2022-01-28

地域通貨をはじめとする感謝経済は何を生み出せるのか

スウェーデン国立銀行が「eクローナ」から始まり、デジタル人民元で改めて注目が集まる、デジタル通貨。

中央銀行発のデジタル通貨はもちろん、地域で発行されているデジタル地域通貨にも注目が集まっています。

地域でのみ使える地域通貨がデジタルにするのはなぜか

地域通貨(感謝経済)が生み出す可能性は何か

今回はこのあたりをテーマに考えていく。

にほんブログ村 経済ブログへ

●地域通貨

地域通貨は「アトム通貨」や「さるぼぼコイン」「アクアコイン」等使ったことはなくても、広く名前が知られています。

日本では昔から地域通貨として

があった。幕府の発行する通貨の不足を補う形で地場産業の振興に大きな効果があったとされています。

こういった歴史に注目し、2000年代に改めて注目が集まりました。

(1)特定の地域に限って流通する、

(2)利用可能な期間が限定される

一見制約だが、地域の住人や滞在する人から考えると、

  • 「ここでしか使えない」⇒「ここでしか買えない」
  • 「今利用しなければやがて失効してしまう」⇒「今しか買えない」

地域通貨でしか買えない商品やメニューもあり、旅行に行くとついつい財布の紐が緩くなってしまう人もいると思います。そのような現象を期待するもの。

この時できた地域通貨には大きく分けて4つの発行形態がありました。

(1)紙幣発行型、(2)通帳型、(3)小切手型、(4)ICカード型の4つです。

また、「偽造リスク」と「発行・維持管理コストの大きさ」という2つの問題点がありました。特に「発行・維持管理コストの大きさ」という問題については、以下の3点が大きな負担となっていました。

  • 通貨の物理媒体の作成・発行が必要であること
  • 利用状況の把握・管理が困難であること
  • 管理業務負担が大きいこと

立ち上げ期の熱量で最初こそは乗り越えるが、大半の地域通貨はこの問題で、現在は使われないものとなってしまいました。

この状況を打開し、地域通貨に新たな時代を拓く可能性のあるもの。それがデジタル地域通貨です。

●お金の価値は感謝の量⇒感謝経済

「アトム通貨」や「ぶんじ」等単純なお金として使えるだけでなく、感謝⇆お金の関係を持った地域通貨

・アトム通貨

 

高田馬場付近で流通する通貨で、地域イベント等を企画した人へ事務局が発行し、イベント参加者に配る形で流通する通貨。

・ぶんじ

 

メッセージカード兼お金の地域通貨。提携するお店でのお買い物のお釣りとしてもらい、次の人に渡すときは感謝を追記して使い、街に感謝が広がることを目的としている。

こういった、各人への評価や感謝というものが、現在の資本主義からは欠落してしまっているが、資本主義の原点は感謝の対価として金銭をやり取りする。本源的だからこそ、その通貨を使う人、もらう人も気持ちが良い通貨。

●企業内の感謝経済

ぴあボーナスとはGoogle発祥のボーナス形態。

 

企業としては人材評価がそのボーナスの動きを見ればわかりやすくなる。

また、従業員の活力▲し、より周りに役に立つ事への思考の転換が期待できる。

特に効果として大きいのは以下の4点

      1. 従業員が部署を超えて協力し合う
      1. 会社の雰囲気がポジティブになる
      2. 従業員エンゲージメントを高める
      3. 優秀な人材を流出させない

お金の話になるとどこか卑しい会話になる印象が強い方もいると思いますが、感謝=金銭と考えれば、お金の動き=感謝の環が広がる事。地域であれ企業であれ集団の活力を引き上げる力がある。

List    投稿者 okuno-s | 2022-01-28 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2022/01/9309.html/trackback


Comment



Comment