道徳と民族を破壊する4人の洗脳者④ スティグリッツ
金貸しの思想がいかに狂っているか、引き続き「世界を操る支配者の正体」(馬渕睦夫著、講談社)より紹介します。著者は道徳と民族を破壊する4人の洗脳者を挙げていますが、4人目として、グローバリズムの論客の一人で日本人にもよく知られている経済学者のスティグリッツを紹介します。
●スティグリッツは庶民の味方ではない
>ジョセフ・スティグリッツは、元世界銀行のチーフエコノミスト兼上級副総裁であり、2001年にノーベル経済学賞を受賞した大物経済学者です。クリントン大統領時代には大統領経済諮問委員会委員長を務めました。
>彼は世銀やIMFのグローバル化のための構造調整融資そのものを否定したわけではありません。善意で行ったがやり方が賢明ではなかった、グローバル化は望ましいことなので問題はどのようにグローバル化を進めるかにあると主張したのです。要するに、スティグリッツはグローバル化推進論者なのです。
>市場中心主義が生き延びるように、市場の修正を唱えているにすぎません。>FRBがなぜ富の配分に関心がないかの理由を明らかにしていないのです。その答えは簡単ですが、本質的です。FRBは民間銀行だからです。スティグリッツはこの事実だけはどうしても書けないのです。
>「現在の一般通念の主張は、中央銀行は独立機関であるべきだというものだ。もし、中央銀行が政治権力の言いなりであったら、政治家たちはコストを遠い未来に押し付けて、目先の利益を得るために金融政策を操作するだろう」との指摘
>中央銀行は民主政治とは相容れないと堂々と主張しています。つまり、中央銀行は独裁的でなければならないと断じているのです。>FRBの株主はいまだに公開されていませんが、さまざまな研究の結果ロスチャイルドやゴールドマンサックス、JPモルガンなど国際銀行家であることが明らかになっています。そうしますと、グローバリズムとは、国際銀行家たちが支配する世界市場を創造しようとする地球規模の運動であるということができるのです。
<「世界を操る支配者の正体」(馬渕睦夫著、講談社)より引用>
●巧妙な詭弁に騙されるな
スティグリッツの主張は、世銀やIMFの発展途上国に対する融資政策を批判したり、中央銀行は公的な機関であるべきだなどと主張したりしていて、一見もっともらしく聞こえます。これだけを聞くと、庶民の味方だと思わせられてしまうかも知れませんが、彼の論理は、実に巧妙に人々を騙すようにできています。
筆者も指摘していますが、問題の一部を指摘することによって、本質的な問題を隠蔽するのは詭弁です。中央銀行が金貸しに支配されているという本質的な問題には何も触れずに、中央銀行は独立機関であるべきだと主張するのは、まさしくその典型です。
我々は、経済の教科書で、中央銀行が独立していないと、政治家が選挙目当ての政策に悪用して、インフレになったり、恐慌が起きたりして経済が大混乱すると教えられてきましたが、これは真っ赤な嘘です。しっかりとした政治家が、みんなのための善政を行えば、経済が大混乱することはありません。
実態は公的機関でも独立機関でもなく、金貸しという私人が支配する民間機関でありながら、公的機関・独立機関であるという建前を盾にすることによって、その事実を隠蔽しています。しかも、実質的に国家を支配し、自らに都合のいいように金融政策を操っておきながら、経済政策が失敗すると、政治家の責任にできるわけですから、これほど、金貸しにとって都合のいい理屈はありません。国家の裏に隠れた金貸しが、責任を取らされることは先ずありません。
これは17世紀の中央銀行創立期に、金貸しが王様を騙して通貨発行権という打ち出の小槌を手に入れた時の騙しの論理そのものです。金貸しが構築してきた近代思想→経済理論は、壮大な騙しの体系です。我々は、金貸しに都合のいい理論に騙されないように、なぜそう言えるのか?事実なのか?を追求し、市場社会の本質を見極めなくてはなりません。
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