送ARDとのインタビューで、「われわれは基本的な価値観のために立ち上がる必要がある。投票に出かけ、われわれの憲法に100%コミットする政党に票を投じるべきだ」と語った。

■独総選挙、メルケル首相4期目へ 国家主義政党が議席獲得2017年09月25日

ドイツで24日、総選挙が実施され、アンゲラ・メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党となるのが確実な情勢となった。保守派のCDU・CSUは第1党となったものの、第2次世界大戦後にドイツで初めて選挙が行われた1949年以来、最悪の結果だった。歴史的な惨敗となった社会民主党(SPD)は、CDU・CSUとの連立を離脱し、野党に転じると表明した。

BBCのジェニー・ヒル・ベルリン特派員は、選挙結果はメルケル氏にとって散々なものだったと語った。正式な入国資格のない90万人近くの移民を受け入れたメルケル氏は、その罰を受けた形だと記者は指摘した。

SPDの連立離脱を受け、メルケル氏に残された選択肢は限られており、新たな連立合意がまとまるまで何カ月もかかる可能性もある。

最も可能性が高い連立は、政党のイメージカラーがジャマイカの国旗と同じなため「ジャマイカ連立」と呼ばれる。イメージカラーが黒のCDU・CSUと、イメージカラーが黄色でビジネス寄りの自由民主党(FDP)と、緑の党の組み合わせだ。FDPは今回4年ぶりに議席を回復した。

しかし連立の先行きは困難が予想される。緑の党は、石炭火力発電所20カ所を段階的に廃止することを目指しているが、FDPは反対している。ドイツの公共放送ZDFは、これらの政党による連立が政権維持に必要な議席を確保する唯一の組み合わせだと報じた。

■右派政党躍進 議会運営など影響か2017年9月25日

ドイツの連邦議会選挙では、メルケル首相が率いる与党が第1党の座を確保したものの、議席を大きく減らしてメルケル首相の求心力の低下が顕著となる一方、難民の受け入れに反対する新興の右派政党が一気に第3党に躍進し、今後の議会運営や政策決定にも影響を及ぼすものと見られます。

ヨーロッパではことし、オランダ、フランス、イギリス、ドイツといった主要国で相次いで国政選挙が行われ、いわば「選挙イヤー」の様相を呈してきました。選挙ではいずれも、EU=ヨーロッパ連合との関わり方や、内戦が続くシリアなど中東やアフリカからの難民や移民の受け入れの是非などが、大きな争点となりました。

まず3月にオランダで議会下院の選挙が行われ、ルッテ首相が率いる中道右派の与党と、移民の排斥やEUからの離脱を掲げるウィルダース党首が率いる極右政党・自由党が、第1党の座を争いました。その結果、与党が第1党を維持し、自由党は第2党にとどまったものの大きく議席を伸ばしました。

4月から5月にかけてはフランスで大統領選挙が行われ、現在のマクロン大統領と、移民の制限やEUからの離脱の是非を問う国民投票の実施を掲げた極右政党・国民戦線のルペン党首が決選投票に進みました。決戦投票では、マクロン大統領が勝利したものの、ルペン党首も投票総数のおよそ3分の1を獲得し、フランスの憲政史上、極右政党の候補者として最も多くの支持を集めました。

そして今回、EUの中でも最も経済が安定し、難民の受け入れに寛容だったドイツで行われた連邦議会選挙でも、優勢が伝えられていたメルケル首相が率いる与党が苦戦し、難民の受け入れに反対する右派政党「ドイツのための選択肢」が初めて議席を獲得し、一気に第3党に躍進しました。

各国で行われた選挙では、難民や移民への厳しい対応を求める右派政党が勝利こそ収めなかったものの、国民の不安や不満の受け皿となり大きく支持を伸ばす結果となっています。

左派党の首相候補として選挙戦を戦ってきたヴァーゲンクネヒト氏は地元メディアのインタビューにこたえ、「今回の結果に満足している。選挙活動で人々の共感を得ることができた」と述べ、支持の広がりに自信を示しました。

一方、今回の選挙で「ドイツのための選択肢」が躍進したことについて問われると、「多くの人々が置き去りにされていると感じる政治を何年もの間、進めてきたことが原因だ」と述べ、メルケル首相が率いてきた連立与党の政策を改めて非難しました。

■ドイツ総選挙 極右政党「ドイツのための選択肢」94議席の衝撃 問われる欧州の結束2017年09月26日

ドイツのアンゲラ・メルケル首相が4選を決めた9月24日の連邦議会(下院)選挙で、反イスラム・難民、反ユーロ(欧州単一通貨)を叫ぶ極右政党「ドイツのための選択肢」の得票率は12.6%に達し、94議席を獲得する予想外の展開となった。

前回2013年と比較してみると、極右の「選択肢」と、市場原理にこだわる自由民主党(FDP)が拡大した分、メルケルの支持母体であるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)の中道が勢力を失ったことが分かる。

ユーロ圏支援に反対する自民党も票を伸ばしていることからユーロ圏の財政統合への反対と見ることもできるが、やはりドイツ国内に滞留する大量の難民への懸念が底流にある。

List    投稿者 dairinin | 2017-09-28 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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