EUと中国が制裁合戦。EUが包括的投資協定(中国に企業進出)を凍結。中国はどこまで世界世論と対立し続けるのか?!
これまでの経緯は
【1】EUと中国は昨年12月に長年の協議による包括的投資協定(CAI)を締結した。
外国企業の中国への進出の際にあった多くの規制を撤廃する内容です。
EUはコロナ不況を中国市場へと投資を糧として乗り切りたい。
中国は米国との争いの中,EUとの結びつきを強めたい。
両社の思惑が一致しての締結でした。
【2】EUは、中国の新疆ウイグル自治区で人権侵害をみて、中国の公安部門のトップらに対してEUへの渡航禁止や資産凍結の制裁。
【3】中国は反発し報復措置として、EUの政治家や外交組織、シンクタンクなどに制裁を導入した。
【4】EUは、逆に包括的投資協定(CAI)の凍結を決議。
中国とEUの投資協定 欧州議会が批准「凍結」決議採択
( SAIKEI BIZ より)
中国は、新疆ウイグル、香港問題、台湾問題など民族問題は放置すると、55民族の多民族国家の崩壊につながりかねない譲れない最重要問題なので、過剰に反応せざるを得ないのだろう。
ドイツなどは中国進出による経済復興を期待していたが,EU全体が中国に反発しているので当面は解決しそうもない。
一方で、イギリスは去年にEU=ヨーロッパ連合から離脱したのを機に、インド太平洋地域に最新鋭の空母「クイーン・エリザベス」を派遣して、中国をけん制し始めた。
イギリスは、中国が提案するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に真っ先に参画して中国との経済関係を推し進めてきましたが、香港、新疆ウイグル問題で関係悪化させながらもイニシアチブを握って、金儲けのチャンスを模索しているのだろう。
経済がグローバルと成った為に、今のアメリカと中国の関係のように、仲は悪いが付き合っているという関係になっている感じがします。
つまり経済ではお互いが補完し合う関係でありながら、相手の弱点を叩きながら制裁合戦しながら貿易する、EUと中国も似たような感じになってきた?!
思惑が入り乱れる国際社会なので、今後も注視していきます。
by猪飼野
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2021/05/8366.html/trackback