2018-08-02

反グローバリズムの潮流(イタリアの反EU新政権はEUと互角にわたりあっている)

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2015年にギリシャで反EUを掲げる新政権が発足した時には、3か月ほどで新政権がEUに敗北し、緊縮政策を飲まざるを得なくなりました。イタリアの新政権も勇ましく反EU政策を掲げたものの、政治経験のないコンテ首相が就任し、「五つ星」と「同盟」の連立政権も不安定で、ギリシャの二の舞になるのではないかと心配していましたが、今のところEUと互角に渡り合っているようです。

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何故ギリシャとイタリアでこれほど大きな差が出ているかですが、イタリアはEUでも第3位の経済大国であり、EUの予算も多く負担しているという国力の差ももちろんあります。しかし最も大きな理由は、反EU(反グローバリズム)勢力が、わずか3年の間で大きく成長して来ているからだと思われます。

EU域内の各国で反グローバリズム勢力が力を延ばしていることに加え、アメリカのトランプ大統領やロシアのプーチン大統領なども、ヨーロッパ内の反EU勢力を支援しています。3年前には、世界中をグローバリズムが席巻していましたが、わずか3年で状況は大きく変化し、今や反グローバリズム勢力の方が優勢になって来ている事を証明していると思われます。

 

■イタリア、対露制裁を自動更新しないよう呼びかける2018年6月27日

コンテ首相は対露制裁解除に取り組む意向を表した。首相によると、ロシアは様々な国際問題を解決する上で重要な役割を果たしており、ロシアとの対話を無視するのは間違っている。イタリア新政府は、政党「五つ星運動」と「リーガ」が内閣形成前に結んだ「契約」において対露制裁解除の必要性をゆるぎないものとした。

■EU首脳会議が難民問題で合意-イタリア首相が主導2018年6月29日

イタリアのコンテ首相は初めて参加した欧州連合(EU)首脳会議で、難民・移民の流入阻止や受け入れ分担に向け一連の措置を提示し、交渉で一定の成果を上げた。

各国は国境管理の強化や亡命希望者に対応する収容センター設立のほか、亡命の権利があるかどうかを決定し、権利を持たない人を退去させるプロセスの迅速化で合意した。加盟国首脳はイタリアやギリシャといった難民・移民が最初に到着する国の受け入れ能力が限界に達した場合の難民・移民受け入れの分担ルール見直しも公約した。同ルール見直しはイタリアが強く主張していた。

 ■イタリアで世界初の直接民主制担当相が誕生2018年7月9日

イタリアのセルジオ・マッタレッラ大統領は18人の新内閣を構成するに当たり、第一党「五つ星運動」の幹部議員リカルド・フラカーロ氏(37)を初代の直接民主制担当相に任命した。フラカーロ氏は故郷トレントで廃棄物問題に取り組む活動家になり、積極的な市民権や参加型民主主義を強く推進してきた。2013年以来、イタリアの国会議員として、あらゆる政治レベルで現代直接民主制を促進する試みを先導してきた。

同氏は日刊紙のインタビューで、この国の現代直接民主制に関する法整備の可能性、またその限界について。「新しい法律に関する市民のイニシアチブは、議会のイニシアチブと同一のルールにしなければならない。改革の財源、憲法との適合性もしかりだ」と語った。また、市民のイニシアチブに対し、政府と議会が対案を提起できる制度の導入についても触れた。これはスイスの制度に倣ったものだ。同氏は「大規模な審議の結果、市民が最終的に賢明な決断を下せる」と利点を語る。

直接民主制を支える拠点が政府内に出来た。これはグローバルな直接民主制が長年夢見たゴール、つまり市民の政治参加を真にサポートするインフラを実現するための試金石になるだろう。

■イタリア経済の先行きに期待は抱けるか?2018年7月10日

イタリアの財政事情を見ると、国債残高/GDP比は132%と日本、ギリシャに次ぐ高水準となっている。連立政権は、五つ星運動が月額780ユーロ(約10万円)の最低所得補償を打ち出した。同盟は、富裕層の大幅減税につながるフラット・タックス(15%、20%)の導入について連立文書でも合意した。この大幅減税に加えて、1家族当たり3,000ユーロの所得控除や雇用対策に20億ユーロの支出をあてるなどを合わせると、年間1,000億ユーロ、GDP比6~7%も財政赤字が拡大する。さすがにコンテ新首相も月額780ユーロの最低所得補償などの実施を遅らせることなどを通じて年間の財政赤字額増加を300億ユーロ程度に圧縮したが、それでも財政ポジションは着実に悪化する。

EU離脱についてはコンテ首相自らが否定した。国内ではリラを通用させるという併行通貨制の導入にも踏み込んでいない。しかし、新首相はEUの財政・金融ルールとガバナンスを見直すように強く求めている。例えば、財政赤字のGDP比を3%以下にするという財政ルールの変更を求めている。

イタリア国民は、ユーロ導入による競争力の低下とEUによる緊縮政策の押し付けが長期にわたる低成長をもたらしたとして、ブラッセル(EU)とドイツに対する反感が募っている。ドイツのシュピーゲル紙が「物乞いのイタリア人」と罵倒を浴びせていたが、EU予算でも自国の受け取りより他国への補助金支出が上回り、欧州の他の農業国のように補助金で潤っているわけでもない。

しかし、イタリア経済の長期低迷の根本的な原因は生産性を上回る賃金上昇にある。いまイタリアで最も必要とされているのはレンツィ政権が途中で挫折した労働市場の改革、社会保障制度の見直しなどの構造改革を通じて生産性を高め、生産性に見合うところまで実質賃金を引き下げるという辛い政策である。

■イタリア、500億ユーロの歳出拡大を提案 EUに支持訴え2018年7月17日

イタリアのサボーナ欧州担当相は16日、景気支援を目的とした約500億ユーロ(580億ドル)の歳出拡大案を明らかにし、欧州連合(EU)は財政赤字削減に固執せず、イタリアの計画を支持すべきだと訴えた。

イタリアは国内総生産(GDP)比2.7%前後になると予想される今年の経常黒字を成長促進のための追加投資に充てることを認められるべきだと主張した。また、EUがイタリアの提案を認めれば、経済成長の加速による歳入拡大でイタリアは主要な経済改革を全て実行できると述べた。

■イタリア首相、欧州委に移民受け入れ統括機関設置を要請2018年7月20日

イタリア新政権は、移民の受け入れ制限を模索しており、同国が亡命申請者への対応で不当な負担を強いられているとして、人道支援船の受け入れを中止した。

イタリアは15日、ドイツ、フランス、マルタ、スペイン、ポルトガル、アイルランドが多くを受け入れることに同意したため、移民450人のシシリア島下船を許可した。EU加盟国間でこうした暫定措置を巡り合意が成立したのは初のケースとなった。国連は19日、この動きを歓迎、EUの国境管理で「前向きな例」になったと評価した。

■伊与党・五つ星運動創設者、ユーロ離脱案「必要」 国民投票呼び掛け2018年7月28日

イタリア連立政権を担うポピュリズム政党「五つ星運動」創設者のペッペ・グリッロ氏は27日、メディアとのインタビューで、経済状況次第でユーロ圏を離脱する案を用意すべきだと述べた。イタリアにはこれまで緊急時対応の計画がなかったとし、多数がユーロ離脱を望むか判断するために国民投票を行うべきだと述べた。

■「EU懐疑論」で米伊が共闘? 厳格な移民政策で一致、ロシアとの対話も前向き2018年7月31日

トランプ米大統領は7月30日、イタリアのコンテ首相とホワイトハウスで会談した。トランプ氏は会談後の共同記者会見で、難民・移民に寛容な欧州連合(EU)の政策見直しを訴えるコンテ氏をほめたたえた。トランプ氏もメキシコ国境から流入する不法移民の締め出しを唱えているほか、「EUは敵だ」などと発言しており、「EU懐疑派」同士の両首脳による新たな「米伊連携」の構図が出来上がりつつある。

一方、コンテ氏も「米伊は双子の兄弟のようだ」と応じ、ロシアとの関係に関しても、米露首脳会談への支持を表明するとともに「イタリアはロシアとの対話に前向きだ」とした。先のG7首脳会議では、トランプ氏がロシアを含む「G8」の枠組み復活を提唱したのに対し、コンテ氏だけが積極的に賛同していた。

List    投稿者 dairinin | 2018-08-02 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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