2022-05-22

ドル(FRB)と金本位制 ~ドル崩壊で金貸しは通貨発行権を失う~

世界で流通している現通貨、そしてロシアによる金本位制の出現。
これらのせめぎあいはどこに向かうのか?
これを見通すには、歴史的な起源から見ていく必要があるように思う。

金の預かり証から始まった紙幣。金と交換できる預かり証。金貸しはその預かり証=借用書(紙幣)の量を10倍に水増しする(信用創造)ことで通貨量を増やしていった。
市場論・国家論4.金貸しの誕生と十字軍の遠征
そして、その延長上に、国家を相手に金を貸す中央銀行設立→金貸しが通貨発行権を獲得。

金本位制の起源は、金の預かり証にあるように見える。
一方で、国家の発行する法定通貨はどうか?国家や幕府が発行した金貨や小判は貨幣そのものに価値がある。しかし、法定通貨は、税金を担保とした紙幣という性格も持ちあわせており、両面性がある。より貨幣価値として信用があるのは、貨幣そのものが価値を持つ必要がある。
むしろ発行する主体による。

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★金本位制のデメリットは、通貨発行量が金準備額によって制限されるという点。国家が総力戦を戦おうとするときに、お金の量がたりなくなる。

それを解決したのが、
・1913年アメリカでFRB(連邦準備制度)設立。
※FRBの設立は、ほぼ無制限の通貨発行を可能にし、金本位制を停止させた。金に代わって、通貨の原資と成ったのがアメリカの連邦債である。連邦債は僅か4年で10億ドルから250億ドルに膨れ上がった。FRBはアメリカ国民の将来の税金を担保にしてあぶく銭を手にすることになる(国債経済=税金の徴収権を握られ、国民すべてが金貸しの奴隷となる)。
・1933年ルーズベルトはニューディール政策とともに、経済と金融の安定の名目で銀行の金貨両替業務を停止、国民が金を所持することを禁止、国民から金を一オンス20.67ドルで買い上げた。もはやドルと金を交換することは必要なくなった。アメリカの金本位制の実質停止。
・1936年には最後まで金本位を維持していたフランス、スイス、オランダ、ベルギー、イタリアも金本位制を放棄。

参照:世界大戦のために葬られた金本位制

金本位制は既に1933年に放棄。その後FRBと欧中央銀行は、1990年以降ドルの価値を守るために、金価格を下げる介入を度々行ってきたが、金融緩和による通貨の水増し発行から通貨価値は下落を続けている。
2022ロシア+BRICSが金/資源本位制を導入。金とドルの闘いに決着がつきそうだ。
BRICS、金本位による反ドル同盟結成か?

★本質は、金貸しが借金証書(通貨発行権=税の徴収権)として発行するドルの終焉であり、同時にドルによる世界支配とも言える基軸通貨体制の終焉。
金や資源の裏付けを持つ、各国通貨の流通へ向かう。金貸しは通貨発行権=借金証書=税の徴収権を失うことになる。

by タロウ

List    投稿者 inoue-hi | 2022-05-22 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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