2009-11-03

ドルに代わる通貨システムは?〜5.国際通貨基金(IMF)の実権は誰にある?(2)

shinohara_nakagawa_shirakawa.jpgSDR(Special Drowing Roghts:特別引出権)の発行主体であるIMF。そのIMFの副専務理事に、去る10月6日、日本の篠原尚之元財務官が就任すると発表された。左の写真は今年2月14日のG7での中川昭一財務相(当時)の“朦朧会見”だが、中川氏の向かって左にいるのが篠原元財務官だ(右は白川日銀総裁)。当時、会見の補佐役でありながら、呂律の回らなくなった財務相のフォローをすることもせず、微妙な表情で隣に座していた篠原氏の不審な態度は、テレビやインターネットでも話題に上っていた。また、この朦朧会見にかき消されて殆んど報道されなかったが、この前日には、中川財務相が日本からIMFに対する1000億ドルという巨額融資の合意文書に調印し、ストロスカーンIMF専務理事から「史上最大の貢献」と絶賛を受けている。
折りしも、中川元財務相が亡くなった2日後に、この疑惑の財務官がIMFの要職に就く人事が発表されたわけだ。これは単なる偶然なのだろうか?前回記事で整理したIMFの組織体制を念頭に、この奇妙な符合を見せる出来事の裏読みを試みてみたい。
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■中川昭一を巡る謀略と篠原元財務官の立場
副島隆彦によると、中川財務大臣の朦朧会見は、米国に金を貢ぐ係である財務官僚と読売新聞の女性記者が共謀し、対立する中川を陥れるため会見前の酒席で薬を盛ったものだという。これはベストセラーになった副島氏の『日米「振り込め詐欺」大恐慌』で堂々と書かれているが、姿を消した読売の女記者を含め関係者から何の反論もなく信憑性は相当高い。問題となった会見前の酒席をセットしたのは、篠原の後任で財務官になった玉木林太郎(当時国際局長)である。つまり篠原元財務官は共謀の中心人物であった可能性が高い。(参考:ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報「中川昭一、”謀殺“の責任者がIMF副専務理事へ。憤死の原因か?」
では、なぜ中川が陥れられたのか?中川は、金融危機以降、「もうこれ以上日本は米国債を買い増ししたくない」「ニュヨークで起きた金融破碇で世界中の金融機関と政府が大変迷惑している。アメリカがまず責任を感じて欲しい」と、米国に対して苦言を呈していたらしい。
さらに中川は、IMFへの1000億ドルの融資の財源について「外貨準備高を活用する」と発言していた。これは無駄に積み上がった米国債のうまい下落リスク逃れであり、中国など、米国債をなんとか手放したい国々がこぞって真似をし、一気に米国債・ドルの暴落を引き起こしかねない。この(米国にとっての)暴挙を阻止するため、中川は失脚させられたのではないだろうか。実際、結局この米国債の活用案は採用されず、融資は外為特会を使うことになった(為替介入資金の調達と同じ方法=国の借金)。つまり中川の目論見は潰された。
次に中川昭一の名が登場する事件に、今年6月の13兆円の超高額ドル紙幣の密輸事件がある。この事件の詳しい分析は本ブログのこの記事を参照してほしい。デヴィッド・ロックフェラーを中心とする米系金融資本〜CIA勢力が小泉・竹中一派の構造改革への報償と自民党選挙資金として運んでいた大金が、イタリア警察に押収された事件だ。押さえたのは、デヴィッドら金貸しのさらに背後にいる金主=欧州貴族勢力とみられる。そして、この大金を運んだのは日本の財務官僚であり、ネット情報の中には、この超高額紙幣に関する中川財務相の信任状が発見されたという噂もある。

130billion_Dollar.jpg

そして、10月4日の中川昭一の急死は、民主への政権交代の後、郵政民営化のリセットを進める亀井らに対するCIA筋からの脅しであるという。(参考:るいネット「中川昭一は、なぜ殺されたのか? 亀井に対する「脅し」では?」
もとより、デヴィッド・ロックフェラー勢力と日本の大蔵・財務官僚は結びつきが強い(例えば、三極委員会メンバーで最近財務省顧問になった行天豊雄も、篠原や玉木と同じ元大蔵省国際金融局〜財務官)。中川は今年初め〜夏までに米国闇勢力と財務省官僚によって引き起こされた複数の謀略に関して、重要な情報を知る立場にいたと考えられる。
■IMFが篠原元財務官を迎える意味は?
では、IMFが篠原財務官を召し抱える理由は何か?そして、篠原就任の報と中川死亡が2日と違わないのは偶然なのか?
IMFの副専務理事は、専務理事が理事会の同意を得て任命できることになっているから、この人事にはストロスカーンもしくはその背後の勢力の意向が反映されていると考えられる。
一つは、IMFの主導権を握る勢力が中川失脚・暗殺の首謀者であり、篠原の就任はその報償であるという仮説。この場合、IMFの実権は米系金融資本勢力〜CIA筋が握っていることになる。しかしそれだと、中川が主導したIMFへの1000億ドルもの融資話の辻褄が合わない。IMFの力を増しSDRを次の通貨として普及するなら、これはまたとない有り難い話だ。
もう一つは、IMFは現在は欧州勢(欧州貴族勢力)が主導権を握っており、敵(金貸し)の謀略の秘密を握る証拠人=人質として篠原を招き入れたのではないか、という仮説。しかし、篠原やCIAがみすみすそれを放置しておくとも思えない。
最後に、8月の政権交代で状況が一変したという仮説。篠原が財務官を退任したのは7月で解散選挙前だ。この時既にIMF副専務理事への就任が決まっていたと考えられる。この時は、IMFも米系勢力がまだ主導権争いを続けており、日本からも手先である篠原を送り込んで優勢に立とうとしていた。ところが、6月には例の13兆円事件で財務省を使った謀略が半分バレ、かつ自民党の選挙資金を失って8月選挙では自民が惨敗し政権が交代。世界的な覇権闘争の趨勢もIMFの主導権争いも、一気に欧州勢に傾いた可能性が考えられる。
そうなると、手先の篠原は敵(IMF=欧州勢)の人質に変わってしまい、議員職も失いいわばフリーの立場になった中川が、自分を陥れた財務官僚のIMF要職への就任に際して何を暴露するか分からない。そこで慌てたCIAが、口封じと亀井への脅しを兼ねて中川消去に動いたのではないだろうか?もしそうだとすると、米CIA勢力は、謀略の秘密を握る篠原元財務官を欧州勢にまだ囲い込まれたまま。いまだにアキレス腱を握られた状態にいるのかも知れない。

List    投稿者 s.tanaka | 2009-11-03 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨3 Comments » 

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コメント3件

 YAMAOKA | 2010.05.23 13:39

今の日本の危機に対しての無気力、無関心の原因の1つは、TVや新聞などが、現状を正しく報道しなくて真実を国民が知らない人が多すぎるからだと思う、戦前の大本営発表みたいだ。
残念ながらこの状態は今後も変わらず、行く所まで行って始めて大多数の国民はやっとき気付くという未来だろう。
知識のある人は独自に自衛手段を考えるしかない。

 コスモス | 2010.05.23 13:58

YAMAOKAさん
マスコミがダメダメなことは、だいぶ分かってきているけど、まだまだですね。
「みんなでネットを見て考えよう!」
が、現在進行形の良き流れかと(但し、一部)
行き着く一歩手前ぐらいで何とかなりませんかね・・・

 hermes hellenic | 2014.02.02 3:39

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