2018-12-19

反グローバリズムの潮流(イギリスのEU離脱、メイ首相は「合意なしブレグジット」に向けた準備を進めることを決定)

_104838403_theresamay_afp前回の記事「反グローバリズムの潮流(イギリスのEU離脱、英とEUが「離脱協定案」に事務レベル合意!!)」では、イギリスとEUが離脱協定案に事務レベルで合意したことを伝えました。しかし、イギリスの議会で承認されるかどうかが課題で予断を許さない状況でした。イギリス議会は離脱協定案に合意したのでしょうか。

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結論から言いますと、12月11日に予定されていたイギリス議会による離脱協定案の審議は1月14日に延期されました。その理由をメイ首相は次のように述べています。「もし明日採決を行えば離脱協定案は大差で否決されるだろう。だから採決を延期する」。議会の承認は難航が予測されるとは聞いていましたが、ここまで反対が多いとは驚きです。

離脱協定案に反対しているのは野党だけではありません。与党の中にも反対者が多く12月13日にはメイ首相への信任投票が行われました。何とか信任は得たものの、与党である保守党の1/3を超える117人が不信任に投票しており、今のままでは、離脱協定案に議会の承認が得られないことは確実です。

しかし、延期したからと言って賛成を得られる可能性はあるのでしょうか。唯一の可能性はEUと再交渉してイギリス議会が納得する協定案に見直す事ですが、メイ首相が13日に「もう後がない。助けてほしい」と訴えたにもかかわらず、EUのユンケル委員長は「合意の内容をより明確にすることはできるが、再交渉はしない」と訴えを拒否しました。

後がなくなった、メイ首相は18日に「合意なしブレグジット」に向けた準備を進めることを決定。政府機関に合計20億ポンド(約2850億円)の準備予算を計上、政府機関の支援に向け、軍部が3500人の兵士を手配することが決まりました。

来年1月14日のイギリス議会で協定案が否決された場合、3月29日のEU離脱は合意なき離脱となり、EUが大混乱に陥る可能性は高くなってきました。ドイツのメルケル首相の求心力低下、フランスのマクロン大統領は大暴動で支持率低下しており、来年はEU崩壊の年になるのかもしれません。

 

■英EU離脱案 正式承認 英議会の承認が焦点に2018年11月26日

EUの特別首脳会議は25日、イギリスの離脱条件を定めた「離脱協定案」と、離脱後の関係について言及した「政治宣言」について、正式に承認した。今回の合意は、双方が互いに歩み寄った形だが、イギリス国内では、離脱強硬派がメイ首相に対して、「EUに妥協している」と痛烈な批判を続けていて、今後、議会が承認するのかが最大の焦点となる。

■英議会でEU離脱協定案の審議はじまる2018年12月5日

離脱協定案についての議会での審議は5日間行われ、最終日の11日に採決が行われる。メイ首相率いる保守党は単独では過半数に達しておらず、また、造反を明言している議員も多数いることから、イギリスのBBCなどは、承認が得られる可能性は低いと伝えている。承認が得られなければ「合意なし」での離脱となる可能性が再燃する。

■英首相、EU離脱案の採決延期…混乱必至2018年12月11日

EUからの離脱を巡り、イギリスのメイ首相は10日、翌11日に予定していた離脱協定案の採決を先送りした。承認のメドがたたないためで、政界に混乱が広がるのは必至。

メイ首相「もし明日採決を行えば離脱協定案は大差で否決されるだろう。だから採決を延期する

■英・保守党 あす未明メイ首相の信任投票へ2018年12月12日

イギリスのEU(=ヨーロッパ連合)からの離脱協定案の採決を巡り情勢が緊迫する中、与党・保守党は、日本時間の13日未明、メイ首相の信任投票を行う。投票の結果、不信任が過半数に達した場合、メイ首相は辞任に追い込まれることになる。

■メイ英首相、党内の信任投票で勝利 議員317人中200人が支持2018年12月13日

英保守党の党首信任投票で12日夜、メイ首相は同党下院議員317人のうち過半数の200人から信任投票を得て、留任することになった。

首相は、13日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議の場で、すでにEUと合意した離脱協定の修正を強く求めていくと表明した。保守党EU離脱派の中心的存在で、首相不信任運動を推進したジェイコブ・リース=モグ議員は、117人が不信任に入れたのは「首相にとってひどい結果だ」と述べ、首相は直ちに辞任すべきだとBBCに話した。

■英メイ首相「助けて」 EUは離脱合意案の譲歩拒否2018年12月14日

メイ首相が13日EU(ヨーロッパ連合)首脳会議に出席しました。イギリス国内で反発の大きいEU離脱合意案について譲歩を求めましたが、EU側は拒否の姿勢を崩しませんでした。

メイ首相は、国内で強い反発を受けている現行の合意案について「もう後がない。助けてほしい」と訴え、EU側の譲歩を求めました。しかし、EUのユンケル委員長は「合意の内容をより明確にすることはできるが、再交渉はしない」と訴えを拒否しました。

■EU首脳会議の声明、英議会反対派の納得は困難2018年12月15日

EU首脳会議は、イギリス議会が懸念する、EU離脱協定のアイルランド国境管理についての緊急避難条項について、改めて「一時的なものだ」とする声明を出しました。ただ、これでイギリス議会の反対派を納得させるのは困難で、さらに交渉が続くことになります。

13日のEU首脳会議の後に出された声明は、EU離脱協定自体の修正交渉は明確に拒否したうえで、アイルランドの国境管理に関する緊急避難条項については「あくまでも保険であり、適用されたとしても一時的なものだ」と改めて述べました。

■2度目の国民投票は「国民の信頼壊す」 メイ英首相、EU離脱協定めぐり警告2018年12月17日

イギリスのテリーザ・メイ首相は、欧州連合(EU)をめぐる国民投票を再度実施するべきだと主張する一部の下院議員に対し、「英国民の信頼を壊すもの」と警告する予定だ。下院では今後、ブレグジット(イギリスのEU離脱)について離脱協定の採決が行われる予定だが、議員らの承認が得られなかった場合には新たなに国民投票を実施すべきだという声が挙がっている。

■英労働党、メイ首相に対する不信任案を提出2018年12月18日

英最大野党・労働党は17日夜メイ首相に対する不信任決議案を下院に提出した。メイ首相がEU離脱協定をめぐる下院採決を1月14日の週まで延期すると発表したことに反発したもの。ブレグジット協定の採決は11日に行われる予定だったが、否決の見通しとなり、メイ首相はこれを延期していた。政府は不信任投票のための時間を作らない方針だと話している。

 

■英内閣、合意なしブレグジットの準備を開始 20億ポンド振り向け2018年12月19日

イギリスのメイ内閣は18日、離脱条件で合意せずにEUから離脱するいわゆる「合意なしブレグジット」に向けた準備を進めることを決定した。下院議員がいかなる離脱協定も受け入れないまま来年3月29日の離脱期日を迎えた場合に備え、政府機関に合計20億ポンド(約2850億円)の準備予算を計上する。また、国内企業14万社に合意なしブレグジットに向けて備えるべき点を示した書簡を送るほか、政府機関の支援に向け、軍部が3500人の兵士を手配することが決まった。

労働党は、合意なしブレグジットは「実行不可能」で、他党と協力してこれを阻止する姿勢を示した。EU離脱をめぐる2度目の国民投票を求めている自由民主党は、政府が合意なしブレグジットになるという脅しで議員や企業、国民を「怖がらせようとしている」と指摘した。

List    投稿者 dairinin | 2018-12-19 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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