2008-04-26

病院に行って考えたこと。このままじゃヤバいんじゃないか!

最近、体調を崩し、久しぶりに病院のお世話になっているohmoriです。
驚かされたのは、今の病院、かなりシステム化されてるってこと。
受付→検診→会計→処方と、なんとゆうか、オートメーション化されてる。
会計なんか、自動精算機になってる。
働いてる医者の方や看護士の方も、高速回転。
ま、そんななかでも、医者の方や看護士の方や薬剤師の方との会話もあり、元気付けられて快方に向かってるわけですが、あんまり安穏とはしてられないようです。
えっ?なんで?
と思った方、クリックしてからよろしく!cmnow2007_9_10-4.jpg

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ありがとうございます。では、行ってみましょう。
危機意識の発端はアメリカ医療の惨状
行き過ぎた民営化がその原因。
患者側・病院側に分けて状況を整理してみたいと思います。
事例は「ルポ貧困大国アメリカ」から拝借させていただきました。
【患者側の惨状】
高い入院料
盲腸手術入院でかかる一日あたりの費用は以下のとおり。
  ニューヨーク:243万円
  ロサンゼルス:194万円
  サンフランシスコ:193万円
  ボストン:169万円

ちなみに、日本では4〜5日入院しても30万円を超えることはまずなく、
香港でも4日で152万円、ロンドンでは5日で114万円。
アメリカの入院費の高さに驚かされる。
こういう状況なので、一回病気になっただけで借金漬けとなり、
貧困層に転がり落ちる人が多いそうだ。
保険会社の独占状況
「入院費、保険で払えばいいじゃん」と考えがちだが、それも難しいらしい。
保険会社に請求をすると、あれこれ難癖をつけられ、音声ガイダンスをたらい回しにされて、
心身ともに疲れ果てて請求をあきらめる、といった例が報告されている。
こういうことが可能になるのは、特定保険会社の市場独占が背後にある。
全米294の都市のうち、その地域の保険市場の50%以上をたった1社が独占している都市は166ある。
そこでは、その保険会社のやりたいほうだい。
支払いなどのサービスを低下させても大丈夫だし、
高い保険掛け金を設定することも彼らの思いのままなのだ。
【病院側の惨状】
株式会社化する病院
競争原理の中に放り込まれた病院は、それまでの非営利型から、株式会社型への転換を強いられる。
その成功?例が全米一の巨大医療チェーンに成長したHCA社。
現在、全米に350の病院を保有、年商200億ドル、従業員28.5万人を抱える世界最大の医療企業。
同社は、コスト削減のために、採算の合わない部門や高賃金の看護士などを次々に切り捨て、患者には高額の請求をして利益を上げてきた。
通常の医師ならば、患者の健康や命を2の次にすることになるこうした経営方針に違和感を感じるものの、徹底した競争原理に組み込まれてしまうと、次第に思考を停止させることになる。
高額なボーナスか、退職かを迫られれば、前者を取らざるをえないのは理解できる話だ。
多忙→ミス爆発
人員削減による影響は真っ先に看護士を直撃する。
業務が増加し、ミスが続出。また、疲労困憊が常となり、患者に接する心のゆとりが失われ表情から笑顔が消えてゆく。
医療事故も増加。
1999年のレポートによれば、毎年4.4〜9.8万人が医療事故で死亡しているという。
年間4万人の自動車事故死数を上回って、社会問題化している。
こうして高騰する医療費は患者に負担をかけ、
病院側では過当(市場)競争によるサービス低下という問題を引き起こす。
結果、人々の「いのち」や「こころ」を守る医療制度はズタズタにされ、
大多数の人々の犠牲の上に、一握りの資本家が儲ける構造ができあがる。

コイズミ改革における「民営化」「規制緩和」も言うまでも無く、同じ流れ。
冒頭の日本の病院の状況に、それが垣間見えた。
このままではヤバイ。
間違った流れに飲み込まれないように踏ん張りつつ、
事実構造を解明し、発信、なんとか流れを変えて行きたい。

List    投稿者 ohmori | 2008-04-26 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨10 Comments » 

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コメント10件

 shijimi | 2008.08.04 17:42

廃藩置県ってもっとクリーンなイメージがあったからびっくり!借金踏み倒しのために行ったんですね!!現代の金融不安と通じるものがありますね〜★

 yamasho | 2008.08.04 23:11

旧体制の借金棒引き、新体制の金貸したちの登場というしかけが同時に行われたということでしょうか?
このとき、欧米の金貸したちはどのような戦略をとっていたのかも興味を惹かれますね。

 finalcut | 2008.08.05 10:45

>shijimiさん、こんにちは
明治以降の「歴史」では廃藩置県は素晴らしい改革なんですね。その結果日本人の封権制度アレルギーは相当なものになりました。(笑)
>yamashoさん、コメントありがとうございます。
1860年代といえばイギリスが世界各地に植民地を拡げ、世界貿易を牛耳っていた時代ですね。たしかロスチャイルド、モルガン、ロックフェラーらが石油という新産業に乗り出した時期だと思います。彼らが極東の小国で起こった政変をどう見ていたのかは気になりますね。

 mihori | 2008.08.07 3:29

ほぇ〜(@o@;「廃藩置県」って社会で覚えた気はしますが、
そんな大きな意味があったなんてびっくりです!!!
>詐欺まがいの徳政令により商人が持っていた債権を紙くずにして大阪商人を潰し、新通貨を中央政府の特権階級のもとに集中させる仕組みをつくる。
自分の利益のためなら本当に“なんでもあり”の世界なんですね…。コワイ…。。。

 finalcut | 2008.08.07 18:16

>自分の利益のためなら本当に“なんでもあり”の世界なんですね…。コワイ…。。。
mihoriさん、こんにちは
「自由」の真の姿が見えたようですね。(笑)
また、徳政令の「徳」の字にもだまされそうになります。
「言わない(1871)で、廃藩置県」の語呂合わせには、
深い意味が込められていたのかもしれませんね。。

 kaku | 2008.08.07 19:31

廃藩置県の本当の意味がわかりました!金貸しも力が無ければ国家に食われてしまうんですね〜。
でもその後国家は誰から金を借りたんだろう??

 finalcut | 2008.08.12 1:31

kakuさん
>金貸しも力が無ければ国家に食われてしまうんですね〜。
それはそのとおりで、このときも鴻池屋だけは痛手を受けながらも生き残っています。3代目のときに新田開発を行い広大な農地(鴻池新田)を持っていたので、実業収入で支えることができたらしいです。
余談ですが、三井が鴻池家を閨閥に取り込んだように、新興財閥は鴻池善右衛門と何らかの形で手を組もうとしたようですね。日本生命の初代社長になったのも名目だけ。江戸時代に築いた「鴻池」のブランドはかくも大きかったということでしょうか。
その後、新産業勃興の時代になり、財閥化した商人が新産業を取り込んで資本力を拡大していきます。一方、国家は富国強兵、侵略政策を進め、需要の開拓に邁進します。そこらへんがどうつながっているのか、今後の展開にご期待ください。

 匿名 | 2009.08.16 18:33

そういえばいつか、明治維新とニセ金作りの件が
あったような気がしますが、あれを見る度に失笑がこぼれてなりません。再掲載を希望します。

 svizra hermes bags | 2014.02.01 7:36

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